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【飲食業と料理①】

 そういえば料理人だったってことを最近思い出したので、久しぶりのnoteは料理人っぽいことを書いてみようと思う。
 ①としたけど②があるとは限らない。

 いつだったか知り合いから早期退職して再就職せずに小料理屋をやりたいので相談に乗ってくれと言われたことがある。あんまり料理するイメージのない人だったのでビックリしたけど、学生時代に飲食店でアルバイトをしていてその頃が楽しかったから、退職金も貰ったことだし、このタイミングでしか好きなことはできないという思いに至ったそうで。
 とりあえず話を聞いてみると、基本的にワンオペで宣伝とかはせずにひっそり昼間だけ営業して日に3万ぐらい売り上げるぐらいで良いからのんびりやりたいと。
 さすがに初手で「やめた方が良い」と伝えたんだけど、ずっと公務員だった人なので、なぜダメなのか全然ピンときてない感じだった。

 まず、ワンオペでのんびりやりながらひっそりとランチで3万売り上げるってかなりの夢物語。引退した有名なミシュラン3つ星シェフなら不可能ではないとは思うけど、料理経験ほぼゼロ、ど素人の元公務員がそれを目指すのはちょっとキツい。100%無理とは言わない、だって宝くじ的な確率で当たる可能性はどんなビジネスにもあるわけだから、それにしてもだけど。

 会話の中で色々とつっこんでいるうちに、そのおかげで自分の考え方を改めて知るきっかけになったってことに感謝していたりもする。
 その人もだし、昔から色んな人が味覚に自信があるから料理をやりたいって言うんだけど、確かに食べて素材や調理方法が分かったりするのは素晴らしいこと、けど、それはほとんど飲食業としての料理人には必要のない才能じゃないかなって思っている。もちろん最低限は必要だけどね。
 むしろそれはお客さんとしての才能だから、noteかグルメサイトの口コミでも書けば良い。あれも実はお金もらえるよ。

 正直自分はそんなに味覚が良くない。鼻炎持ちだから嗅覚もイマイチだ。聴覚がわりと良いのでお客さんの嬉しそうな声も不満の声も勝手に拾ってしまうのは微妙に使える才能だとは思うけど、とにかく味覚には自信がないし、ほぼそれは事実そうだろう。
 それで料理人の才能がないと思ったことは1ミリもなく、逆にこれを書いている今になって少しはそれについて真剣に考えた方が良かったのかなとか思っているぐらいだ。

 noteのなんかのシリーズでも書いてるけど、ランチで3万円の売上を上げるってのはわりとタフな作業なんだよね。月に25日間の営業として月売75万円、手取りにして15万円〜20万円の仕事内容だからそれなりにバタバタやる仕事なのは当たり前。
 たまにランチを食べに出て、たまたま入った店が混雑していたからといって、ほとんどの店が儲かっている、自分も店をやればランチならお客さんがくると思うのは早計だ。
 実際自分はそんな安易な考えで起業してどん底を見てきたから説得力はまぁある方だと思う。

 そんなわけでホテルのチェックアウトの時間なので続きはまたそのうち!

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