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19.そして一人旅が始まる ーパキスタン編2~感動の再会

イスラマバードの日本人宿で仲良くなった雄二さんと一緒に
風光明媚な山の街、フンザに向かう。
長距離バスに揺られて22時間。
たいして整備されてない道をガタゴトガタゴト。
バス中で一泊しながら山に向かう。

次の日の昼過ぎに無事にフンザに到着。
そんなに大きな街ではなく
宿の数も限られてたので、ダメもとで
片っ端からホテルに出向き泊まっている人の名前を見せて貰うと
なんと2件目のホテルで颯太の名前を3日前に発見!

聞くと、まだホテルに滞在しているとの事。

小さな街なので、ここまで来たら絶対会えると確信し
カフェでゆっくりお茶を飲んで出会うタイミングが満ちるのを
待つ事にする。

とすると、ほどなく目の前に
ぶらぶら歩いている颯太が現れた。

感動で抱き着きたい気持ちを抑え、
自分に気が付いた颯太に
「おっ、また会ったね!」と平然を装いながらも
心の中では安堵と喜びの気持ちで一杯だった。

僕は出会う事を確信していたので、それほどの驚きは無かったが
彼にしてみたら、青天の霹靂。
目をまん丸にして
「何で、ここに居るの??」と驚きながらも
久しぶりの再会を心から喜んでくれた。

フンザでの再会!


言葉にならない思いが溢れ、涙がこぼれ出るのを止める事も出来なかった。

長い一人旅の辛いトンネルから解放されて
やっと心の底からリラックスする事が出来た。
本当に嬉しかった。

別れてからお互い旅先で何を体験したのか?よもやま話に花が咲いた。
彼はトルコで出会った女の子「みどり」と一緒にトルコ、イランを超えて
パキスタンに来たらしい。
楽しい旅をしてきた彼とは正反対に一人で辛い道を歩んできた僕。

しかし、ここでまた再会出来た事で
僕の旅は、どん底を抜けてまた楽しくなってきた。

フンザは人里離れた山の麓、のんびりした小さな街で
子供達が着ているのは風の谷のナウシカに出てきそうな民族衣装で
村人は素朴で穏やかだった。

秋の紅葉を味わいながら、颯太とみどりと一緒に
穏やかな山の生活を楽しんで
大分気持ちが落ち着き、精神的に回復してきた。

先の見えない一人ぼっちの闇の中、諦めずに僅かなチャンスにかけて
旅を続けてきた自分の直感を抱きしめ、褒めてあげたかった。


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