mozhi gengo

~mozhi くりっぷ~ மொழி mozhi (language) + குறிப்…

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~mozhi くりっぷ~ மொழி mozhi (language) + குறிப்பு kurippu (note) = 語源考察のメモ書き

マガジン

  • 印欧語根表メモ

    英語語源辞典の語根表から辿った派生語のメモ

最近の記事

*strebʰ- [strap/Streptococcus]

病名はギリシャ語なので覚えられない、の話の続き。 最近流行が懸念される「溶連菌」。初めて「ヨウレイキン」と聞いたとき漢字が分からなかったが、溶血性連鎖球菌の略のようだ。菌の名前ではなく、症状の名前を言うと「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」と長い。英語ニュースでは Streptococcal Toxic Shock Syndrome (STSS) あるいは Severe Invasive Streptococcal Infection というらしい。Streptococcus が

    • *welH- [ileus/イレウス]

      病名は日本語でも普段使わない語彙が使われて難しいが、英語だとギリシャ語なので余計に覚えにくい。また、ただの言い換えかなと思っていたが実は厳密に違うことだったりする。 最近知ったのは、腸閉塞(intestinal (or bowel) obstruction)をイレウス(ileus)と言ったりするが、厳密に言うと「イレウス」は腸の機能が停止して、腸管が麻痺状態になっていること全般を指し、「腸閉塞」はもっと狭義に、物理的・機械的に異物(胆石など)や腫瘍(癌など)によって閉塞され

      • *merǵ- [mark/march/मार्ग/मर्यादा]

        ~umisioさんのNote記事を読んで、おなかが空いてきた話~ 「塩の行進」について読んで、買わせた塩が英国産という、今まで気にしていなかったところに気づかせてもらった。イギリス国内の塩の生産地や精製方法について、具体的にはどうだったのだろうと新たな好奇心がわいた。「塩とインド―市場・商人・イギリス東インド会社 (神田さやこ著)」という本があるようなので、一度読んでみようと思った。 インドは海に囲まれているとはいえ、亜"大陸"というだけあって、内陸部は海からかなり離れて

        • *reydʰ- [curry/ready]

          "curry favor" は一見すると「curry flavor カレー風味」と誤読しそうだが、「機嫌を取る、取り入る、ゴマをする」という意味のイディオムだ。 このイディオムにおける favor は「好意」の favor ではなく、元々フランス語の fauve (favel, fauvel) だった。fauve は「淡黄褐色・鹿毛色」の意味で英語の fallow と同語源。fallow は鈍い橙系の黄色、うす茶色、灰黄色、ウッドブラウンやウォールナット色とも説明される。色

        *strebʰ- [strap/Streptococcus]

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        • 印欧語根表メモ
          31本

        記事

          *preyH- [friend/Friday/प्रिया]

          気付かなかった別々の語彙が、グリムの法則を知ることでつながるAHA体験。「p → f への変化」で、father と paternal [पिता]、foot と pedal [पैदल, पैर, पाँव, पद्] はよく例に出るが、最近そうかと思った語彙は friend. friend ←中英語 frend, freend ←古英語 frēond ("loving[-one], lover") ←西ゲルマン祖語 *friund ←ゲルマン祖語 *frij

          *preyH- [friend/Friday/प्रिया]

          [Afer] [Assuwa]

          「アフリカ」や「アジア」という言葉は、もとは非常に限られた一地域を指す言葉が、拡大されてその地域より以遠の広域を指す語になっている。 「アフリカ」は、ローマ帝国の属州名で、かつてカルタゴが支配していた地中海沿岸の一地域、現在のチュニジア北部あたりの土地の名前だった。ラテン語のĀferはその「"カルタゴ"の地域の(人々・物)」を指す形容詞で、Āfricaはその土地。ではĀferとは何か。諸説あるが、  ・フェニキア語で"dust"を意味する APR (afar)  ・ベルベ

          [Afer] [Assuwa]

          *h₂éndʰos [chrysanthemum/अन्धस्]

          家族が庭いじりをしていて菊の挿し木をしていたが、菊って英語で何というのだろう。日本語でも古くから女性の名前に使われていたし、ヒンディー語でも शेवंती (shewanti) は昔から楽しまれ、女性の名前になって来た。(日本と同じく古めかしい感じがするので最近の子にはつけない傾向)英語でも花の名前が女性の名前になっていることが普通なのに、そう言われれば「菊」という意味の英語の名前ってなんだろう。 英語で「菊」は chrysanthemum。みるからにギリシャ語で、学名その

          *h₂éndʰos [chrysanthemum/अन्धस्]

          *wemh₁- [vomit/বমি/オェ~]

          今回は汚い話で申し訳ない。子どもたちが風邪をもらって来て次々と倒れた。夜な夜な急病センターに走っては入院はするはと辞書を引いている場合ではないがそんな時にも語源は気になる。落ち着いてから 嘔吐・下痢・発熱 まわりの単語を調べてみた。まずは「救急車」のambulanceから。 ambulance  ←フランス語 ambulance  ← (hôpital) ambulant ("walking (hospital)")  ←ラテン語 ambulō ("I walk, I go

          *wemh₁- [vomit/বমি/オェ~]

          *deḱs- [dexterous/Deccan/दायाँ]

          方角に関するあれこれ ~前回の「Australia(南)とAustria(東)。同語源(どちらも印欧語根 *aus- "輝く")でも、指す方角が違う」からの続き~ インド語派で東は पूर्व (pū́rva) で 印欧語根 *preh₂- (前に。英語のpre-, para-, fore-, firstの語源) と関連がある。太陽が昇る方向を向いたときの「前」だからなのか、インド・イラン語派の集団が東に向かって旅をしたからなのか...。 では、西は後ろなのか?その通りで、

          *deḱs- [dexterous/Deccan/दायाँ]

          *dʰeh₁- [doom/प्रतिनिधि]

          "doom"と聞くとどんなイメージだろうか。Doomsday は「最後の審判」、「人類滅亡の日」や「破滅の運命」というニュアンスで使われるが、脳内でヒンディー語の "dhoom" のイメージがいつも邪魔してくる。 英語の doom に付きまとう暗雲立ち込める破滅の運命というイメージに、ヒンディー語の धूम (dhūm) [煙] や धूल (dhūl) [土埃] という単語が勝手に頭の中でミックスされて、あれっ? doom って本来どんな意味だったかなと分からなくなる。“

          *dʰeh₁- [doom/प्रतिनिधि]

          *meng- [मंगलवार/mangonel/Machurian?]

          地名が由来の食べ物の名前でインド英語と言えば、中国系インド人のシェフが創作したと言われるManchurian。中華料理ではなく、中華"風"インド料理。"Manchu"は満州だが、なぜその地名を取ったかは分からない(戦後、日本以外で中国を満州と呼ぶことは少ない)。高級料理を「満漢全席」と言い、また、中華料理の四川・広東・北京・上海にさらに加えてということで、別の有力地方名を取って来た、ということなのかと推察する。 民族名としての「満洲」の由来は仏教の文殊菩薩を指すサンスクリッ

          *meng- [मंगलवार/mangonel/Machurian?]

          *h₂ews- [East/Aurora/उषस्]

          黎明に関するあれこれ ~lacolacoさんのnote記事からのインスピレーション~ AustraliaとAustria。同語源(どちらも印欧語根 *aus- "輝く")でも、指す方角が違うのはとても面白い。 Austria (East) ←L Austria ←OHG Ōstarrīhhi (cf G Österreich) ←PG *austraz ←IE *h₂éwsteros ←IE *h₂ews- (“to dawn”) Australia (South)

          *h₂ews- [East/Aurora/उषस्]

          *gel- [clot/clutter]

          引っ越しと言えば "decluttering" がつきもの。「整理整頓」と訳せば散らかっているものをきれいに並べて収納するイメージもあるが、declutteringの紹介動画でやっているのはだいたい「断捨離」で、思い切って捨ててスッキリすることの意味合いの方が強い気がする。語源を辿るとイメージがつながる。 declutter とは clutter を取り除くこと。clutter は「血栓」の clot や、ドイツ語のブロックや切株・丸太の意味の klotz につながっている

          *gel- [clot/clutter]

          *séh₂ls [salt/salary]

          塩にまつわる単語2 ~umisioさんの記事からのインスピレーション~ Salaryの語源、ラテン語Salarium は Salarium Argentum の略で、原義は「塩代としてローマの兵士に与えられた銀貨」であり、古代において塩が重要な生活物質であったことを物語るもの。(英語語源辞典) 現代ヒンディー語でも少し似たニュアンスで「塩 नमक (namak)」を使ったイディオムが色々とある。その場合「塩 नमक (namak)」は「恩」と同義語ととらえてよい。「あなた

          *séh₂ls [salt/salary]

          *meh₂d- [no-moistric/नमक]

          塩にまつわる単語 ~umisioさんのnote記事からインスピレーションを受けて~ fresh は ゲルマン祖語 に遡った形が *friskaz と再建されている。印欧祖語を *preysk- とする資料もあるようだが、*preysk- に関連したインド語派の語彙は見当たらないようだ。 現代ヒンディー語で一般的に「塩」と言えば नमक (namak) で、ペルシャ語起源のようだ。イラン祖語に再建すると *namadka- で、恐らく *ná (“no”) +‎ *mad

          *meh₂d- [no-moistric/नमक]

          *mew- [move/emotion]

          「“小さな世界”の大引っ越し」ほどではないが、家族のために腹をくくって大引っ越しを敢行。4月から色々と”fresh”に始めてみようと思っていたが、それどころでは…。整理するのに後どれぐらいかかるだろう。そんな合間にも語源辞典だけは箱詰めせず手元に。引っ越しだから "moving" について語源を調べてみた。 move ←中英語 moven, moeven, meven ←古ノルマン語 mover, moveir ←古フランス語 mouver, moveir ←ラテン語 m

          *mew- [move/emotion]