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2022年6/9 診断

予約の5分前に着いたのに、時間を過ぎても呼ばれない。大ごとな感じ。

呼ばれて診察室へ入ると、いつものドクターが血液検査の結果と資料を広げて待っていた。
電話でも受けていた説明を一通り。血液検査の結果を見ると、確かに診断の材料となるT4値が5.2μg/dLと出ていた。基準値は0.8〜4.7。

一番下がT4

淡々といつものように、でも冷たくはないドクターの声のトーンがありがたい。

薬で抑えていく治療がメインになる、副作用が強く出る場合は療法食か手術。
私がこの時点で考えていたのは、療法食で穏やかなところへ着地させる、という手段だった。他のおやつ一切NGになるのは切ないけど、元々割となんでも食べるコなので、食べない心配はしていない。
けれど、ドクターによるとやはりかなり厳密にやらないといけないし、例えば薬を飲ませるためのちゅーるビッツのようなものでもNGになるし、ヒルズの実験データではいい数値が出ているけれど、あれはものすごく厳密にやった結果なので…と言葉が濁る。
そもそも「まずい。食わん」となったらそれまでだし。

薬でホルモンの過剰分泌を抑えれば、フードやおやつは特段変える必要がないという。まぁ、それがニンゲンもお猫様も一番楽だよね、きっと。

ここで腎臓や心臓の話に。
今の時点で、マスキングされていると思しき疾患の数値はありますか?
「腎臓の数値が、現状で上限ギリギリなので、もしかすると顕在化するかもしれません」
クレアチニンが1.6mg/dL。参考基準値は0.8〜2.1だけど、甲状腺ホルモンを抑えると数値が上がる可能性はある。

記録として残しておこう

心臓は?と聞くと、「今のところ大丈夫そうだが、心臓肥大がないかは調べたい」。
そしてドクターから、「もし良ければ、なんですけど…」と切り出された。
「製薬会社が、データを欲しがってるんです。定期的な検査が必要になるんですが、モニターになると薬代と検査費用は製薬会社からの補助が出ます」
…ありがたいです…!

「定期的に検査のための診察に来ていただかないといけないんですけど…。あと、他の病気が出ちゃうとその時点で対象から外れてしまうので、以降は自己負担になります。で、最長2年」
2年…。
頭をよぎったのは中央生存期間。発症した年齢とか合併症の有無とかにもよるでしょうけど、400日強だと聞きました。今の状態・数値って、初期なんでしょうか? …とにかく、本人が苦しいとかつらいとか痛いとか、そういうふうになるのが…。声が詰まる。そんなつもりはなかったのに、視界がぼやけて言葉が続かない。
すみません、この2日で色々考えてしまって。
「…そうだったんですね。数値的に初期とか中期とか末期っていうふうには言えないんです。でも今まで診てきたコで、14、5歳で発症してずっと薬でコントロールして…今年で7年かな? 22歳になったコがいます」
7年! 22歳! すごい!
ちょっと明るい光が見えた。上手く付き合っていけば、穏やかにまだまだ一緒にいられるかもしれないんだ。

モニターに応じることにして、とりあえず心臓肥大が出ていないか検査することに。頻脈について、前回の健康診断の後旦那が抱いた疑問をぶつけてみた。病院に来ていつもよりドキドキしちゃってたってことはないですか?
「あぁ、あります」
ぇぇぇ、そうなのー?
「お家で測るとより正確です。ただ聴診器をご購入いただくよりは…」
あ、ウチ、あります。聴診器。
「そうですか。鼓動が10秒で30回なら問題なしです」
メモメモ。
「ちょっと血圧測ってみましょうか。これも一発で出るといいんですけど…何度か測り直すかもしれません」
人間にするのと同じように、腕を圧迫して測るという。途中ドクターから看護師さんに代わって、何度か測り直した。
「獣医師がやるより看護師がやるほうが落ち着いた数字が出るってデータもあるんです」
そ、そうなのか。
結果、血圧は問題なしだった。
心臓のエコーを撮るのでお預かりします、待合室でお待ちください、と言われて診察室を出る。
次の診察の予約をしていると思しき、白っぽい柴ミックスのようなわんこがいた。ごめんねぇ、待たせて。

血液検査の結果を凝視しながら、これからのことをぐるぐる考える。薬が合うといいな。副作用出ないといいな。腎臓が悪くならないといいな…。
ドアの向こうからよんの鳴き声がする。なぁなぁと抗議の声をあげている。
すると、白っぽい柴ミックスさんがきゅぅきゅうと鼻を鳴らすような声を出して、診察室の方を向いてお座りした。私の顔もじっと見る。
飼い主さんが「ねこちゃん鳴いてるねぇ。大丈夫かなー。大丈夫だよーって」
優しいなぁ。

10分ほど後、さっきとは別の診察室に呼ばれた。PCにはレントゲン画像。
「エコーで上手く見られなかったので、レントゲンにしました」

真ん中の白っぽいのが心臓

心臓肥大はないとのこと。サイズは全く普通だそうだ。よかった。一安心。
健康診断の時に、いつも全身くまなく触ってくれるドクターなので、実はあまり心臓肥大については心配していなかった。肥大していたらその時点でドクターが気付くのではないかと思っていたからだ。

ドクターが改めて詳細を確認したところ、薬と、今後の検査費用は全て製薬会社が負担してくれるという。ありがたいです…!!!

出された薬

1日2回、朝と夜に1錠ずつ。1錠ずつ。結構多いんですね。
「これが最低容量なんですよ」
そ、そうなのか。
ちゅーるなどのおやつに混ぜても大丈夫とのこと。わかりました。
最後に体重を計る。4.08kg。健康診断の時と大差なし。

お会計は血圧とレントゲン代のみだった。とは言えレントゲンて高いんだけどね。

帰宅して、いつも病院から帰ると「がんばったね」とねぎらいとしてあげる「ねこピューレ」という液状おやつを出した。一瞬でたいらげたあと、なんだかずっと同じところを毛繕いしてるな…と見てみたら、

窮屈そう

どうやら胸の辺り。エコー撮るのになにか塗ったのかな。結局レントゲンになっちゃったけど。

夕飯時、早速薬を一錠。ちゅるビーに入れてみたら、簡単に完全に隠れるほど小さな錠剤だった。
よんはあっという間に、薬に気付かずぺろっと食べてしまった。よかった。これなら続けられる。

後から調べてみたら、チロブロックは2021年1月に発売されたばかりの薬で、猫の甲状腺機能亢進症に特化したサイズと容量の、画期的な商品らしい。
そうなんだ。猫と飼い主のために、頑張ってくれてる製薬会社があるんだな。モニターまでさせてもらってありがたい限り…。

さ、もりもり食べて体重増やそう!
ドクターが、「薬飲んで体重が増えるコは大丈夫ですよ」って言ってた!

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