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2023年の振り返り:皆さまに感謝

12月30日8:30をもって、私の今年の業務は終了した。
戦争に政治家の不祥事など暗いニュースが多かった2023年もあと2日。
私の2023年を振り返る。

2022年の大晦日、看取りのため往診した帰りに野鳥撮影にチャレンジしようと思い立ち、その足で家電量販店に向かいカメラを衝動買いした。
出費は痛かったけれど、この1年間出費以上に楽しむことができた。
野鳥観察の幅が広がったし、彼らが画像に残ることで色んな発見もあった。
休日が晴天予報だと、前日夜からどこに行こうかとワクワクしている。
この心躍る感覚を久しく感じることが無かったから、カメラを買って本当に良かったと思っている。

そして4月からnoteを始めた。
フォロワーを増やすなどの明確な目的はなく、今までに心の中に貯めていた想いや写真などを文章に起こそうと、週1-2回程度の頻度で投稿した。
友人レベルで話を聞いてほしかったから、職場の人間には内緒。ごく親しい友人数名にだけnoteを始めたことを伝え、正直こんな独りよがりの記事を読んでくれる人がいるのかと思いながら文章を書き続けた。
医師という仕事はどちらかというと尊敬か、妬みやっかみの対象になることが多く、他の分野の方々との間に壁を感じることが多い。
医師も一人の人間であること、人間として日々感じることや考えていることを記事にして、誤解を解きたいという想いもあった。
ネタもそのうち尽きるだろうと思っていたが、気が付けば40週も続いている。
定期的にスキやコメントを下さるフォロワーさんとの交流が、私の心を癒してくれている。

仕事については、ようやくコロナ禍の闇から明けつつある。
2年前に74歳でこの世を去った上司。「僕がやり残した仕事を頼んだぞ」と私へ診療所を託した。
50人以上の職員を抱え課題が山積する中、「患者ファーストで損得勘定抜き。利他の精神で正しいことをしていれば、そのうち周囲から評価されるよ。」と彼の言葉を思い返しながら、時には歯を食いしばってきた。
心折れそうになる出来事もあったし、私は男性に比べて体力も無く弱音を吐きたくもなる。
それでも成果は少しずつ現れ、地域から認められる診療所になりつつある。
まだまだ目標達成にはほど遠いけれど、彼が実現したかった医療を追い続けた1年だった。

こうやって振り返ると、この1年間がとても充実していたと感じる。
私は根本的に「医師」という仕事がとても好きなんだと思う。
noteの皆さんから「もずきちさんのような医師に」とありがたいコメントをいただくが、私はそんな立派な医師ではない。
医師だった父の背中から学んだ「医は仁術」を信じ、大切にしているだけ。
医の道は「身体の病気を治すだけでなく患者を思いやり、仁愛の徳を施す」もの。
患者から学ぶ謙虚さも必要だ。
私はこれからも、患者の心を置き去りにしがちな今の医療に警鐘を鳴らし続けたい。
(ちなみに、私の文章の中では「医師」を理想像、「医者」を批判や卑下の対象として使い分けている。)

いつも読んでくれているnoteの皆さん、本当にありがとう。
フォローしてくださっている皆さんにとても感謝している。
私はあなたたちに励まされ、頑張ることができています。
皆さんにとって来年も良い年でありますように。

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