読書感想/『檸檬』梶井基次郎

「檸檬」ひとつでここまで想像を膨らませられますか。


まともな人間には無理だよ。やはりこういう繊細な感覚の持ち主というのは、先天的な飛び出た何かがある気がしてならない。

そもそもこれは想像なのか?
想像だとしてもすごいし、リアルに作者が体感したことだとしてもすごいし。


いや・・・「すごい」とオブラートに包んで言ったけど、
正直言ってしまうと「気持ち悪い」「不気味」まである。正直、異様だ。
けれど、異様なのに、なんだか分からなくもないというのが不思議なもので。

読み手各々にとって「檸檬」にとってかわる「何か」があるのだろう。
けれども私など凡人には、それが何かすら分からない。

そしてこの彼にとっては、なぜそれが「檸檬」だったのか。

と、ここまで書いたけど。
この感想は、なぜだかよく知らないけれど『檸檬』という作品が日本文学史において、偉大な作品であるということを知識として知った上でこの作品に触れているからであり、

それこそ今の時代にたとえばnoteなんかに、この文章が転がってたら「何言ってんだ」と一蹴してしまうかもしれない。


だから再度、正直に言うと、なんかすごいような気はするけど、そのすごさの本質が分からない。

というかむしろ、これを「すごい」とした人達のほうがすごいのではないかとすら思えてくる。


評価されるもの、されないものの違いが本当に分からなくなる。


こちら、YouTubeの窪田等さんの朗読で聴きました。
以前も江戸川乱歩を聴きましたが、本当におすすめです。

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