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多奈川絵巻

こちらのnoteを読んで、こんなに自由研究覚えてるなんてすごいなーーーーと素直に感心しながら(しかもぜんぶ面白いのに、先生ひどいよお)

私が唯一覚えている夏休みの自由研究のことを思い出したので。
ただの小話です。

その研究テーマは「自分の家の前を流れている川の源流はどこか」です。
なんだか、めっちゃ利発そうな感じしますよね。

でもね、これをやりたいと思った理由がですね、

映画ドラえもん「のび太の創世日記」で、
冒頭、出来杉くんが夏休みの自由研究で「多奈川絵巻」を作ったんだ、というエピソードが出てくるんですよ。

それが理由なんです。それだけです。

だらーっと長い巻物をのび太に見せて、

のび太「巻物?忍者の研究でもしたの?」
出来杉「あははっ、ちがう、【多奈川絵巻】さ。多奈川の水源から海までをたどって、いくつかのポイントで水質の変化を調べたんだ」

なーんか、これが妙に格好良く思えてですね。小学生の私は。このね、出来杉くんの嫌味のない「なんてことないさっ」感も合わさって、めっちゃ格好良く感じた。(しかも夏休み中盤で完璧に仕上がってるからね)

これ、本っ当に、導入の一場面に過ぎないんですよ。ドラえもんが好きな人でも、この場面をここまで印象的に覚えている人って少ないんじゃないかなあ。

ここからこの映画はタイトルの「創世日記」という名の通り、「世界を作る」という全く別の方向へと進んでいって、出来杉くんの登場場面はいつもの通りこの導入部分だけで、冒険の仲間には入れてもらえないんです(こら

でもなんか、すっごい魅力的に感じたんですよね。そういうのありませんか?理屈じゃ説明できない、自分でも訳わかんないとこが琴線に引っかかるかんじ。

で、心の底から「これやりたい!」って思って、夏休み中、父親に付き合ってもらって、車で山奥の小川やダムとかいろんなところに連れてってもらったような気がします。

詳しいことは全く覚えてないんですが、「やりたい!」と思って「やった」ということをすごく印象的に覚えている。

最終的にその自由研究は冊子形式で提出したように記憶してるんですが、本当は出来杉くんみたいに、絵巻物式にしたかった・・・。手書きで絵巻物を作ろうとすると、単純に工作とかデザイン的なセンスも必要で、時間も気力もなくて諦めたんですよねえ。

それと川の水源は「湧水みたいなところに違いない!」と思っていたのに、たしか最終的にダム湖までしか辿れなかったんですよね。本当の本当はもっと辿れたのかもしれませんが、いち小学生といちお父さんにはそれが限界でした。

あと先生の評価とかも覚えてないなあ。
でも結局「やりたい」の部分が大きかったので、結果というか出来上がりは正直どうでもよかったのかもしれない(笑)

大人になった今は、出来上がりばかりを気にして、出来そうなことしかやらなくなってるなあ、と思ったり。あの頃のパワーを取り戻したいなあと思ったり。

・・・ちなみに「多奈川」は「多摩川」をもじった架空の川だと思われます。

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