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【書籍紹介】考具 考えるための道具、持っていますか? 加藤昌治著

昨日、某発信者のスタンドFMライブで、グラフィックデザイナーの方が、本業以外で収入を得たいが、どうしたら良いかと質問されていました。

その際、私から「全くの飛び地に挑戦するのは勝算が低いので、グラフィックデザイナーと〇〇を掛け合わせて新たな価値を生み出す」というアプローチが良いですよというアドバイスをさせて頂きました。

更に、「マンダラートという発想法ツールがあるので、活用されると良いですよ」とも。

そうしたら、他の参加者の方から、「大谷翔平が使ってるビンゴのシートみたいなやつですね」と。確かに、今や「大谷翔平が使ってるやつ」という方が有名で、マンダラートという本名(?)は認知されていない模様。

私はどこでマンダラートを知ったかというと、企画担当者のバイブルと言われている名著「考具」にて。2003年初版と古い本ですが、今読んでもバリバリに通用する内容です。

本書の中で一番刺さったフレーズは、こちら。

アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせである

「新しいアイデアを出す」=「無から何かを生み出す」と考えがち。ところが、著者は、「ゼロから生まれるアイデアなどない」と言い切ります。あくまで、「既存の要素」の「新しい組み合わせ」であると。

ということは、アイデア体質になるには以下に分解できます。

  • 「既存の要素」がどれだけ頭にインプットされているか

  • 「新しい組み合わせ」をどれだけ考え出せるか

本書では、インプットに関しては「ちょいメモ」「フォトリーディング」等の手法が紹介されています。

ですが、インプットに関しては、手法よりも「様々なことに興味を持ち、積極的にインプットを心掛ける」ことが重要なのだと思います。身も蓋もないですが。

特に参考になるのが、発想法の部分。上述のマンダラートの他、オズボーンのチェックリスト(発想法の超古典)、カラーバス等、様々な手法が紹介されており、状況や個人の好みに合わせて使い分けが可能。

言い古された言葉ですが、

  • 量が質を生む

  • 既存のアイディアはたくさん知っていた方が有利

具体的な手順としては、

  • 頭の使い方は、広げて、絞って、また広げる

  • 「わがまま→思いやり」のステップを踏んでデザインする

こうして、アイディアをフィージビリティスタディしたものが企画となる。

また、以下のようなキャッチーな言い方もされています。気になった方は、是非、本書をお読みください。企画、広告、マーケティングに携わる方は、「一人一冊」持っておくべき系の本と思います。

アイディアを生む要素は「すり替え」「言い訳」「ほんの少しの強制力」

下記、noteでわかりやすく要約されているので、併せてご紹介します。マンダラートやオズボーンリストについても詳しく解説がなされています。

発想法の本としては、小山薫堂さんの「考えないヒント。アイデアはこうして生まれる」もお薦め。

アイデアは「人」そのもの、だから、多くの人と会うことが大切。

という量の大切さが説かれると共に「勝手にテコ入れ」という手法が紹介されています。

これは、あらゆる機会において発想法の訓練をするというもの。例えば、レストランのメニューを見てオーダーを考えている時に「レイアウトはもっとこうしたら良い」「メニュー名は、こう工夫したらよい」「値付けはこうした方が良いのでは?」等、頼まれてもいないのに勝手にコンサルティング(テコ入れ)をする。

表現の仕方は異なりますが、「考具」にある「既存の要素をたくさんインプット」し、「新しい組み合わせを考え続ける」という主張。

薫堂さんの本を読んでから、私も常に「勝手にテコ入れ」を実践しています。テコ入れされたい方、いらっしゃいましたら、お気軽にお声がけくださいませ(笑)。


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