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『武夫の道』

 一人の少年が、一本の真っ暗な道の上にたたずんでいた。
「あれ? 自分は今まで、いったい何をしてたんだっけ?」
 もはや日は落ち、鬱蒼と茂る森に囲まれたその道は暗く、先はまるで見通しが効かなかった。左右の森は深く、その先には、深遠なる闇の世界が連なっていた。
「そうだ。自分は、今まで隣村のガキ大将と喧嘩していたんじゃないか! 
 でっかい奴だったな。最初はてこずったけど……。結局、最後は泣きべそかいていたじゃないか。」
 そう、少年は、今日も喧嘩に明け暮れていた。来る日も来る日も、近所の子どもたちと真っ黒になって遊び続け、喧嘩もしょっちゅうだった。
 おかげで彼の村では、彼を負かすような子どもはいなくなってしまった。それでも少年は、たとえ隣村の子どもだろうと、強い奴がいると聞けば、喧嘩を仕掛けにいった。
 喧嘩がそれほど好きなわけじゃない。一番になりたいわけでもなかった。
 喧嘩が強くなれば強くなるほど、少年は孤独を感じた。孤独を感じるたびに、また誰かと喧嘩をしたくなるのだった。
 喧嘩をしている間中は、孤独を感じなかった。ひょっとすると、喧嘩に負けたら、孤独を感じなくなるのだろうか? だが、少年は、これまで負けらしい負け戦を経験したことはなかったのである。
 ふいに、道の前方に人影があることに気づいた。それは大きな、普通の大人の一・五倍もあるような巨大な人影だった。人影は徐々に少年に近づき、やがて言葉を発した。
「ん? ぼうず。喧嘩か? 勝ったか?」
 その巨大な人影は、どうやら町人ではなく、侍のようであった。いや、侍とはいっても、その乱れた風体からすると、明らかに浪人のようである。しまらない口元からは下卑た笑みがこぼれていたし、ちょっとたまらないような臭気が漂っていた。酒に酔っていたのである。
 少年は、男の問いかけに小さくうなずきながら、その場を通り過ぎようとした。すると、また、男は話しかけた。
「ぼうす。喧嘩は好きか?」
 男は腰元からひょうたんを取り出し、中の酒を一口飲んだ。その間中、男は少年の顔を見てはいなかったようだ。
「いや。喧嘩は、そんなに好きじゃねえや。」
「ふっ」
 と、男は軽く笑ったようだった。
「なら、なんで、喧嘩なんかするんだ?
 わかるか? わからねえか? 教えてやろうか?
 それはなあ、お前さんにも強くなりてえって気持ちがあるからよ。」
 少年は、男の顔を、ふくれた腹をまじまじと見つめながら声には出さず思った。「まあ、確かに強くなりたい、という気持ちはある。それはきっと間違いじゃない。」と。
「それじゃあ、お前さん、なんで強くなりてえんだい? わかるか?」
 今度は、男は少年の顔を見ながらそう尋ねた。
 少年には、この奇妙な浪人が、ただの酔っ払いとは少し違うような気がしてきた。泥酔しながらも落ち着き払った目。どっしりと大地をとらえる両の足……。
 ひょっとすると、どこかの殿さまの用心棒かなにかなのではないか? と、思ったほど、実はその立ち居振る舞いには、威厳のようなものがあることに気づいたのである。
「わからねえ。」
 と、いって少年は、首を振った。
 その時、男の口元からは一瞬、笑みが消えた。急に真面目な顔になったようで、また次の瞬間、笑顔に戻り、こういったのだ。
「いいかい。男はな、強くなきゃいけねえ。強くなけりゃ、なにも手に入れることはできねえんだ。
 お前、その年じゃ、女を抱いたことはねえか?」
「ない!」
 と、少年はきっぱりと答えた。
「ふふ、そうか、そうだろうな。女はいいぞ。ぼうず。
 大きくなったらな、誰だって女が欲しくなるもんだ。ふふ。
 ぼうず、酒はどうだ?」
「飲んだこたぁあるが……まずかった!」
「はっは、おもしれえガキだ。だがな、もっとおっきくなったら、酒の味もわかるようになるだろう。
 いい女を抱いて、うまいもんを食って、上等の酒を飲む。人生ってのは、そうやって楽しみを味わうためにあるのよ。
 そのためにはな、金がいる。金をもうけるためには、どうするか? わかるか?
 男ならな、強くならなきゃいけねえ。強くなりゃ、酒だって、女だって、何だって手に入るのよ。くわっはっはっ。」
 男は、これまでで一番高らかに笑い声を立てると、再び、ひょうたんの酒をがぶ飲みした。
 少年には、男のいった意味が今一つわからなかった。
 いや、男のいったことは至極単純なことだったから、少年も、そのいっている内容は理解できた。しかし、その真意は、どうしてもつかめないような気がした。それは少年が酒の味も、女の良さも、いまだ知らなかったということだけが理由ではなかった。
「強くなりたい理由は、本当にそんなことなのだろうか? しかし、もし、強くなって、酒も、女も、すべて手に入れた男が、この男なのだとしたら……、自分は、こんな風にはなりたくない。」
 と、少年は心の中で思った。その瞬間、少年は自分が、いくつか年をとり、青年に近づいたような気がした。
「つまらぬ。そんな男のいうことなど、聞く必要はない。」
 その時、左前方から、また別の声がした。どこか聞き覚えがあるような声であったが、むろん、思い出せはしない。
 その声の主は、前方の闇の中から、徐々に近づいてきて、ゆっくりとその姿を現した。最初の男とはかなり印象の違う、身なりのしっかりした、中、上級武士、あるいは学問を教えつつ、剣術も指南している道場主、といった風情である。
 声も張りのある、通る声だ。肥った浪人風情の男のだみ声とは、実に対照的な声である。
 そして、顔立ちも、どこか気品を感じさせる。とはいっても、大名や貴族といった気品ではない。そう、相手の一挙手一投足を見逃すまいと見つめている、剣の達人のような威厳すら感じさせる顔立ちなのである。
 この新しい男は、浪人風の男の横に並ぶような位置まで来ると、ゆっくりと歩みを止めた。そして、浪人のほうには目もくれず、青年のほうだけを見つめて、こう言葉を続けたのである。
「確かに男は、強くならねばならぬ。体を鍛え、剣の腕を磨かねばならない。しかも、それだけではない。あらゆることを学び、知識で武装してこそ、真に強くなれるもの。
 しかし、その強さは、自身の欲望を満たすために使うのではない。」
 ここで初めて、男は、浪人のほうをチラっと一瞥したが、すぐにまた、青年のほうに視線を戻し、言葉を続けた。
「男子たるもの。この世に生をうけたならば、この国を、この国の政治を、より良いものに変えていくためにこそ、力を尽くすべきだ。
 そのために、男は、強くならねばならない。強くなって、この国を変える! 幕府の人間や大大名、そしてそれらを取り巻く一部の佞臣どもだけが甘い汁を吸うような、そんな世の中を変え、誰もが暮らしやすい世を作る!
 そのためには、まず、神国たるこの国から、幕府の役人どもを惑わしている異国の者を追放し、この国の正しき統治者たる天子(天皇)さまにご政道を取り戻していただくよう働きかけることが肝心なのだ。」
 興奮したように、張りのある声が一層大きくなり、まるで演説をしているかのように堂々と自説を述べる達人風の男。
 彼のいうことのほうが、青年の心には響いた。男なら、力をつけて、世の中を正しくするために生きる! この言葉を聞いた時、この達人風の男が、最初に見た時よりも一回り大きく見えた。そんな気が、青年にはしたのである。
 しかし、男が語り終わると、隣の浪人風の男が、また下卑た笑いをうかべ、こう語りだした。
「くっふふ。流行の『尊王攘夷』とかいうやつか。つまらん。実につまらん。」
「なに!」
「お前たちのいう『尊王攘夷』が進んでいったら、いったいどうなるというのだ。公方(将軍)の代わりに天子が政(まつりごと)を司り、大名たちの代わりに貴族たちがそれを持ちあげるようになるだけ……。
 変わらぬよ。上の方の人間が変わるだけ。われわれの生活は、なんら変わりなどしない。」
「いや、違う。今の世の腐れきった形を変え、天子さま中心の正しき世に戻れば、この国は全く違ったものになるはずだ。」
「どう変わるというのだ?」
「天子さまを中心に、徳川も一つの大名となり、多くの大名と貴族たち、さらには有徳の藩士らの話し合いで政治を進める。公議政体をもって、この国を変えればよいのだ!」
 達人風の男の声に、熱が加わる。もはや、青年の存在など忘れてしまったかのように、二人の男たちは、互いに自説を主張しあった。一人は笑いながら、一人は顔を紅潮させながら……。
「話し合いのぁ。話し合いなど、幕府でも老中やらなにやら、いつも話し合いをしておろう。
 それでも、大した政治はできておらん。そこに貴族だの、一部の藩士だのが加わったところで、大して変わりはせぬわい。
 もっとも、その話し合いに、異人たちでも加われば、大きく変わることになるだろうがな。はっは。」
「なにを!」
 達人風の男は、腰の刀に手をかけた。しかし、それ以上は動かず、刀に手をかけたまま語り続けた。
「日本は神国。天子さまのもとでここまで発展してきたのだ。それを幕府の馬鹿どもが、異人を霊峰富士にまで登らすようなおろかなことをしているから、この国は乱れるのだ。
 異人は即刻、追い出し、幕府を倒す! それがこの国を正す唯一の道なのだ!」
「ふっふふ、貴様ら『尊王攘夷』とかいう奴らは、異人の話をすると、すぐ熱くなる。
 なぜ、異国人を追い出さねばならん。奴らとて同じ人間ではないか。
 もちろん、この国が、やつらに乗っ取られるというのなら、それはいかん。異人は異人のために用意した土地に住まわせておいて、国の発展のために必要な交易だけをするようにしたらよいのだ。そのほうが日本は富むのではないか?
 黒船にしろ、大砲にしろ、異人たちの持ってきたものは力がある。その力を利用したほうが、日本のためになるのではないか?
 お前はさっき、強くなるために剣術を習え、といったな? そんなものは無駄じゃ。南蛮渡来の銃や大砲を相手にしたら、剣術などなんの役にも立たぬ。
 わしも京の往来で大砲をぶっ放したことがあるが、あいつはすごい。小気味よいぞ。銃や大砲が相手ならば、どんな達人だって、剣を抜く前にやられてしまうだろうに。」
「むう」と一言唸って、達人風の男は、剣を握っていた手を放し、呼吸を整え、少し冷静さを取り戻しつつ、こう語った。
「確かに、銃や大砲の力は強い。それらを学ぶ必要もあろう。
 しかし、剣術が役に立たないわけではない。相手のすきを見抜く力、とっさの身のこなし、すべて西洋の武器を使う時にも役に立つのだからな。」
「ふっ、つまり、お前さんは西洋の力を認めながら、それを取り入れず、西洋人を追い出すことが、この国の発展につながるというわけだな?
 どうだ、自分のいっていることが矛盾しているとは思わぬか?」
「なるほど。」と青年は心で思った。これまで馬鹿にしてきた浪人風の男の言い分にも一理あるような気がしてきたのだ。
 男のいう通り、この国を変えることと、異人を追放することとが必ずしもつながってはこないような気もする。幕府が倒れ、将軍さまではなく、天子さまが政を行うようになったら、本当に、この国は変わるのだろうか? 良い国になるのだろうか? 確かに、その疑問に、達人風の男は答えていないではないか。
 達人風の男の顔にいっそう赤みが増し、激しい興奮状態にあるのが、手にとるようにわかる。それでも、浪人風の男は、かまわず笑みを浮かべたまま、話を続けるのであった。
「結局、お前らは夢を見ているだけさ。『尊王攘夷』などというわかりやすい理念を持ちだし、そこに自分のありあまる力をぶつけようとしているだけだ。
 結局は、自分のやりたいことをやっているだけなのよ。そこに聞きかじりのお題目をくっつけているだけなのだ。
 だからこそ、そのやり方には正義がない! 『尊王攘夷』のためには、自分と意見の合わぬ人間は容赦もなく斬るだろう! 仲間も平気で裏切るだろう! どうなんだ!」
「この国を変えるため、目的を達するためなら、手段は選ばぬ! 新しい国の形ができるまでには、たくさんの血が流れよう。
 しかし、それもこの国のため! 犠牲は必要なんだ!」
「自分の主張を守るためなら、人殺しもする! それが本当に正義かい? お前たちが大義名分を掲げているのは、結局、自分が暴れたがっているだけじゃないのかい? 手段を選ばぬ言い訳のための『尊王攘夷』なんじゃないのかい?」
 青年は思った。「尊王攘夷」という考え方が正しいのかどうか、それは二人の話を聞いているだけでは、まったくわからない。ただし、浪人風の男のいう通り、それを口実にして、不義を働く。それは決して良いことではない。男子の生きる道として、決して正しいとは思えない。そう思った時、青年は、また少し自分が成長していくのを感じた。
「なにを!」
 達人風の男が、顔を真っ赤にして反論を試みようとした時、ふいに、二人の背後で影が動いた。人か、動物か? 見分けることもできないほどの速さで、影は浪人風の男の目の前まで近づき、一瞬、止まったかと思った次の瞬間、
「ぐえっ」
 という鈍い声がして、浪人風の男がゆっくりと、ずしんと大地を響かせながら倒れた。男の流した血の上に、ひょうたんから流れ出た酒がかかる。
 次の瞬間、影は達人風の男の眼前に移動した。達人風の男は、とっさに剣を抜こうとするも、間に合わずに
「うっ」
 という短い嗚咽を漏らしたまま、その場に倒れこんだ。
 影は、動きを止め、やがて少しずつ近づいてきた。
 人だ。ごつい体格をしたサムライだ。
 体格もごついが、風貌もまたごつい感じだ。人一倍大きな口はきりりと引き締まり、一言でいえば、威厳のある顔立ちである。
 目にもとまらぬ早業で、二人の男を斬り倒した謎の男はその愛刀を見つめ、ぽつりと独り言のようにいった。
「さすがは虎徹。刃こぼれ一つしてはおらぬわ。」
 その様子をじっと見ていたひとりの男。つい、さっきまでガキ大将の少年であり、青年であった男は、もうすっかり三〇代半ばの立派な侍の姿となっていた。
 一方、二人の男を斬り捨てた侍は、大酒のみの浪人の遺骸を見つめながら、こういった。
「おのれの欲望を満たすために、人を脅し、金を奪い、酒色に溺れる、武士の風上にも置けぬ男、芹沢鴨。
 許しては置けぬ。よってここに成敗いたす。」
 続けて、達人風の男を見下ろして、
「うまいこといいおって、このわしにすり寄りながら、実は『尊王攘夷』の実現のために、わしを裏切って殺し、手下の者をそっくり奪おうとしていた憎き輩、伊東甲子太郎。
 力はある男だったが、おのれの目的のためには、平気で仲間を裏切るというのもまた、武士にあるまじき行為だ。」
 そこまでいって、男は、その様子をじっと見つめていた若者に親しげに声をかけた。
「歳(とし)、何をしている。行こうぞ。」
「……。近藤さん、あんた、死んだんじゃなかったのかい?」
「ふっ、わしは死なんよ。この世に非道がある限りな。
 ふふっ。なあ、歳よ。どうも最近、武士とは名ばかりの、どうしようもない奴らばかりが多いとは思わぬか?」
「うむ。」
 近藤は、彼が「歳」と呼んだ男の肩に手をかけ、強くゆすぶるようにしていった。
「本当の侍は、自分の信じる正義と誠を貫くために、生きるのよ。己の欲望など求めちゃあいかん。
 それにな、自分の道を貫くために、人を裏切ったりしても、もちろんいかん。
 正義と誠を貫きながら、己の信じた道を行く。それこそ、武士だ、そうだろう、歳!」
 ん、うん。そうだ。そうだよ。近藤さん。あんたは立派だ。自分の信じる道を精いっぱい生きてきた。仲間を信じ、非道は許さず、わが道を進んできた。たとえ生まれは武士ではなかったとしても、誰よりも武士らしく生きてきたよ。
 俺も行くぞ。近藤さん。あんたの背中を見ながら生きていく。ん、どうしたい? 近藤さん、あんたの背中が見えなくなってきたぜ。
 おい、おい、近藤さん! あんまりそっちに行ったら、真っ暗闇で……見えなくなっちまうじゃねえか!
 
***
 
「土方さん。土方さん。」
「ん、ああ、どうやら居眠りをしちまったらしいな。」
「ひどくうなされていましたぞ。天下の新選組副長、土方歳三殿も、海の上では、少しばかり勝手が違いますかな?」
「違いねえ。おいら、榎本さんみてえに船には慣れてねえからな。
 ちょっと酔ったかな? うとうとして、夢を見ていたようだ……。」
「もうすぐですよ、土方さん。もうすぐ蝦夷地に着きます。
 先ほどからずいぶんはっきり見えてきましたよ。あれが我々の希望の地です。
 あそこで、われわれ幕府の人間はもう一度力をつけ、薩長の奴らを見返してやりましょう。」
 土方歳三は、盟友近藤勇とともに新選組を結成し、尊王攘夷派の荒れ狂う京の街で治安維持のために奮闘した。
 彼らが戦ったのは、尊王攘夷派の志士たちばかりではなかった。ある時には、酒色に溺れ、時には民間の商店を大砲で脅し、金を巻き上げるなどの狼藉を働いた初代新選組局長芹沢鴨を粛清した。
 また別の時には、本来の目的をかくし、新選組に入隊後、近藤勇を殺害して新選組を乗っ取り、尊王攘夷活動へとかりたてようとした伊東干子太郎も粛清した。
 このような過程を経て、新選組は力をつけ、土方は「鬼の副長」として敵からも味方からも恐れられる存在となったのである。
 しかし、薩長をはじめとする新政府軍と旧幕府軍との争いである戊辰戦争が始まると、旧幕府軍側は敗北を重ね新選組も瓦解した。その過程で、盟友近藤勇も命を落とし、旧幕府軍、最後の砦ともいえる会津藩もやがて陥落しようという中、土方歳三ら多くの旧幕府軍兵士は、幕府海軍を率いる榎本武揚の軍船に同乗し、蝦夷地(北海道)で捲土重来の機会を狙うこととしたのである。
 しかし、春を待って蝦夷地に総攻撃をかけた新政府軍の軍勢を前に、旧幕府軍は壊滅、降伏をした。
 新選組鬼の副長、土方歳三も、この地で戦没することになる。まさに、最期まで己の信じる正義と誠の道を歩み続けた一生であった。
 彼が中心となって作成したという新選組の鉄の掟、「局中法度」には、以下の五箇条が掲げられていたという。
 
一、士道ニ背キ間敷(まじき)事
一、局ヲ脱スルヲ不許(ゆるさず)
一、勝手ニ金策致(いたす)不可(べからず)
一、勝手ニ訴訟取扱(とりあつかう)不可(べからず)
一、私ノ闘争ヲ不許(ゆるさず)
右条々相(あい)背(そむき)候(そうろう)者(ものは)切腹申付(もうしつく)ベク候也(そうろうなり)

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