見出し画像

文庫本を解禁し、『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』を読んだ

昨年の目標は「電子書籍への移行」だったが、昨年末にその目標はアッサリ捨ててしまった。
電子書籍もいくつか買って読んでみたが、やはり紙の本が好き。

元々出版社で働いていたこともあってか、紙には思い入れがある。本の表紙、帯、キャッチコピー、全てが合わさって一つの本ができあがる。新品の匂い、古本の匂い。一冊の本からは、内容以外に様々な情報を得ることができる。

今頭の中にあるテーマは?

電子書籍への移行を掲げていた時期は、欲しくなる欲求を抑えるために、本屋に行くことからも足が遠のいていた。しかし今年の私は完全解禁だ。早速今日も、待ち合わせまでの時間を本屋で過ごすことにした。そこで、面白い本を見つけた。

二村ヒトシさんの『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』だ。

二村ヒトシさんて、名前は見たことあるけど誰だろう?恋愛系の記事を書くエッセイストかな?と思って検索したら、AV監督の方だった。画像を検索すると、どこかで見たことあるような、眼力強めな方だった。

中身をめくると、あら?以前、私が書いた「自分へ」と題した記事の中で、感情を感じきるということを書いたのだが、同じようなことが書かれている。

普段本を読むときは、客観的な根拠や論理的展開などをついつい求めてしまうのだけれど、心理学的アプローチなどの説明が、間に挟まらない分、作者の話を聞いている感覚で、かえって読みやすかった。

俯瞰から「男と女」の傾向を観察している視点なのは、性を扱う業界で、長年男と女の駆け引きを見てきた著者ならではなのかもしれない。

女性は、とか男性は、といった記述も多いため、読む人によっては「ジェンダーバイアス」を感じる方もいるかもしれないが、私は面白かったし、わかりやすかったなぁ。

以下、今の私に刺さった内容を引用します。

自己受容してない人は、恋愛の相手を使って「自分の心の穴」を埋めようとする。

『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』p.52

「自分の欠点」は直さなくていい。
むしろ「罪悪感」が相手を傷つける。

p.61

自己受容していない人にとって、
恋と憎しみは同じである。

p.67

「甘やかすこと」と
「自己受容すること」は、ちがう。

p.188

面白いことに、これらの引用は全てが小見出しだ。タイトルで、ガツンと主題を言い切ってしまっているので、本文を流し読みしても作者の言いたいことがわかりやすくまとまって読めるのかもしれない。それぞれの詳細には触れないが、こうしてみても「自己受容の大切さ」がこの本の結論であり、テーマなのがわかる。

自己受容については、最近特に意識していることだったので、この本にたまたま出会ったのも、今このタイミングだったからだと思う。