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ドラえもんプラス 第7巻(2023)各話感想

9年ぶりのドラえもんプラス最新刊なので、何か残しておきたいと思い、読みながら感じたことや反応した所を、簡単に書いていきます。

それぞれの話に良さがありますが、特に好きなのは、
4コマしか出ないおじさんの存在が完璧な「つきぬけざぶとん」
ホラーサスペンスギャグ漫画な「ドラえもんの歌」
ドラえもんのたたずまいが好きな「のび太放送協会」
自分も一緒に遊んでみたくなる「アニメスプレー」
ドラえもんというロボットの魅力溢れる「万能テントですてきなキャンプ」
になります。

ドラえもんは面白いギャグマンガであると改めて感じました。


つきぬけざぶとん(「小学二年生」1976年12月号)

いきなり、1ページ目ののび太の「知らない」という無垢な笑顔がツボに入ります。
そして最後、座布団から落ちるためだけに来た来訪理由も不明な謎のおじさん、表情からたたずまいから全て味わい深いですね。廊下に落ちてた座布団をそのまま使って客を座らせようとし、落ちたら「まっ」ってな感じな表情のママも、おじさんをよく引き立てていて良いです。

かわり絵ミラー(「小学二年生」1976年3月号)

新しい物を手に入れた時のジャイアンの本当に嬉しそうな様子ってかわいいです。珍しく自分で買ってるのもポイント。これは怒ってもしょうがない。
きっかけはのび太が気持ちよいくらい悪いのに、のび太に罰がなかったのがてんコミに入らなかった要因の一つかな?と思いました。

高層マンション脱出大作戦(「小学三年生」1990年1月号)

大山ドラのアニメの印象がすごい残ってる話です。タイトルの展開へ行くためのスピーディさがF短編って感じで良いですね。あまりにも自然に会話に加わるのび太、面倒を押しつけられるの巻。
ジャイアンは自分がまなぶ君を迎えに行くという意味で言ってる筈なのに、ノータイムでジャイアンとまなぶ君を入れ替えるドラえもんの自然な鬼畜さ、これこそドラえもんというロボットって感じで良いです。

ミニたいふう(「小学一年生」1976年10月号)

満面の笑みで「あんなに速く走れて嬉しいだろうね。」、これこそドラえもんというロボットって感じで良いです(2回目)。
ジャイアンを倒す時の、のび太とドラえもんが「しょうがないなぁ」って感じの呆れた表情で、気怠く立ってる雰囲気が好きすぎます。

ドラえもんの歌(「小学四年生」1971年10月号)

好きな話が来ました!わさドラのアニメも面白かった。既に扉絵と一コマ目のジャイアンから面白いです。
「げいじゅつのわからんやつは人間じゃないっ。」この状態のドラえもんは最強ですよ。
「みんな聞きに来るといってた。きみは?」「今夜はたっぷりと、ひとばんじゅう歌ってあげるよ。」これは既に〈ジャンル:ホラー、サスペンス〉だと思います。「いよいよ運命の夜が来た……。」としっかり煽ってくれるの良いです。
全員黒塗りだけで人物を表しているコマに漂う、子ども達の世界が終わるかのような絶望感がすごい。最後のコマで何事もなかったように平和に終わってるのもなんかジワっときます。
やはり、ドラえもんが互い違いの目になって変なことになる話は鉄板だと思います。しかも初期ノリだから歯止めが聞かなくて良いです。
虫が身体に入るくらいで混乱するのは日常の場で暮らすロボットとしては致命的すぎるので、過去に送るに当たりセワシくんは対応したほうがいいですね。お金無いかもしれないけど。

手足につけるミニ頭(「小学二年生」1975年2月号)

「のうみそ」が入っているチューブの書体のやる気のなさが、この時のドラえもんの気持ちを表してる気がします。このチューブ冷静に考えると怖いですね。

のび太放送協会(「小学四年生」1975年10月号)

「ドラえもんはこんなことになるとすぐのってくる。」まさにその通りだと思います。
この回ではN〇Kの記念すべき初回放送が描かれています。
間津井ベーカリー、潰れそうなことが一目でわかる良いネーミングで素晴らしいですね。
話全体のドラえもんの表情やたたずまいが何だかツボです。お金と芸術大作が絡む話はやっぱり良いと感じました。

ジャイアン乗っとり(「小学六年生」1974年11月号)

頭をあまり使わないと物理的に蜘蛛の巣が張ることが判明してしまいました。気をつけましょう。

タヌキさいふ(「小学三年生」1973年10月号)

パパの提案するアルバイト、罰金あるし割に合わなすぎると思いました。お金を稼ぐというのは大変です。

サンキューバッジ(「小学三年生」1976年12月号)

相変わらず玉子とのび助の買うプレゼントはひどいと思いますが、「一流大学」でちょっと遊んでみたい気持ちはあったりします。どんなバランスのゲームなのか気になりますね。
道具の効果をしっかり理解しないで使うドラえもん、完全に人体実験のノリだと思います。この失敗は、ドラえもんには「いいくすりになるかもしれない。」。

宝さがし(「小学五年生」1974年1月号)

タイトルとのび太の夢で、お金関係の話だと分かる良い始まりです。
ムナシおじさん登場!子どもにも金をせびる金欠の大人の一人だけど、この表情で許されちゃうと思ったり思わなかったり。ムナシおじさん、楽観的過ぎて生きる力強そうですね。
年明け早々、お年玉が少ないと文句を言いながらアルバイトをするドラえもんに無常を感じますが、居候でお年玉をもらえるだけ良いとも言えます。

ショージキデンパ(「小学二年生」1971年10月号)

のび太を一切信じないドラえもん、解釈通りです。
会話してる人に当たり前のように割り込んでいくドラえもん、解釈通りです。
最後のコマの悪気を一切感じてないドラえもん、解釈通りです。

猛獣ならし手ぶくろ(「小学五年生」1978年2月号)

手ぶくろを手に入れたら分かりやすく調子に乗るのび太、様式美ですね。
オチの力技感がすごいです。

アニメスプレー(「小学二年生」1981年11月号)

純粋に楽しそうな道具の使い方でした。自分でも遊びたくなります。
最初の2コマで描写される、しっかり描きこまれたスネ夫の鉄道模型に本気を感じます。今回のジャイアンはスネオの模型を観ている1コマのみの登場です。
一緒に遊びたいと言えない、自尊心の強いスネちゃまの回でした。

手作りおもちゃ(「小学三年生」1990年11月号)

子どもの頃の工作の本を大事に持っていたおじいさん、悩んでいる子どもにも声をかけるし、善って感じの人だけど、現代だと難しそう。
相変わらず22世紀の流行りは、その年代が幅広すぎます。そして、相変わらず未来的な力の入れ方が危険で、22世紀への恐怖感がまた一つ増えました。

お返しハンド(「小学二年生」1972年8月号)

とんち的な秘密道具であり、話運びでした。
この道具、どう考えても良い使い道がなさそうな気がしましたが、有識者の方々は良い使い方を思いつきそうです。

ツチノコさがそう(「小学五年生」1974年7月号)

p.155最後のコマのドラえもんの表情、心動かされてそうですね。
p155とP156のチラッとのび太を見てるドラえもん、ちょっと怖いです。
この後、ツチノコが見つからなかったのは歴史が証明してますね。なんせ、ジャイアンが本当の発見者ですから。

万能テントですてきなキャンプ(「小学三年生」1979年9月号)

1コマ目からドラちゃん拗ねるし、捨て台詞がひどくて笑います。
次のコマでしっかり回収されるの、良いスピード感です。
ドラえもんによるすてきなキャンプの押し売りが楽しい話しです。キャンプに連れて行ってもらえなかったドラちゃんが、未来に行ってる時に「万能テント」を買って自慢したかったんだとしたらかわいいですね。
無理やり連れだされたのび太としずかの、山へ行く際のつまらなそうな表情が良いですね。
「さあ、そろそろあのすばらしいテントに帰って休もう。」と満面の笑みのドラえもん、最新の道具でみんな楽しそうで嬉しいんですね。でも、自分のミスの後始末はしっかりましょう。

七万年前の日本へ行こう(「小学三年生」1990年7月号)

スネ夫の壮大な金持ち自慢から始まります。
家の改築を言うだけ言ってみようとするドラえもん、さすがです。
「日本誕生」に触れる話の一つでした。七万年前の日本へ行きます。
だけど、七万年前のむき出しの自然は、住むには大変です。
地平線テープ的なオチでした。

答え一発!みこみ予ほう機(「小学四年生」1979年3月号)

ちょうど少し前にアニメ化してました。
見込みが無い時に舌を出すの、結構な煽りですね。
「これで世の中のまよってる人びとを救おう。」出ましたね、のび太の身の丈以上の道具の使用。
浪人さんの浪人と一発で分かるキャラデザ。
見込みを信じすぎると何もできなくなるし、希望も無くなるよという深いテーマでした。
諦めずに突き進むことが大切です。でも、お小遣いは挙げてもらえませんでした。

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