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NoteとMediumを9ヶ月間使用してみての感想


はじめに

昨年4月までアメブロ(正式名称アメーバブログ)で約8年間、本部流のブログを書いていました。アメブロは、日本最大のブログサービスです。最初は日本語の記事だけを投稿し、途中から英語、仏語、ポルトガル語、ドイツ語の記事も投稿するようになりました。

アメブロは基本的に多言語で記事を書くことを想定していないと思います。特に見出しの文字制限が厳しく、日本語のタイトルを外国語に翻訳すると、アルファベットの文字数が制限をオーバーしてタイトルを短縮しなければならないことがしばしばありました。

また、アメブロが対象としているユーザー層は、日常生活の出来事、たとえばグルメとか旅行の記事を書くようなライト層を想定していて、本格的な文章を書きたいという層を想定していないように思います。

わたしは論文ほど堅苦しくはないが、ある程度読み応えのある記事を書きたかったので、アメブロのライトなノリには若干違和感がありました。それでも、「空手」のハッシュタグランキングで1位になることが何度かありました。ただ徐々にブログの移転を考えるようになりました。それでいろいろ調べて、日本語記事はnoteへ、外国語記事はMediumへ移行することに決めました。これまで両サービスを約9ヶ月間使用してきて、とりあえず現時点での感想を書いてみたいと思います。

編集機能について

編集機能について、noteとMediumとの間でそう大きな違いはありません。強いて言うなら、noteには「下書き保存」ボタンがあるが、Mediumにはなく自動保存がデフォルトであること。

noteの編集画面

上はnoteの編集画面ですが、画面右上に「下書き保存」のボタンがあります。下はMediumの編集画面ですが、下書き保存ボタンはありません。

Mediumの編集画面

Mediumの自動保存は文字を書くと即座に行われている印象で、執筆途中でブラウザを閉じても保存に失敗するような経験をしたことがありません。技術力でいうと、Mediumのほうが先進的な印象を受けます。

一方、noteはやはり日本語に強く、ふりがなを添えることができます。ふりがな機能はアメブロにもなかったので、なくても構わないのですが、空手史の場合、漢字に沖縄方言と共通語の両方の「読み」を添えたいときがあるので、そういう場合は便利です。たとえば、下のような感じです。

有料記事について

有料記事の仕組みについては、noteとMediumには大きな違いがあります。noteは個別に記事を有料にするか無料にするか設定でき、値段も自分で決めることができます。Mediumも有料か無料かを記事ごとに選択できますが、個別に料金を設定することはできず、料金は基本的に課金ユーザーが実際にその記事を読んでくれたか否かで決まります。

感じとしては、自動で支払われる「チップ」のようなものです。他の課金ユーザーがあなたの記事に興味を抱き、それを読んでくれたとします。つまらなければ、途中で読むのをやめ、面白ければ最後まで読んでくれるでしょう。Mediumはそうした記事を読んでいる「滞在時間」も計算して、料金が決まります。だから、「見出し詐欺」のような記事を書いても意味はなく、実際に読みごたえのある記事を書かなければなりません。

noteにはほかにも「マガジン」といって定額のサブスクリションのような購読サービスがありますが、Mediumにはありません。

この料金システムの違いによって、Mediumは読み応えのある記事を書いてくれるユーザーに報いようとしているように思います。実際、Mediumの記事は全体的に質が高い印象を受けます。

MediumにはX(旧・ツィッター)の「おすすめ」のようなタイムラインがありますが、そこに表示される他のユーザーの記事はプロやセミプロが書くような記事がたくさん表示されています。

noteの場合、実際に有料記事を書く人はまだそんなに多くなく、ブログ感覚で記事を書いている人も多くいる印象です。

海外からの記事購入不可の問題

noteに関しては、海外から有料記事を購入できないという指摘が何件かありました。明確な理由はわかりませんが、ヤフーがEUから使えなくなったのと同じ理由で、情報管理にかかわるコストと、情報漏洩した際の罰金支払いへの懸念から、一律で海外からの記事購入をはじいている可能性があります。わたしの記事は海外在住の日本人や翻訳ではなく日本語原文を参照したい海外の空手研究者も読んでくださっているので、この点は大きな問題です。

結論

個人的にはMediumの、皆が切磋琢磨しあっているような雰囲気が好きです。良質な記事を書く人を互いに応援しよう、また会社としてもサポートしようという姿勢を感じます。

ただMediumは2017年に日本向けサービスから撤退したようで、日本語で記事を書くことには問題ありませんが、メニュー等は英語ですから、日本人の読者が記事を読むには少し敷居が高いかもしれません。

したがって、日本語記事はnoteで、外国語記事はMediumで書くという従来の方針に変わりはありませんが、海外の読者が有料記事を購入できない問題も含めて、noteにはもう少し改善を期待したいと思います。


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