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OLDIES GOODIES #17_エリック・クラプトン

ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!

ばんばん&大幸の「OLDIES GOODIES」第17回(2021年1月23日放送回)は、世界三大ロック・ギタリストの一人、エリック・クラプトン特集。
彼のキャリアの発端となるバンド、ザ・ヤードバーズのナンバーから、サイケデリック時代のクリーム、デレク&ドミノス時代の名曲「レイラ」、ソロになってからのボブ・マーリーのカバー曲、さらにクラプトンのルーツともいえるブルーズ・ナンバーから近年のメロウな作品、そして90年代ブームを興したアンプラグド・ナンバーまで、クラプトン・ヒストリーを一時間たっぷりお届け!!
さすがにこの辺は、二人とも音楽評論家的オタク度満点! エリック・クラプトンの魅力を網羅した、入門編的内容になっています。

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Opening Music:10番街の殺人 / The Ventures

ばんばん)こんにちは、ばんばひろふみです。

大幸)長戸大幸です。

ばんばん)もう何度も言っておりますが、この番組は大幸さんのコレクションの中からシングルのアナログ盤を聴いていただいているのが、なかなか貴重ですよね。

大幸)はい。だから1970年代は特にアルバムが流行っていたので、アルバムの中からシングルカットされているものを、今回いろいろ紹介してみたいなと。

ばんばん)ひとつ僕思うんですけど、昔シングルって回転が45回転で、アルバムが33と3分の1回転でしょ?  やっぱり回転数が速いってことは、音もいいってこと?

大幸)もちろん。

ばんばん)だからシングルに価値があると。

大幸)いや、音がいいのは最初の部分だけですよ。途中から当然内側に入ってきますから。

ばんばん)あぁ〜はいはい、溝がね。

大幸)一周回るのにこれだけの長さがあるから……、だからアルバムっていうのは外側ほどいい音してるんですよ。

ばんばん)あ~、なるほど。そう思って聴くとまた聴き方が変わってきて、面白い。

大幸)はい(笑)。ということで、今日はまず、ビートルズの「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」っていう、まあみんなが知っているジョージ・ハリスンの曲なんですけども。

ばんばん)『ホワイト・アルバム』(※注釈1)に入ってますよね。

大幸)はい。クラプトンがギターを弾いているっていう。

ばんばん)はい。じゃあこれからいきましょう。ザ・ビートルズ 「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」。

TR-1  WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS / The Beatles
(※注釈1)『ホワイト・アルバム』は、1968年にビートルズが発表したオリジナルアルバム『ザ・ビートルズ』のこと。ジャケットは白一色で、バンド名も載せず、シリアル・ナンバーを刻印して限定版のようなイメージになっていることから『ホワイト・アルバム』という俗称で呼ばれることが多い。彼らが設立したアップル・レコードからの最初のアルバムで、ビートルズ唯一の2枚組(全30曲)のオリジナル・アルバムである。

ばんばん)これは、ビートルズの歴史の中で初めて外部ミュージシャンがギターを弾いたということで大騒ぎになりましたけど。それがまあエリック・クラプトンだったと。

大幸)はい。まずクラプトンが最初に出てくるのは、いわゆるヤードバーズ(※注釈2)っていう、リバプール・サウンドと言われているグループで。だから、ヤードバーズのデビュー曲の「FOR YOUR LOVE」を弾いて、(クラプトンは)こんなポップな曲やってられないということで、この曲を弾いた途端に辞めるんです。

ばんばん)あ〜。ヤードバーズって言えばクラプトン、その後ジェフ・ベックで、ジミー・ペイジですか。

大幸)はい。で、それがレッド・ツェッペリンになっていく。

ばんばん)ツェッペリンになっていく、その初代ですよね。

大幸)はい。そのザ・ヤードバーズ「FOR YOUR LOVE」をまず聴いてください。

TR-2  FOR YOUR LOVE / The Yardbirds
(※注釈2)ヤードバーズ(The Yardbirds)は、イングランド出身のロックバンド。1963年結成。エリック・クラプトン 、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの三大ギタリストを輩出したことで知られるスーパー・バンド。1968年に解散したが、結成30周年の1992年、創設メンバーにより再結成を果たしている。

ばんばん)結局、ヒット曲がなかったから他の人の曲「FOR YOUR LOVE」を歌ったんでしょ?

大幸)うん、まあそうですね。

ばんばん)嫌だったん?

大幸)うんまあ〜、嫌だったんでしょうね。それで多分、つっぱってたのか分からないですけど……B面はインストゥルメンタルになってるんで、それをちょっと聴いてください。

ばんばん)はい。では「FOR YOUR LOVE」のB面、ヤードバーズの「GOT TO HURRY」を聴いてください。

TR-3 GOT TO HURRY / The Yardbirds

ばんばん)まあ、クラプトンはブルース弾きたくて仕方なかった!

大幸)まあ、そうですよね、結局この後、彼はジョン・メイオール・ブルースバンドに入るので。

ばんばん)完全にブルース・ブレイカーズにね。

大幸)当時、ロンドンでブルースが流行ってたんですよ。だからアレクシス・コーナー(※注釈3)と、ジョン・メイオール、二つに分かれていたんです。アレクシス・コーナーの方から出てきたのが、ストーンズなんで。

ばんばん)あ~、なるほど。

大幸)はい。クラプトンはジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ(※注釈4)へ入って、その後クリーム(※注釈5)というスーパーバンドを結成する。

ばんばん)ですね。

大幸)バンドが当時流行り出すんです。各自が有名な連中たち、ベースのジャック・ブルースとか、ドラムのジンジャー・ベイカーとか。ということで、まずそのクリームの「WHITE ROOM」これ一番ヒットしたでしょ?

ばんばん)はい。そうですね。

大幸)この「WHITE ROOM」を聴いてください。

TR-4  WHITE ROOM / Cream
(※注釈3)アレクシス・コーナー(Alexis Andrew Nicholas Koerner/1928年4月19日~1984年1月1日)は、イギリスのミュージシャン。多くのミュージシャンを育てた功績から、「ブリティッシュ・ブルーズの父」と呼ばれる。
(※注釈4)ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ(John Mayall And The Bluesbreakers)は、1962年にブルース・ミュージシャンのジョン・メイオールが結成したブリティッシュ・ブルース・バンド。1965年、ヤードバーズを脱退したエリック・クラプトン(Gt.)が加入、名盤『ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン』(1966年)を発表した。クラプトン脱退後もグループは継続し、ミック・テイラー(Gt.)らの名プレイヤーを輩出した。
(※注釈5)クリーム(Cream)は、1966年に結成した英国出身のスリーピース・ロックバンド。メンバーは、 エリック・クラプトン(Gt.&Vo.)、ジャック・ブルース(Ba.&Vo.)、ジンジャー・ベイカー(Dr.)。活動はわずか2年半だったが、世界でのアルバム売り上げはは3,500万枚以上に及び、1960年代のハードロックの源流とされるグループの一つ。

大幸)この頃はクラプトン、サングラスかけてますよね。この「WHITE ROOM」のジャケットもそうだし。

ばんばん)はい、かけてますね。ジャケット写真ではね。

大幸)で、「SUNSHINE OF YOUR LOVE」っていう曲で多分歌ってたんじゃないかな。

ばんばん)あ、これはクラプトンがメインボーカル。

大幸)普通はジャック・ブルースが歌ってたんだけども、これはクラプトンも歌ってたような気がします。それをちょっと。

ばんばん)はい。クリームで「SUNSHINE OF YOUR LOVE」。

TR-5  SUNSHINE OF YOUR LOVE / Cream

大幸)それで、その後ブラインド・フェイスっていうグループ、

ばんばん)あ~。スティーヴ・ウィンウッドとね。

大幸)このグループもあっという間に解散し、で、クラプトンはひっそりってことないけど、一時デラニー&ボニーと行動を共にして。

ばんばん)アメリカのグループでね。

大幸)はい。いわゆるサザンロックがこの辺で流行り出すんですけど。間を置くというか、休むというか、レイドバックというか、そういう時期。

ばんばん)なんか聞くところによると、ザ・バンド(※注釈6)のデビュー・アルバムを聴いてショックを受けて、南部の音楽をやろうということで、彼(クラプトン)もやり出したとか。

大幸)そうそう。それでジム・ゴードンとデイヴ・メイソンなんかと共に、デレク&ザ・ドミノス(※注釈7)を。で、この時に好きだったのが、パティ・ボイド。

ばんばん)ジョージ・ハリスンの奥さん。

大幸)はい。彼女を好きだったということで「いとしのレイラ」という曲を作って、その後結局ジョージ・ハリスンと別れたパティ・ボイドと結婚するんですけれども。その時に有名だった、デレク&ザ・ドミノスの「LAYLA」(いとしのレイラ)を聴いてください。

TR-6  LAYLA(いとしのレイラ)/ Derek & The Dominos
(※注釈6)ザ・バンド (The Band))は、1967年から1976年にアメリカで活動したロックバンド。メンバー・チェンジやサポート・メンバーを加えながら1999年まで活動した。
(※注釈7)デレク&ザ・ドミノス(Derek and the Dominos)は、1970年にエリック・クラプトン、ボビー・ウィットロック、カール・レイドル、ジム・ゴードンによって結成されたバンド。僅か一年ほどで解散した。

大幸)ま、この辺から歌を歌い出すというか。

ばんばん)あ~、クラプトンがね。

大幸)はい。さっきの「SUNSHINE OF YOUR LOVE」もちょっと歌ってますけども。

ばんばん)うん。

大幸)今の曲のスライドギターは、デュアン・オールマンですよね。

ばんばん)あ、そうですね。

大幸)その後、またこのバンドもアルバム一枚で解散し、またどこいくんだ?みたいな感じの状況から、ソロになっていくんですけども。ソロになって、まず「I SHOT THE SHERIFF」って曲を。

ばんばん)あのボブ・マーリー(※注釈8)のね。

大幸)あれをヒットさせて、世の中にボブ・マーリーを出していくっていうんですかね。

ばんばん)そうでしたね。

大幸)その「I SHOT THE SHERIFF」、エリック・クラプトンで聴いてください。

TR-7  I SHOT THE SHERIFF / Eric Clapton
(※注釈8)ボブ・マーリー(BOB MARLEY / 1945.2.6 - 1981.5.11)は、ジャマイカ出身のレゲエミュージシャン。その音楽はラスタファリ運動の思想を背景としており、彼の音楽・思想は、音楽関係者のみならず数多くの人々に多大な影響を与えている。

ばんばん)これやっぱり、ボブ・マーリーってレゲエですよね、ジャマイカの。

大幸)はい。

ばんばん)やっぱりこう、リズムとか白人っぽくなってますね。

大幸)もちろん、ま〜これによってみんなボブ・マーリーを聴いて、ま〜ボブ・マーリーもその後亡くなるんですけども。

ばんばん)うん。

大幸)では、そのボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのオリジナルを聴いてください。

TR-8  I SHOT THE SHERIFF / Bob Marley & The Wailers

大幸)で、このボブ・マーリーといえば、やっぱり僕が一番好きなのが「NO WOMAN NO CRY」っていう曲があるんですけど。

ばんばん)これは名曲ですね。

大幸)はい。これのライブバージョンを聴いてください。

TR-9  NO WOMAN NO CRY / Bob Marley & The Wailers

大幸)エリック・クラプトンっていうとやっぱりギターのフレーズなんですけど、僕はギターを自分でやっていて分かるですけど、フレディ・キングを真似てますよね(笑)

ばんばん)はは~!  あの、ブルースの巨匠と言われた!?

大幸)はい、3人キングのひとり。初期のフレディ・キングのフレーズが大変よく似てるんで。

ばんばん)ということは、彼がすごく好きだったということですよね。

大幸)そうそう。まずそのフレディ・キングの「Have You Ever Loved A Woman」っていう曲があるんですけども。これは、別にフレディ・キングが作ってるわけじゃないんだけど、彼で一番有名になった曲なんです。これと同じ曲をクラプトンもやってるんですよ。

ばんばん)なるほど。

大幸)まずフレディ・キングの「Have You Ever Loved A Woman」を聴いてください。

TR-10  Have You Ever Loved A Woman / Freddie King

大幸)この「Have You Ever Loved A Woman」、これジョン・メイオールの時でもやってたんですけども、それのライブバージョンのエリック・クラプトンを聴いてもらいたいんです。

ばんばん)はい。

TR-11  Have You Ever Loved A Woman(愛の経験)/ Eric Clapton

大幸)それでまあ、クラプトンも結局、パティ・ボイドと別れるんですけれども、その別れるちょっと前の「WONDERFUL TONIGHT」って曲。

ばんばん)これヒットしましたわ。

大幸)はい、その大ヒットした「WONDERFUL TONIGHT」を聴いてください。

TR-12  WONDERFUL TONIGHT / Eric Clapton

ばんばん)あの~、まっ、ある意味ブルース一色できていたクラプトンが、この辺でかなりスタイルが変わってきましたね。

大幸)そうですね。

ばんばん)何かあったんですかね?

大幸)いや、これなんかも多分売れるつもりで作ったんではないと思いますよ。僕思うけど、クラプトンは流れるままいってたら売れたみたいな。

ばんばん)うんうん。

大幸)多分、本人の意識よりも、世界中のファンの方が多かったんじゃないですか。

ばんばん)あ~、なるほどね。

大幸)まぁ、ビジュアルも良かったってこともあるんだけど。だから当時の1970年代は、そういうちょっと反骨的な、売れたくないような、産業っぽくないものが売れてましたから。

ばんばん)あぁ〜逆にね。

大幸)はい、ロックにしてもね。

ばんばん)そうでしたね。

大幸)うん。だからそういう意味のすごい象徴だったような気がしますけどね。

ばんばん)あ~クラプトンがね。

大幸)はい。

ばんばん)あとね、彼はよく“スローハンド”っていうニックネームがついてた。あれはやっぱり手弾きが、そんなに速弾きをしなかったってこと?

大幸)いえいえ、あれは逆です。速すぎてスローに見えた!

ばんばん)あ~そうですか(笑)

大幸)はい。だから“うわぁ〜”っと、スローのように速く弾いてた。スローに見えるんだけど、速く弾いてたっていう(逆説的な)意味だと思いますよ。別にスローに弾いてたわけじゃない(笑)。だからあまりにも上手い人って、手がもう〜。

ばんばん)うん、分かります。

大幸)スローに見えた(笑)

ばんばん)見えた! 最高の褒め言葉ですね。理解できました!

大幸)でまあ、結局この曲は、もうパティ・ボイドとパーティーに行って、帰ってきてって、そういう歌なんですけれども(笑)

ばんばん)うん。

大幸)まあこれがヒットして、その後十何年経つんですけど、それからまたクラプトンがあちこちゲストプレーヤーみたいな形で出てくるんです。髪の毛も切って登場してきたその時に、次の女性との間に生まれた男の子がいたんです。ところが、その子がベランダから落ちて亡くなるんです。

ばんばん)あ~、そうでしたね。悲惨な事故でした。

大幸)はい。その亡くなった彼のことを歌った曲も、これまたヒットしました。それが「TEARS IN HEAVEN」っていう曲で。子供に、自分が天国に行った時に一瞬聞くんですよ、「僕の名前を覚えてるか?」みたいな。なかなか泣きそうになる曲なんですけど。

ばんばん)ねっ、いい曲です。

大幸)これはフレーズも良かったし。まあ、ちょっと「As Tears Go By」風ではあるけれど。

ばんばん)あ~、ストーンズのね。

大幸)はい。ではあるんだけど、この曲は素晴らしいと思います。

ばんばん)うん。

大幸)では、「TEARS IN HEAVEN」聴いてください。

TR-13  TEARS IN HEAVEN / Eric Clapton

大幸)今の曲は1992年リリースの作品なんですけど、いわゆるアンプラグドっていうアコースティックライブが流行ってる時に、昔の「レイラ」って曲を、そのMTVアンプラグドライブでアコギだけでやってるんです。

ばんばん)うん、アコースティックギターだけでやってました。

大幸)最後に、その「レイラ」のアコースティック・ヴァージョンも聴いてください。

TR-14 LAYLA(Acoustic Ver.)/ Eric Clapton

ばんばん)これもまたアレンジが変わると、なかなかいいですね!

大幸)全然違いますね。

ばんばん)ということで、ばんばん&大幸の『OLDIES GOODIES』、今週はエリック・クラプトンを中心にお送りいたしましたが、やっぱりすごいキャリアですね。

大幸)はい。

ばんばん)ずっとですよ!

大幸)売れたくなくても、売れていった人なんだと思います。

ばんばん)ほんまやね。で、今もバリバリの現役ですもんね。

大幸)はい。

ばんばん)ということですが、じゃあ来週は?

大幸)来週は「ブリティッシュ・インベンション」といって、いわゆるリバプールサウンドと言われている、

ばんばん)60年代のビートルズをはじめ、英国のバンドサウンドですね。

大幸)はい。

ばんばん)楽しみです。じゃあ、来週はリバプールサウンドを聴いていただきます。ということで、お相手はばんばひろふみと、

大幸)長戸大幸でした。

二人)来週までご機嫌よう。さようなら。
 




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