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OLDIES GOODIES #16_レイ•チャールズ特集

ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!


ばんばん&大幸の「オールディーズ グッディーズ」。第16回目(2021年1月16日放送回)は、60年代R&Bの巨匠、レイ・チャールズ特集。彼の代表曲である「ホワッド・アイ・セイ」、「愛さずにはいられない」などのヒット曲をオリジナル・ヴァージョンに加え、様々なアーティスト・カバー・ヴァージョンをふんだんに紹介。さらに60年代日本のポップス・シーンのエピソードもトッピングしつつ、レイ・チャールズの魅力に迫ります。ザ・ピーナッツ、柳ジョージ、上田正樹、Qunchoら日本勢の選曲も聴き応えあり!!

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Opening Music:10番街の殺人 / The Ventures

ばんばん)こんにちは、ばんばひろふみです。

大幸)長戸大幸です。

ばんばん)いやまぁしかし、一月に入ってさすがに寒いですね。大幸さんは、こたつとか入らはるんですか?

大幸)いえもう、この時代にこたつ無いです。

ばんばん)こたつ無いですか? 僕ありますよ (笑)。気持ちいいですよ〜。
こたつで寝るのもね!

大幸)はい(笑)

ばんばん)ということで、今日は?

大幸)今日はレイ・チャールズ(※注釈1)で。
一番有名な「ホワッド・アイ・セイ」って曲があるんですけど。これのまず、ビートルズとトニー・シェリダンの、まあ〜ビートルズがビートブラザーズと言ってた時の録音なんですが。ドイツの録音だと思います。

ばんばん)じゃあ、その曲からどうぞ。

TR-1  What'd I Say / The Beatles & Tony Sheridan
(※注釈1)Ray Charles(レイ・チャールズ/1931-2004)は、アメリカ南部ジョージア州出身。緑内障が悪化し7歳で視力を失う。15歳までに両親を無くし、苦難の少年時代を送る。
1955年「アイ・ガット・ア・ウーマン」のR&BチャートNo.1獲得により音楽的才能が開花。続く「ア・フール・フォー・ユー」が連続No.1を獲得。その後発表された「アイヴ・ガット・ア・ウーマン」はE.プレスリーをはじめ数々のアーティストにカヴァーされる。以降も、「ホワッド・アイ・セイ」など名曲を発表。1986年に「ロックの殿堂」入り。1993年の『ア・ソング・フォー・ユー』などでグラミー賞を12回受賞。“ソウルの神様”と呼ばれている。

大幸)続いて、レイ・チャールズ、本物の方の「ホワッド・アイ・セイ」を。

TR-2  What’d I Say / Ray Charles

大幸)レイ・チャールズの「ホワッド・アイ・セイ」を聴いていただきましたけど、僕が一番好きなのはね、ロネッツっていう。

ばんばん)はい。あの黒人さんの女性ヴォーカルグループ。

二人)「Be My Baby」!

大幸)はい。ま、ボーカルがフィルスペクターの奥さんだった、この人たちがやってる「ホワッド・アイ・セイ」があるんですよ。それも続いて聴いてもらいましょう。

TR-3  What'd I Say / The Ronettes

大幸)この曲は、プレスリーもクリフ・リチャードもやってるんで、チラッとそれも聴いてください。

TR-4  What'd I Say / Elvis Presley
TR-5  What'd I Say / Cliff Richard

ばんばん)今週はレイ・チャールズを中心にお送りしておりますが、以前「レイ」という映画(※注釈2)がありましたね。あれ観てたら、レイ・チャールズっていうのは、盲目のシンガーっていうイメージがありますけど、途中で病気で視力失ったんですね。

大幸)そうそう。もともと患っていた緑内障が、確か5、6歳頃?までに悪くなるんですよね。しかも弟も失って。ま、あまりに貧困だったってこともあるでしょうけれども。そこからまあ、目が見えなくなるんですけど。

ばんばん)うん。

大幸)それで、レイ・チャールズといえば「愛さずにはいられない」。これ、実はカントリーの曲なんですよ。

ばんばん)これレイ・チャールズの曲じゃないんですか?

大幸)元は、ドン・ギブソンっていう人の、カントリーの曲のカバーなんですよ。

ばんばん)あ、僕はてっきりオリジナルやと。

大幸)そう、そのぐらい素敵なんですけどね(笑)

ばんばん)へえ~。

大幸)まずドン・ギブソンの「愛さずにはいられない」、オリジナルの方を聴いてみてください。

TR-6  I Can't Stop Loving You(愛さずにはいられない)/ Don Gibson
(※注2)映画「レイ」は、2004年の作品。レイ・チャールズの半生を描いており、監督は、名匠テイラー・ハックフォード。レイを演じたジェイミー・フォックスは数多くの賞に輝いた。

ばんばん)いや、カントリーって言われてね、今、聴くともろカントリーの曲ですね。

大幸)そう、これがねレイ・チャールズが歌うと、あんな風に。

ばんばん)全然違いますよね。

大幸)では、レイ・チャールズの「愛さずにはいられない」を。

TR-7  I Can't Stop Loving You(愛さずにはいられない)/ Ray Charles

ばんばん)いいですね、やっぱり。

大幸)はい。で、レイ・チャールズは「愛さずにはいられない」が売れて、次に「泣かずにはいられない」っていう曲が出たんです。

ばんばん)いられないシリーズ!

大幸)はい(笑)。で、これも僕当初はオリジナルだと思ってたんですけど。実は、オリジナルはカントリーなんですよ。

ばんばん)レイ・チャールズってカントリーが好きやったんですか?

大幸)いやいや、たまたま「愛さずにはいられない」がカントリーのカバーで売れたもんだから。ま、二匹目のドジョウを狙ったんだと、後になって思いました。

ばんばん)なるほど。

大幸)でも、この「泣かずにはいられない」もいい曲なんで、まずはレイ・チャールズで聴いてみてください。

TR-8  Take These Chains From My Heart(泣かずにはいられない)/ Ray Charles

大幸)これ、僕後で知ったんですけど、結局、ハンク・ウィリアムズ(※注釈3)の「心の絆を解いてくれ」っていう曲なんです。

ばんばん)原題が「Take These Chains From My Heart」やね。「心の鎖を解いてくれ」。

大幸)はい。これ、「泣かずにはいられない」って変えて言ってるだけだったんですけど。

ばんばん)うん。これはハンク・ウィリアムズオリジナルっていうことね。

大幸)はい。まずそのハンク・ウィリアムズの「心の絆を解いてくれ」を聴いてください。

TR-9  Take These Chains From My Heart(心の絆を解いてくれ)/ Hank Williams
(※注釈3)Hank Williams(ハンク・ウィリアムズ/1923-1953)は、米アラバマ州出身のシンガー・ソングライター。カントリー・ミュージック史における最重要人物として知られる。1948年に「ムーヴ・イット・オン・オーヴァー」が大ヒット。1948年から53年までの間にビルボードのカントリー&ウェスタン・チャート1位に11曲を送り込んだ。1953年1月1日、コンサートに向かう車中にて心臓発作により絶命。29歳没。

ばんばん)いかにも、もうハンク節ですやん(笑)

大幸)はい。

ばんばん)これ、やっぱりレイ・チャールズがやるとかなり違ってくるっていうのは、コードとかが違うんですか?

大幸)コードっていうよりも、やっぱり声。レイ・チャールズの声が半端じゃないっていうことでしょうね。

ばんばん)あぁ〜、まあそれが一番大きい。なるほどね。
 
大幸)レイ・チャールズの中であと「アンチェイン・マイ・ハート」って曲がありまして。

ばんばん) 「アンチェイン・マイ・ハート」って何でしたっけ、グループで?

大幸)アストロノウツ。僕、この曲やってましたから。

ばんばん)やってた? 僕もやってた!

大幸)フォークシンガーの前でしょう?

ばんばん)いやその前です(笑)

大幸)(笑)。僕もこれ、高校時代やってましたから。

ばんばん)ね、これもいい歌です。

大幸)そうそう。では、レイ・チャールズ「アンチェイン・マイ・ハート」。

TR-10  UNCHAIN MY HEART / Ray Charles

大幸)では、その僕らがやってたアストロノウツ(※注釈4)の「アンチェイン・マイ・ハート」を。

TR-11  UNCHAIN MY HEART / The Astronauts
(※注釈4)The Astronauts(アストロノウツ)は、1960年代に活動していたアメリカ合衆国のバンド。特に日本で人気があり、VENTURESとともにエレキ・ブームの立役者として知られるサーフ・バンド。

ばんばん)なかなかレイ・チャールズって、こうして聴くとすごい歌手ですね。

大幸)はい、声がやっぱりすごかったですよね。で、僕、アストロノウツ聴きながら思い出したんですけど、高校時代かな? 大津の皇子山っていうところに文化会館っていうのがありまして、そこでよくダンスパーティーをやってたんです。

ばんばん)昔よくやりましたね、ダンパ。

大幸)はい。ダンパに呼ばれてこの曲を演奏してましたね。

ばんばん)あ~わかりますわ。これウケるでしょ。

大幸)はい。私はコーラスの方を担当してました。

ばんばん)♪~UNCHAIN MY~♪って、コーラスもまた楽しいんですよ。

大幸)はい、それを思い出しましたね。で、次はレイ・チャールズで有名な「ジョージア・オン・マイ・マインド」=「我が心のジョージア」を聴いてください。

TR-12  Georgia on My Mind(我が心のジョージア)/Ray Charles

大幸)これ、ホーギー・カーマイケル(※注釈5)っていう人の作曲で、有名な「スターダスト」っていう、

ばんばん)♪~スターダストメモリー~♪

大幸)はい。あれの作曲者なんですよ。

ばんばん)あ~、なるほど。

大幸)で、あの「ララミー牧場」(※注釈6)ってあったでしょ。

ばんばん)あのジェフ・フラー。

大幸)そうそう。

ばんばん)♪~ララミー~♪ですね。もうずっと毎週観てましたよ。

大幸)あれに出てたことあります。

ばんばん)誰が?

大幸)ホーギー・カーマイケルが。

ばんばん)へえ~。

大幸)ちょっと「ララミー牧場」を聴いてください。

TR-13  Laramie(ララミーの牧場OPTM)/ Geoff Love
(※注釈5)Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル/1899年 – 1981年)は、インディアナ州生まれ。作曲家。ジャズ・スタンダード曲「スターダスト」「ホンコン・ブルース」など、数々の名曲を残した。その他にも、「ロッキン・チェアー」、「ジョージア・オン・マイ・マインド(我が心のジョージア)」、「スカイラーク」などの数々の代表作がある。
(※注釈6)「ララミー牧場」は、1959年から1963年にかけてアメリカのNBCで放送されたテレビ映画の西部劇。

ばんばん)ジェス・ハーパー! 思い出しました。主役のね、大フィーバー起こった!

大幸)そうです。

ばんばん)日本でも、もうすごい人気! 来日した時、僕も本当に、コルトが欲しかったです! ガンベルトと!!

大幸)はいはい(笑)。では、ホーギー・カーマイケルが作った「スターダスト」を聴いてみてください。ナット・キング・コールで「スターダスト」。

TR-14  STAR DUST / Nat King Cole

ばんばん)この曲聴くとね、以前テレビで、ザ・ピーナッツが。

大幸)「シャボン玉ホリデー」!

ばんばん)そう。「シャボン玉ホリデー」で一番最後に歌ってましたね。

大幸)はいはい、犬塚弘とかも一緒に。

ばんばん)ねっ。

大幸)じゃあ、ピーナッツで「スターダスト」をちょっと聴いてみましょう。

ばんばん)あ、いいですね(笑)

TR-15  STAR DUST / ザ・ピーナッツ

ばんばん)幼心にこの二人のハーモニーはすごいなと思いましたね。

大幸)はい。

ばんばん)今聴いてもいいですね。

大幸)うん。ではホーギー・カーマイケルもやってるので、ホーギー・カーマイケルの「スターダスト」を。

ばんばん)はい、これがホンマのオリジナルですね。

大幸)はい。

TR-16  STAR DUST / Hoagy Carmichael

大幸)最初に聴いたレイ・チャールズの「我が心のジョージア」、そのホーギー・カーマイケルが作ったこれを、実は柳ジョージがやってたり。

ばんばん)ほう、いろんな人が歌ってるんだ。

大幸)はい、いろんな人が歌ってるんだけど、日本のいわゆる、まあR&Bっぽい上田正樹とかが歌ってるんで、ちょっとチラッとかけてみてもいいですか。

ばんばん)いいですね。

大幸)柳ジョージの「我が心のジョージア」聴いてください。

TR-17  Georgia on My Mind(我が心のジョージア)/柳ジョージ

ばんばん)ちょっとやっぱりブルースっぽいね。

大幸)はいはい。ちょっと桑田佳祐さんみたいな。

ばんばん)あ~そうですね。

大幸)まぁ、あの柳ジョージってゴールデンカップスの、確か最後メンバー。

ばんばん)あぁ〜後半のね、そうでしたね。

大幸)うん。ベースかなんか弾いてましたけど。で、上田正樹とサウス・トゥ・サウスの、上田正樹も歌ってます。

ばんばん)おお〜。

TR-18  Georgia on My Mind(我が心のジョージア)/上田正樹

大幸)これジョージアっていうのは、確かレイ・チャールズがジョージア州じゃなかったかな?

ばんばん)あぁ~、出身が。

大幸)うん、確か。ただ、ホーギー・カーマイケルはジョージアって、これたぶん妹さんの名前だった。

ばんばん)これ、名前なんですか?

大幸)いや、よくわからないですけどね(笑)

ばんばん)ふ~ん。僕はてっきりその州だと思ってたんですけど。

大幸)だから、サザンオールスターズの「いとしのエリー」もそうで。あれもエリコさんでしたっけ? 桑田さんのお姉さんのことだったっていう話もあるんですよね。で、もう一つ、その上田正樹とサウス・トゥ・サウスでギターを弾いてたQuncho(クンチョー)っていうのが。

ばんばん)はい、クンチョーさん。

大幸)はい。僕ねクンチョーさん、18くらいの時にずっと京都の「ニューデルタ」ってディスコティックでハコバンで出てたんですけど。その対バンがクンチョーのバンドだったんですよ。で、クンチョーっていうのは、その当時インドネシアから来たバンドと一緒だったんです。

ばんばん)インドネシア?

大幸)インドネシアから来たバンドなんだけど、一人だけ日本語のめちゃくちゃ上手い奴がおった。それがクンチョーなの。

ばんばん)え? クンチョーさんって、インドネシアの人なの?

大幸)いやいや、クンチョーだけが日本人なの。インドネシアで太郎みたいな名前がクンチョーらしい。

ばんばん)あ、僕はクンチョーってどんな漢字かと(笑)

大幸)インドネシア語だと思います(笑)

ばんばん)そうなんや。一度大幸さんとこでクンチョーさんにギター弾いてもらって歌いましたけど(笑)

大幸)彼が得意としてるこの「我が心のジョージア」もぜひ聴いて欲しい。

ばんばん)はい、いいですね!

TR-19  Georgia on My Mind(我が心のジョージア)/ クンチョー

ばんばん)ばんばん大幸の「オールディーズ・グッディーズ」、今週はレイ・チャールズを中心にお送り致しましたが、いかがだったでしょうか。やっぱり凄いですね。

大幸)はい。「We Are The Word」の時の声がもう忘れられないですね。

ばんばん)あぁ、そうですね。でも一人のアーティストから本当に色々枝分かれしていくのが、まあこの番組の面白いところだと自分で思っているんですが。

大幸)はい。

ばんばん)ということで、来週はどうしますか?

大幸)エリック・クラプトンで。

ばんばん)クラプトン! 是非お楽しみに。ということで、お相手はばんばひろふみと

大幸)長戸大幸でした。

二人)来週までご機嫌よう。さようなら。


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