見出し画像

ラビットホールを描いたどれくらいの絵師が初音ミクの規約を読んでいるのか調査


はじめに

追記:2024/04/04  投稿当時クレジット表記のなかった絵師がクレジットを付けているのを確認したのでその人の名前は削除しました


最近ラビットホールの初音ミクを描いているイラストレータがとても多いです。
もしかするとここ10年くらいで一番のブームなんじゃないかってくらい初音ミクが描かれるんじゃないか? ってくらいの勢いがあってとても喜ばしい反面、初音ミクの規約を読んで描かれていないんじゃないかと心配にもなります。

初音ミクの規約について

VOCALOIDの二次創作についてはpiaproに「キャラクター利用のガイドライン」として詳細に描かれています。

https://piapro.jp/license/character_guideline

当然初音ミクのイラストについてもこちらをよく読んだ上で描くのが望ましいのですが、その中を読むと以下のような記載があります。

PCLクレジットについて

当社キャラクターの二次創作物を公表するときは、PCL第3条第3項に基づき当該二次創作物自体あるいはその説明文に、①PCLによる許諾の旨、②PCLの所在を示すURL、③利用しているキャラクターの名称、④当社社名(以下、これらをまとめて「PCLクレジット」といいます。)を表示するよう努めてください。

【PCLクレジットの表示例】
この作品はピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「○○○○」(キャラクターの名前)を描いたものです。

この作品は<a href="https://piapro.jp/license/pcl/summary">ピアプロ・キャラクター・ライセンス</a>に基づいてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「○○○○」を描いたものです。

また、当社が運営するウェブサイト「ピアプロ」に投稿された作品をピアプロの外部で使用する際は、当該作品が掲載されているピアプロのURLを記載することで、PCLクレジットの代わりとします。

キャラクター利用のガイドライン
https://piapro.jp/license/character_guideline


さて、ここで気になるのがこのPCLクレジットをSNSでほとんど見たことがないという事です。
もちろん規約では「務める」なので罰則があるわけではないですが、二次創作である以上公式への敬意は必要です。
そして敬意があるなら公式の出している規約通りにクレジットをつけるんじゃないかと思うので調査してみました。

調査方法

X(旧Twitter)に投稿されているイラストの中から調査します。
(2024/3/7 時点)
記事の投稿後、執筆中にクレジット表記が追加される可能性があります。

「#初音ミク」のタグではメディア欄にグッズなど大量に出てくるので、
「#ラビットホール」のタグで検索して話題のツイートに表示されたもの中から初音ミクを描いたもの(他のキャラクターにバニー服を着せただけのものを除く)を調査していこうと思います。
また、名前やプロフィールから海外のクリエイターかと思われるものは除いています。
二次創作の規約というのは日本の著作権法的に必要にかられてできたものであり、海外の場合はその国の著作権法が適用されますが、フェアユースやパロディ規定が法律に記載されているケースもあるためです。

クレジット表記のなかった絵師

しゅびぃ 𓆩♱𓆪


Nam


ミョワ / RAUM

ミシュネ / misyune



huhi

乃莉助


いるか

LUZZI

ぽめ宮りの

https://twitter.com/pomemiyarino/status/1764654601616408755

あかびの

byou

東雲ねむ

まだら醤

椎花びび

いちき

ことはあお

ぱぴこ

クレジット表記のあった絵師

いませんでした

調査方法の変更

先述の調査方法ではクレジット表記が見つからなかったので素直に「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」をXで検索してみます。

結果としてはラビットホールを描いた絵にクレジットがついているものはありませんでした。
調査対象がXなのでシャドウバンなどで検索に引っかからないものでクレジットがついているものもあるかもしれないですが……

クレジット表記のあるイラストをいくつか紹介します。


またAIで画像を出力している人もちちぷいに投稿したイラストをXにリンクを投稿していましたがこちらもクレジット表記がされているものもありました。


調査結果まとめ

さて、ここから私見のまとめですが、普段からミクを描いている人は規約をよく読み、ラビットホールの流行に乗っただけの人はクレジットがついていないという事かと思います。
実際今回調査した絵師が普段描いているものを見ると、ブルーアーカイブやVTuber、オリジナルのものを描いているケースが多いです。

個人的意見


初音ミクは2007年のニコニコ動画の流行から二次創作が活発であり、その頃はクレジット表記のないものが多かったです。
また当時二次創作は黒に近いグレーゾーン(著作権法的には黒だが、親告罪なので問題が無い限りは訴訟しない)であり、権利者に確認しても駄目というしかないので突撃しにいってはいけないという文化的背景もありました。

しかし今では二次創作のための規約を用意してくれている権利者もいます。
グレーゾーンではなくホワイトとして二次創作をできるようになるので投稿する最にはそういった権利者に敬意をはらう必要があります。
そして、もっともわかりやすい敬意のはらい方としては規約に描いてあることを守るという事です。
手書きだから敬意をはらっているという謎理論は通用しません。

最近明らかにライセンス違反をしているものが目に余ります。

(1)利用者は、当社キャラクターの二次創作物を営利目的で利用してはならず、また非営利目的であっても、あらゆる名目の対価を徴収しまたは報酬を受けて利用してはならないものとします。

ピアプロ・キャラクター・ライセンス 第3条(利用許諾・利用条件)
https://piapro.jp/license/pcl


しかもピアプロ・キャラクター・ライセンスは優しいので長い文章が読めない人でもわかるように要約版や、動画も用意してくれています。
(もっとも、動画は古いので現状に即したものではない可能性もありますし、要約版は不足している内容もあります)

https://piapro.jp/license/pcl/summary


昨今様々な情勢があり、絵師側が自分たちの権利を守ろうという活動が活発になっています。
しかし、その絵師側が権利者の権利を守らずに活動するのであれば理解される事はありません。
絵師は二次創作に対して慎重になるべき時代がきています。
なので、せめてガイドラインなど規約を用意されている場合、しっかりと目を通しませんか?

以上、ご拝読ありがとうございました。

#初音ミク #イラスト #イラストレーター #創作 #絵師 #二次創作


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?