開園式が終わって

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先週の金曜日が開園式で今週は幼稚園をオープンさせるための行政の監査が始まった。設備に不備がないかなどのチェックだ。
 
様々な局の様々なレベルの監査が合計4回ある。火曜日に初回があって、木曜日に二回目があって、来週は三回目と四回目が行われる予定になっている。この監査をパスしなければ開業はできない。
 
ちなみにこの監査に私自身は立ち会っていない。外国人がいるとどうしても金づるにされやすいのでいない方がいいとアドバイスされている。
 
火曜日の夕方、初回の監査では「8項目の指摘事項があった」とスタッフからメッセージがきた。子ども用便器の数を増設しなければならない、調理用ガスボンベは屋外に設置しなければならない(そのために壁に穴をあける必要がある)、園庭に砂を敷き詰めなければならないなどなど、追加で結構な費用がかかりそうな内容が記載されていた。うーむと思いながらスタッフに電話をかけて対応をねぎらった。翌朝、対応を検討するために幼稚園でさらに詳しく話を聞くと、どうやら指摘事項を全て実施しなければならないわけではなくて、必須でやらなければならない事項と推奨事項が混じっていたらしく必須でやる項目は三つだけで、それほど費用がかかる感じでもなさそうであるということが分かってきた。前夜は寝られないほど考え込んでいたのだが一気に力が抜けた。寝られなかった夜を返してほしい。
 
コストは出来るだけ抑えたいので、推奨事項はありがたく拝聴しておいて必須事項はすぐに対応しましょう、ということになった。
と同時に明らかに私たちより設備的に劣っているのに操業している幼稚園がいくらでもあって、その点はどういうことなのかというのをスタッフ経由で聞いてもらった。ライセンスの申請プロセスではわいろが常態化しており、監査プロセス開始のだいぶ前から行政の担当とコンタクトをとっておいて、しかるべき額の私的なお金を払ってライセンスを取得することが慣行になっている、らしい。
 
木曜日の二回目の監査では、より具体的な金額の提示があった。「今年は10月に大統領選挙があって5月には行政機能はほぼ停まる。私に任せておけば2か月ほどでライセンスの発行が可能だから行政機能が停まる前にライセンスを入手できる」との提案を受けた。
 
わいろはここで生きている限りはつきものなのである程度は耐性があるのだが気持ちいいわけでは全くない。こちらはで公務員はみんな副業をしているので、公務員が副業のコンサルタントとしてライセンス取得のお手伝いをしているという風に捉えると強引だろうか。強引だな。思いっきり本業の職権を乱用している。
 
わいろが横行しているような社会、わいろがないと成立しないような社会を変えたいと思って活動をしているのだが、この社会の中に入ってそれを変えようとするとまずはこの社会の流儀に染まらないといけないのかもしれない。悩ましいなと思っている。

できることを一つ一つやるしかない。

あと外国人の自分がその場にいる場合といない場合でわいろ額に差があるのか興味がある。なおビザに関係するイミグレーションの役人が要求するわいろの金額と比べると今回提示された金額はまだかわいい感じだった。 
 

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本文とは関係ない、最近市場で食べた豚肉の焼いたやつ。おいしかった。

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