てくてくの自販機。
ふとした瞬間に昔の記憶が蘇ってくることがある。
なぜそれを思い出したのかはわからない。
僕が思い出せる数少ない幼稚園生の時の記憶。
それがてくてくの前にあった自販機。
そこの自販機へ瓶のBikkleを買いに行っていた。
それを習慣的にやっていたことを思い出した。
てくてくはたしか鉄板焼き屋さんで家の前の道をまっすぐ歩いていったところにあった。散歩にするのにいい距離感だった。てくてくで外食をしたこともあった気がするんだけど正直よく覚えてない。何回も行っていた自販機の目印としか当時の僕は認識していなかったからだろう。
そこに父か母のどちらかが僕と妹を連れて散歩がてら歩いた。いつも夕方か夜の時間帯に行っていた記憶がある。夕ご飯を食べ終えてからデザートを食べるじゃないけど、その代わりにジュースを買いに行っていたんだと思う。
家を出て4、5分歩くとてくてくの前に自販機があった。必ず買っていたのが瓶のBikkle。これ以外を買った記憶がない。当時、ジュースと言ったらBikkleだった。これが1番好きだった。
この買い出しというか、散歩の時間が僕はきっと好きだったんだと思う。好きなものを買いに、気持ちいい風が吹く時間に家族で散歩をする時間。Bikkleを買って飲む。それだけしか考えていなかった自分。
あの時間に戻りたいなと今思うこともある。それぐらい大好きな時間で大切な時間だったんだと思う。
それから何年も時間が過ぎてコンビニでペットボトルに入ったBikkleを見た。瓶以外で見るのは初めてで衝撃を受けた。
そのBikkleを飲んだとき、あの味と懐かしい記憶が蘇ってきた。
でも、やっぱりあの時飲んでいたBikkleにはなにひとつ敵わなかった。
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