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B2B製造業のブランディング戦略 ~価値言語化の威力~

今日は少しまじめに、ビジネスのお話…

日本の製造業は、すごいことをやっているのに、その価値が伝っていないことが多い。
価格決定権が弱く、収益性が低い、というケースがよくあります。

何が決定的に足りないのか?
ヒントになるような記事があったので、シェアします。



佐藤可士和氏の企業ブランディングのニュースから

NOK(エヌオーケー)という、日本企業ですが、
聞いたことのない会社

製造業でも、最終製品ではなく、部品をつくっている会社が数多くあります。

NOK株式会社(エヌオーケー)
https://www.nok.co.jp/

従業員 約3万8000人(グループ全体)
売上高 7,000億円を突破(2031年目標、1兆円超)
自動車や電子機器、一般産業機器などに使われる部品を製造・販売している。

主力商品は、
・ 自動車のエンジンなどに使われる「オイルシール」(国内シェア70%)
・ 情報精密機器に用いる柔軟性のある回路基板「フレキシブルプリント基板(FPC)」(世界シェア 第3位)
など

知っている人と、知らない人のギャップが大きい

既存の取引先からは、よく知られた存在(知名度が高い)けど、
知らない人には、まったく知られていない(存在しないのも同然)

特定の人だけでも、よく知られていれば、ビジネスは成立します
しかし、さらにビジネスを成長させるには、今までの延長線上では難しい…
という状況も、よくある話


本質的価値を言語化する


NOKが「知る人ぞ知るメーカー」から脱却する起爆剤に、「新CI」刷新を選んだ理由とは

従来の「NOKが親会社、グループ企業が子会社」といった意識を壊し、
NOKグループとしてのシナジーを統合できる企業ブランディングを重視する
という方針を打ち立て、
NOKとして中心に据えるべき価値を言語化する「概念整理」からスタートし、
佐藤氏と鶴CEOは何時間もディスカッションを重ねた。

そして、結晶として、生まれたのが、、、
Essential Core Manufacturing
——社会に不可欠な中心領域を担うモノづくり
(——The manufacture of pivotal products that shape society.)

もはや、部品を製造しているメーカーという捉え方ではなく、
社会的に重要な価値を生み出す会社、という感じ


かつてのNOKは部品供給を通じて、産業を「下から支える」存在だった。
しかし、見方を変えれば「中核となってあらゆる製品の可能性を拡大する
と視点を転換

企業としての重要度と存在意義を再定義し、
価値が広がるメッセージへ昇華させたのだ。


社員の認識から、揃える

自分たちの会社は、どんな会社か?
当たり前すぎて、答えるのが難しい

時と場合によって、表現がバラつくと、
社内のベクトルが揃っていないように感じることがある

NOKも同様に、コアメッセージが整ったことで、
社員の認識、思考や行動まで揃い、
さらにシナジー効果が高まることが期待できそうですね

顧客から「どんな会社ですか?」と問われた際に、
今までは、「オイルシールの会社です」、「FPCメーカーです」
といったようにグループ各社で異なっていた

それが、「NOKグループは、“Essential Core Manufacturing”に取り組んでいる」と揃えられるようになったのは大きな変化

当然、従来的な回答もメーカーの立場で見れば誤りではない。
しかし、「自分たちの捉え方」が変わることにより、
商品開発や販売といった個々の現場で、
社員の振る舞いや考え方まで次第に変わっていくことを期待している。

グローバルカンパニーという存在へ着実に近づいていけるわけだ。

社外から見たブランド力の前に、
社内を揃える効果が大きい
B2B企業では、特に注目すべき点です


意志を持って、外へ伝える

自然に任せて、知られる状態から、
意志を持って、外へ発信し、伝える

『伝わっていない、知られていないのは、存在していないことと同じ』
逆に言えば、きちんと伝われば、それだけチャンスがあるということ

日本という国そのものが、とてもハイコンテクストな存在であり、
“謙譲の美徳”といった価値観も強くある

しかし、グローバルで考えれば常識は全く異なります。
カルチャーも言語も違う人々に伝える、という意志を持って、
コミュニケーションのスイッチを切り替えなくては『もったいない』

コミュニケーションのスイッチを切り替える、
という発想が、すごく刺さりました。

今の私にも、この発想が必要だな、と


製品品質から、知覚品質へ

コアにあるのは製品品質で、至上命題
さらに、今後のNOKが高めていくべきは知覚品質ではないかと

総じて日本企業は愚直に製品品質だけを磨いてきた傾向にあるが、
グローバルと戦うにはそれでは勝てない
日本国内なら通じる“阿吽の呼吸”が、グローバルではむしろロスになる

頭の中だけにある自社の優位性を、言葉にして伝える
ビジュアルを交えて伝えていく

日本のBtoB企業こそ、
そういったマインドセットを持ってコミュニケーションすることに伸びしろがある

知覚品質」とは、製品の本質的な品質だけでなく、代替品と比べた際に想起する品質や優位性を指す

絶対的な安心感、信頼感、
他と比較されない、独自の価値ですね。


今日は、B2B製造業のブランディング戦略を通して、
価値言語化の効果を確認できました。

凄く力強いメッセージを受け取れる記事です。
よろしければ、一読を!



この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz


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