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3億円超だった「世界初のつぶやき」は21万円に大暴落。「NFTバブル」を煽りまくったエセ富裕層の末路

米デジタルメディアのVICEは、Twitter(現X)上に残る史上初のツイートの取引事例を報じている。ツイートはTwitter社のジャック・ドーシーCEO(当時)によるもので、「just setting up my twttr(自分のTwitterアカウントを設定しているところ)」との短文だ。

このツイートの“所有者”となれるNFTが2021年3月、230万ポンド(落札時、約3億円)という高値で取引された。歴史的な投稿とはいえ、ドーシー氏のアカウントを自在に使用できるわけでもなく、この1点の投稿を所有しているという認識を得られるにすぎない。わずか24文字のつぶやきに、常識を超える値付けだ。

VICEによると評価額は現在、1200ポンド(21万6000円)程度とされる。適正な価格に落ち着いた印象だが、価値は当時の0.0052%にまで暴落した。

こちらは、プレジデントオンラインの記事「3億円超だった世界初のつぶやきは21万円に大暴落。NFTバブルを煽りまくったエセ富裕層の末路」に掲載された衝撃の内容。

更に「7億円超の含み損」という勇者の話も。

派手に盛りあがったNFTブームが去ったいま、濡れ手に粟あわの夢は去り、巨額の損失だけが残った人々がいる。暗号通貨企業のレイバーXなどを創業したシドニーの起業家、セルゲイ・セルギエンコ氏は、VICEの取材に対し、NFTで少なくとも499万5000ドル(約7億1000円)の含み損を出したことを明らかにした。

NFTバブル崩壊について、以下の通り解説。

NFTの暴落には、複数の要因が関連している。最も顕著な点として、過度な期待から適正価格を大幅に超える値付けが横行した末に、投機バブルがはじけた。また、NFTの売買には暗号通貨が用いられることが多い。ドルに対する暗号通貨の価値の減損も足を引っぱった。さらには、NFT市場に新しいアーティストやプロジェクトが続々と参入したことで、市場が飽和状態に。供給過多となり、多くのNFTの価値が下がった経緯がある。

NFTという技術に罪はない。様々な可能性を秘めている。問題は投機的な用途が先行し、バブルを引き起こしてしまったこと。

NFT自体はひとつの優れた技術だ。未来あるアーティストの作品を適正価格で購入して支援したり、チャリティ目的で気軽に寄付をしてささやかなNFTを記念に受け取ったりと、活用の方法は本来無限大であった。だが、アルゴリズムで自動生成された1万点のサルのアートが巨額で取引されるなど、歪んだ用途が拡大したことで退廃を招いた。

NFTは苦労なくして儲ける手段だとの認識を改めない限り、本来の可能性を発揮することは難しいだろう。

類似の記事も紹介致します。

■NFT の95%が無価値。ラグジュアリーファッションはWeb3のほかの使い道を発見しつつある

■NFTの95%が無価値? 専門家らが「NFTは死んだ」と題したレポートを発表

色んなところで言われていますが、典型的なバブルの軌跡をなぞっています。本来、価値がないものに価値があるとの錯覚が生まれ、期待が先行することでハイプが起こる。極端な価格上昇を目の当たりにし、乗り遅れてはならないとFOMOの感情が掻き立てられ、我先に資金を投じる。

先日、noteのプロデューサーもされている徳力さんが、以下の通り、今更ながらweb3に興味を持ったという記事を投稿されていました。

文化的にも分散的なアプローチって、アメリカよりも日本の方が向いている気がするので、案外NFTとかWEB3を前面に出さないプロジェクトが成功しはじめると、流れが変わるんじゃないかなぁと思ったりしています。

それにしても、自分はあらためて昔のP2P技術の頃から、分散的なアプローチが好きなんだなぁと考えさせられる1日でした。

徳力さんと言えば、web2の最初期、ブログの創成期に大手メディアでもない一般人が自由に発信できる時代が到来したとブログに熱狂されていた方。そんな徳力さんが、一向にweb3に興味を示さないのが不思議でならなかった。

恐らく、分散的やトラストレスといった本質的な価値ではなく、投機的側面ばかりが強調されて伝わってしまったことが原因なのでしょう。

最後に、私が大好きなPajiポエムをご紹介して締めさせて頂きます。

NFTが”不幸”だったのは「デジタルデータに価値が乗るという特殊な性質」から技術的にかなり未熟な時期にも関わらず、かなり早く投機的なバブルが来てしまったこと。技術的にまだ荒削り過ぎるフェーズに早すぎた注目のされ方と、実際に大きなお金が動いてしまって、世界中のみんなの目の色が変わったしまったこと。

バブル期が過ぎて、これまでの「NFTと名がつけばけっこう売れる」から「NFTにすることで買ってくれる人を狭めるのでデメリットのほうが大きい」となると、ビジネス的に考えていくと割の合わない技術だよね、という認識になっているのが今なんだと思います。


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