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詩 「天才」


天才は
100%才能でできている

天才が
努力という
概念を持っているのか
ぼくにはわからない

天才は
やりたいことを
死ぬほどやっているだけのように
ぼくには見える

凡人は
やりたいことを
死ぬほどやることができない

圧倒的に
残酷なまでに
天才は天才なのである

天才ではない
ぼくにできることは
自分が天才ではないと
自覚すること

自分のやっていることを
徹底的に批判しながら
自己満足を目指し
けっして満足しないこと

自分のやっていることが
どのくらい天才の足元にも及ばないか
はっきりと明確に思い知ること

自分の無力を思い知りながら
これをずっと続けていれば
無理かもしれないけど
もしかしたら あわよくば
天才の足の小指の爪くらいには
近づけるかもしれないと
夢をみること

たしかに
結果は重要です
ときには
他人の評価も必要です

でも
日々夢をみて
ああでもない
こうでもないと
生きている毎日があれば
ぼくは何も残せず
明日死んでもかまわない

もしも〈才能〉が自動販売機で
100円で売っていたとしても
ぼくはそれを買わない

夢みる毎日が
なくなってしまうから

ぼくにとっての
生きる希望とは
ほんのわずかな可能性を
夢みることなのだから



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