大川橋蔵・主演 銭形平次 第131話「浅野屋の娘」(1968)紹介と感想
原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ
脚本:犬塚稔
監督:倉田準二
あらすじ
平次と八五郎は人殺しがあったと聞き居酒屋を訪れるが、何も起こっていなかった。
さて帰ろうかとした所、店の二階から悲鳴が聞こえ、山三郎という男が絞殺されていた。
案内した女中・お峰の話によると、山三郎は左官の留吉という男を待っていたらしい。
留吉からの書置きもあり、一階で飲んでいた留吉も店から逃げ出したが、聞き込みによると留吉は今まで一度も二階へ上がった事はないらしい。
本当に留吉が殺したのか。事件の裏には、哀しき偶然が呼び寄せた因縁が隠されていた。
紹介と感想
今回は、後味の悪いシリアスな物語になっていました。
事件は数年前の駆け落ちが絡んでおり、大切な人間を不幸に陥れた者への復讐でした。
口は禍の元。人を不幸にして儲けた話を、仲間へ楽しそうに話してしまう軽はずみが、山三郎の命を縮めました。
お互いに顔を会わすはずもなかった二人が、運命の因果で出会ってしまい、一瞬で殺意を生んでしまう。
人と人との因縁の強さを感じさせる事件でした。
キャラクター面でのトピックとしては、いよいよ大川橋蔵版『銭形平次』の同心として、最も長期間にわたって出演していた樋口一平が登場しました。
これから10年以上に渡って出演し、メイン回もあり。最終話にも出演する息の長いキャラクターになります。
平次と一緒に事件を検討している場面を中心に出番が多く、以前からずっと出ていたかのような存在感を出していました。
また、本人は登場しませんが石原の利助の名前が久しぶりに登場します。
救われる者のいない事件を思いながら、コオロギの鳴き声を聞く親分の顔で幕は閉じられます。
※2024年5月24日11時頃まで東映時代劇YouTubeチャンネルでも観れます※
アマプラの東映オンデマンドでも観れます。
キャスト
ゲスト
お菊・お峰/中村玉緒
山三郎/江幡高志
留吉/工藤堅太郎
お仙/井上明子
庄八/藤尾純
信三/峰 蘭太郎
大川橋蔵版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
銭形平次/大川橋蔵
八五郎/林家珍平
お静/八千草薫
万七/遠藤辰雄
清吉/池 信一
樋口一平/永田光男
お弓/鈴村由美
為吉/神戸瓢介
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