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9.そして一人旅が始まる ーシリア・レバノン編~いよいよ本当の一人旅へ

イスラエルから一度ヨルダンに戻り、それから北のシリアへ。
シリアにも日本人が集まるゲストハウスがあり、
そこに情報収集に向かう。

シリアの事も全く知らなかったが、
「アレッポの石鹸」が有名だったり
世界最古のモスク、ウマヤイド・モスクがダマスカスにあって
美しいモザイク模様が見えたり
色々と楽しめた。

羊の脳みそも初めて食べた。もちろん美味しくなかったけど。

クラック・デ・シュヴァリエという十字軍時代の代表的なお城を
訪ねた時の事。

クラック・デ・シュヴァリエ

そもそも行き難い場所にあり、行く時も人が集まらないと
バスが出発しないのだが、
お城に着いて観光してたら
結構な時間になり日も暮れてきた。
そろそろ帰らないとヤバいと思い、
帰りのバスをやっと見つけて乗ろうとしたら、
まだ席が空いていたのに、乗っていたフランス人に
「もう一杯だから乗れない!」的な事を言われ
ドアを閉められてしまい、無情にもバスは行ってしまう。

颯太と途方に暮れて、トボトボ歩いていると
偶然通りかかったトラクターに乗ったおじちゃんが!
「神の助けだ!」とお願いして乗せて貰って
なんとか無事に麓の街に着いた。
もし、彼が居なかったら何時間かかって街に辿り着いた事か。。
本当にラッキーだった。

8月に一度トルコから日本に帰国する為、
2ヵ月以上一緒に旅してきた盟友、颯太とは
ここでお別れする事になった。

トイレに行く以外、2ヵ月間24時間ずーと一緒に居て
たったの一度も喧嘩した事が無く
当たり前の様に一緒に居た彼と離れて
本当の意味での一人旅になって初めて
「こんなに息の合う旅のパートナーって
そうそう存在しないんだ」という事を
この後の旅で色んな人と出会って思い知った。

初めての長期の旅で右も左も分からない状態で
最初に旅のエキスパートの彼と出会って
最高に楽しく旅出来て、
自分は本当に守られててラッキーだったな、と
心より感謝した。

僕は、この後「インドには絶対行こう」と決めてたので
シリアのインド大使館でビザを申請したら、
3週間位、取得に時間がかかってしまった。

無事インドのビザも取れたので
隣のレバノンの首都ベイルートに遊びに行くと
首都なのに街の建物の至る所に銃撃の跡が残っていて
巨大な穴がボコボコあいたまま。
15年近く続いた内戦の爪痕は驚くほど酷い有様だった。
そんな中、ベイルート復興のシンボルとして
Hard Rock Cafeが出来ていて街は少し活気を取り戻していた。

シリアを出国してトルコに向かう税関で
またしても事件が起こってしまう。
当時、シリアを出国する時に出国税を払わなければならないのだが
前もって払っておくのを忘れ、しかも出国する気満々で
シリアのお金を全部使ってしまっていた。

税関で交渉したが、もちろん「払え」の一点張りで、
当時クレジットカードも持っていなかったので払う事も出来ず
埒が明かない。
シリアとトルコの国境を越えるバスで国境を越えていく筈が
出国税が払えず出国出来ないのでバスは無常にも
僕一人を置いて行ってしまった。

どうする事も出来ずに一人税関に足止めされたまま
仕方無く税関で夜を過ごす事に。
「ひょっとしたら何日もここから動けないのだろうか?
この先一体どうなってしまうんだろう?」と
不安もよぎるが特に解決策も浮かばないまま、寝る事にした。

夜が明けて次の日の朝。
昨日は遅くて閉まっていた為、存在に気が付かなった両替所が
朝になって開いた。
前もって替えていたトルコのお金をシリアのお金に両替したら
無事出国税が支払えて、なんとか国境を越える事が出来てほっとした!

今までは颯太と相談しながら2人で色々な困難を乗り越えてきたけど
これからは一人で全部解決していくんだな、と
初めて一人旅の心細さを体験した出来事だった。





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