ハナミズキ

桜が終わりかけた頃に、今年もまたハナミズキの芽が動き始めた。
重なる春雨によって、十分水分を、吸い込んだしなやかな枝はいつの間に縦横無尽な自由さで優しい曲線を描き曇り空に触手を伸ばしている。
暖かな春の空気感を感じ取り、いま幼葉、出てきても良いよ、十分温かいよ、とメッセージを受け取ったにちがいない。
外に出なければ気づかなかった初夏への足並み、遠くを見据えて目の前の現実をも愛を持ってして、疎かにしないよう、できることに集中したいと考えているのは、バランスを重視するからだ。
ハナミズキの街路樹も空に向かって細い枝先を伸ばし、宇宙から来るエネルギーに対して十二分に応え用としているかのようだ。
ハナミズキは何処からきて何時からあるのだろう。アメリカ経由らしいがもとはネイティブインディアンn生活に寄り添ってきていた花木だったのかもしれず、なんとも少しだけ葉を付け、秋には紅葉し、落葉してしまい、色々な表情を楽しめる。庭木としても良い木で家屋前に何本か植えるとすれば、パステルカラーに塗った外壁と良くマッチして、絵本の中から抜け出てきたような、ファンタジーな世界観を醸し出す。そのような邸宅が近所にあったが、一度満開時期に見聞致した次第にございましただけであるにも関わらず、時節が巡ってくるならば、こうやって、記憶を辿っては圧倒的な印象を彷彿とさせるに、至るばかりである。
遺伝子操作をして作った地球外生命体がこれを見たとすればどのような感覚をいだくのだろうか。ぜひ見に来てほしいものだ。

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