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〜入管収容所の中から闘う〜サンチェス・ポンテ・ジャンピエール③

【Part 3】

(Part 1, 2 とフルインタビューはこちらから↓)


3. 被収容者へのメッセージ、今後やりたいこと

ー今入管に収容されている人、仮放免の人に何かメッセージはありますか?

入管の中で自分の立場的に声をあげると自分のケースが悪化するって思ってる人は多いでが、それは間違ってると言いたいです。

もちろんケースバイケースで見みると、(判断するのが)難しいものもあるかもしれないですが、理由はある人間に対してはちゃんと判断するべきです。それは裁判でも伝えるつもりです。間違ってることは間違ってるって。

結局、声を上げないからこそ何も改善されないし中の状況が外に知られることもない。だから、おとなしくしていれば、仮放免で出れるとか、訴訟でうまくいくとか全く関係ないです。

仮放免も訴訟も結局、入管の気分。あとは外からのプッシュで(入管から)出られます。俺は逆に暴れたら、もっと早く出られるんじゃないかなって思ってます。間違ってることをちゃんと表に出せば出る可能性がもっと高まると思います。

収容所での闘い

一つできることとして、ガンガン不服を出してほしいですね。不服出さないと開示請求も何もできないから。入管の対応は理由とか理屈とか全く通ってないので。

記録にするか記録しないかが、もう本当に大切だと思います。それの違いで全部が変わる。記録にしなかったら何も言えないし、ただ単に証拠がない。立証できない。

(入管の暴力を)立証するためにはみんなにはやっぱり不服出して、間違ってること間違ってるって言ってそれをちゃんと記録する。俺はこうやって、不服帳っていうのを中で書いて証拠を残したし、それをみんなにもやってほしいです。

サンチェスさんが作成した不服帳

もちろん別に日本語じゃなくてもいいですが、書くことが大事だと思います。入管はそれを英語やスペイン語で書いたりしても、全部受け入れるべきです。

日本語全く話さない難民もいるのに、日本語で教えてるからね。いや、伝わるわけないじゃんって思いますよ。入管にはポケトーク(翻訳機)があるのに、わざわざ俺んところまで来て、英語でちょっと説明してあげて、って言ってたりします。なんで俺が入管の仕事をしなきゃならないんですか?

実際、入管内ではみんな孤独ですよね。1人ぼっち。だから正直、もっとみんなからのメッセージをもっとあげるようにしていきたいです。これまでとはもっと違うところでもっと上げるべきだと思います。じゃないとやっぱり何も変わらない。

入管法については改善案言ってるけど、改善でも何でもないです。悪化してるだけです。完全なその改善案っていうのは、もっと何か、1人1人のケースをちゃんと見て、ちゃんと判断することだと思います。

俺に対してはまだ弁護士もいないからって何も見ずに強制送還しようとした。だけど入管は判断を間違ってしまいました。俺は闘う。闘うし最後まで言うし、絶対表に出す。黙る気はない。

俺は一生黙る気はないです。一人一人が行動しないと誰も見てくれないです。上は安心してるだけなんですよね、みんなが言わないから。

ー今後日本でやっていきたいことは?

自分は元々刑務所にいる時もそう思ってたけど刑務所から入管へ歩んで、やっぱりみんな生きてる人生が違うけれど、もっといろんな人の視野を広くしてあげたい。

自分が何かをやりたいって思ってても、結局それをプッシュしてくれる人がいないとチャレンジ精神は生まれないんです。俺はそのチャレンジ精神を生むためにも、いろんなコネクションを集めて、何かボランティア的な運動したいです。

仮放免で出た人間でも、刑務所上がりの人たちもこの暗闇にいる。やっぱり罰を受けてる人間って、簡単なメンタルを結構持ってる人間なんですよね。

でも、汗水たらして食べるご飯ってめっちゃうまいんだってことをみんなに知らせてあげたいです。そしてやっぱり、1人でも多くゴミ拾いすれば、ゴミがなくなるんですよね。それが入管法であっても。

人間はみんな必ずやり直せます。でも結局扉を閉めるのは、その人のそういうところを見てないからなんです。ただ単に記録しか見てないんです。

でも全然違うってことをもっと示していきたいですよね。コネクションを集めて、みんなが動けるスペースを作って、そして俺も一緒に動きたいです。勉強にもなるし。

そしてお互いの経験を伝え合い、お互い強くなり、いろんな扉をあけていきたいです。

俺は元々日本の文化は好きなんですけど、この先輩後輩の文化は大嫌いなんです。後輩だから、年下だからって見下すっていうことは俺は大嫌いです。だって俺が経験してないことを経験してるかもしれないし、そんなの関係ないでしょう。確かに俺はちょっと長く生きてるかもしれないけど、その人の方がつらい経験してるのかもしれないし、それはわからないですよね。

俺は、こうやって罰を受けた人間でありならも、今はゴミ拾いしてるんですよ。ちゃんと自分を立て直そうとしているんです。だから下から、みんながやり直せるっていうことを示していきたいです。

4) ラスト、生き方について

世の中には、俺には無理なんじゃないって思ってる人間が多いと思うんだよね。でも、やってみたこともないことを最初から無理って言ってたら、一生無理ですよね。

まずやってみようよ。多分俺もこうやって話す時点で元々多分無理な人間だったかもしれないけど、今は自分のために声をあげているし、それが誰かに影響を与えると思ってます。それはお母さんのおかげでもあります。

お母さんは俺が小さいときから家に知らない人を泊まらせたりしていました。その人たちが寝るところを必要としていたから。1人が食べられるところはみんなで食べられるし、共有できるし、俺は自分のものをみんなに共有して、自分が得たコネクションをみんなに共有して、それでみんながWinになったらいいと思っています。

やっぱり人との繋がりが生きがいです。遠慮してたら何も始まらないし、遠慮せずどんどんどんどんやってみて、誘ってさ。誘って誘われてやっていきましょう。

そしたらそこに運命があるのかもしれないです。そんなのもわからないのに、みんなは遠慮してしまう。同じように中の被収容者たちも遠慮しちゃってます。

みんな結局通じないって思ったりするんですけど、そうじゃない。通じる、必ずいずれ通じる。それをやっぱりみんなに伝えたいし、今後出た人生でも、これから始まる人生でも、そういうことをしていきたいです。

でも入管法についてはっきり言えるのは、それが間違っているということです。もっと1人1人のケースをちゃんとシビアに見てちゃんとやってほしいです。本当にこんなに人が死ぬべきではなかったし、本当に悲しいことです。理由ある人間を無理やり送還する必要もなかった。俺はその1人になりかけました。

だから闘う。最後まで闘う。




最後に
Moving Beyond Hateでは一緒に活動するメンバーを募集しています!
入管での面会や強制送還に反対するキャンペーンの実施、学習会やミーティングへの参加、など、様々な活動があります。(参加頻度は自由で、学習会等はオンライン参加も可能です)

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