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白内障の手術

人間の眼って、すごい。 

眼のレンズ(水晶体)は、カメラのレンズと違い、生きた細胞が玉ねぎの皮のように集まってできている。しかも、弾力があるので、自由に厚みを変えられる。水晶体はクリスタリンというタンパク質によって常に透明度が保たれている。 人体の不思議。

 視力が自慢だった私は、老眼が早く来てしまい40代後半から老眼鏡。
この水晶体の調節が老化でできなくなった。  
しかし、あれれ?気が付けばここ一年くらい、裸眼で近くが見える。
老眼治った?
それは大きな間違いで、右目は白内障になっていた。
遠くが見える老眼左目と白内障で近視になった右目が補い合っていただけ。

 しかし、 ここ数ヶ月で、急激に右目視力悪化。
1.2だった右目が6月には0.6、7月には0.3、、
白濁するのではなく、水晶体の中心が硬くなる「核白内障」と診断された。進行が早い。

気持ちがどんどん落ち込んだ。

夜の街灯や車のライトが観覧車みたいに輪になって大きく見える。
日に日にその観覧車が大きくなる。運転が怖い。
テレビの電源の小さいLEDも大きく見える。
こんな見え方は初めて。泣きそう😭
ランニングだって、景色が楽しみなのに、ぼやけて見えて悲しかった。
 数年前まで私の自慢は視力だった。 50代で白内障か、、。 

私はめっちゃ調べた。

巷では、日帰りOKの大したことない手術とされている。
ネットを見た。本も買った。調べるほど、単純ではないことを知る。
水晶体を人工の眼内レンズに入れ替える。えー、人工物を眼に?!
眼内レンズには単焦点、多焦点があること。
それぞれに、種類があること。
どこの眼科でもOKという訳ではないこと。 
知らなかった、、。

 迷う。すごく迷う。

 病院をどこにするか、
どのレンズにするか、
いつにするか、

白内障になった理由はわかっていた。
昨年右目の黄斑前膜の手術をしたからだ。
水晶体のたんぱく質が変性して必ず白内障になるので、たいていは同時に手術する。年齢的に様子見ましょうとなった。もっと先と安易に考えていた。
昨年黄斑の手術をした病院へ行くと、網膜がパーフェクトではない私の眼には単焦点が良いという。単焦点は確実に老眼鏡をかけることになる。
色々と調べた結果、多焦点を試してみたくなった。
病院探しが始まった。 いつもいつも眼の事でざわざわしていた。
フィジカルなことですぐ弱気になる。 

病院が決まり、多焦点レンズが使える希望が持てることがわかってから、
一気に心が安定した。

大病院ではないけれど検査が丁寧でしっかり説明してくれる病院を選んだ。去年の黄斑の手術跡がきれいだから網膜の力もきっと大丈夫でしょうと。

 「網膜の力」   そうか、それ大事なんだ。 

手術1週間前は検査。これがとても重要らしい。網膜の他、目の奥行き、角膜の細胞や形、乱視かどうか、、、たくさんの項目を半日かけて行った。
 希望するレンズを使えることになった。良かった。  

手術当日 ドキドキする。

暑い日だった。その日の手術は7人、私は7番目とのこと。
点眼薬を何回か入れて、二階で手術着に着替え、リラックス椅子で待つ。
平井堅の「瞳を閉じて」オルゴール版がエンドレスに流れる ♪~  

防護メガネをもってきてくれた看護師さんの声かけが優しい。
手術は病院では日常だろうけど、私にとっては非日常。
不安が少し安らぐ。 

 いよいよ、オペ室。先生1人と看護師さんが3~4人。
手術椅子に座る。
目にラップみたいのを貼っている。さらに、
眼が絶対閉じないように何やら輪のようなものを眼に入れる。
あとは、真上のライト3つ見てて下さいね。と。 

ここからは、手術描写大丈夫な人だけどうぞ。 

----ここから----- 

液体の麻酔を目にかける。
歯医者さんみたいな機械音がする。多分これは水晶体を砕いてるんだな。
 しょっ中、水みたいのが目にかかる。
はい、ちょっと暗くなりますからねーと先生。
砕いた水晶体をチュルチュル吸い出したんだなあ、とわかる。
確かに3つのライトの周辺が黒っぽくなる。
検査で計測してあるが、手術直前にも赤いライト見てねと言われ最終計測。本当にこのレンズの度数がベストかを確認しているそうだ。
はい、先生。
もう、どんなに手間がかかってもいいので慎重に慎重にお願いします。
と心で唱える。
そして、レンズ投入。畳まれたレンズを入れて広げているらしい。
しかも、ぴったりと真ん中にくるように。 
少し圧がかかるけれど全然痛くない。
 終わった。
あっけない。
出血とか全くない。
ほんの10分くらいだった。 -

---ここまで-----

 帰りは、病院の方が自宅まで車で送迎してくれた。
 そこから、左目だけで過ごす。
恐ろしく左目の老眼が進んでいる。近くがほぼ見えない。
白内障で近視の右目が頑張ってなんとか近くも見せてくれていたんだ。
防護メガネの上から老眼鏡をひっかけて新聞などを読む。
入浴禁止。洗髪は4日目から。防護メガネは1週間どんな時もつける。

手術は痛くない。大丈夫だった。  

さて、翌日、眼帯を外してもらう。

先生ー!見えますー!と思わずニッコニコ^_^ 
うれしい。

これからは老眼鏡なしで見て脳を慣れさせて下さいとのこと。
そうか、脳にも頑張ってもらおう。
つくづく、人体のメカニズムの凄さを思う。 

帰りは、数ヶ月ぶりにデパ地下へ。
見え方を確認したくてキョロキョロしてしまう。
いいお肉を買った!  

今、防護メガネだけでパソコンに向かっている。老眼鏡は不要。
多焦点は光が分散するため、暗くなると確かに近くがちょっと見えにくい。明るくすれば大丈夫。
若い時の見え方よりは劣る。
それでも、手術前より断然良い。

 先生と病院のみなさんに感謝。

今回もだけれど、去年黄斑の手術をして下さった先生と病院にも感謝です。
きれいに前膜をとってくれたからこそ、黄斑が頑張ってくれる。  
あと、人工眼内レンズを開発している会社にも感謝。
 大事な網膜(黄斑部)はあと40年は使いたい。
これからも緑黄色野菜とお魚などしっかり食べて黄斑を守りたい。

100年使う大切な眼。

そう、超高齢化社会ではお世話になる期間が長い。
そして、15歳位までの眼は網膜の細胞が作られる大切な時期。
子どもたちの眼を守ること、やはり大切だなと思うのです。 

 

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