読書感想/『ナイルに死す』アガサ・クリスティ

Audibleで聞きました。

途中から惰性で聞いてたので細かいところは覚えてないんですが(笑)

割と最近、映画の方で『ナイル殺人事件』を観て、おおまかにはストーリーを分かっているつもりだったので、あまり真剣に聞いていなかったという理由もあります。(でもやっぱりちゃんと聞かないとだめだった。今度は活字で読みます。)

けれども、最後の犯人が動機を語るところだけでも聞いた甲斐はあった。

クリスティの人物像の描き方はやっぱり好きですね〜。

終盤、推理を披露するあたりで、
「○○はそんなことを計画できる頭脳を持っていませんよ」
「○○にはそんなことはできません、平凡な奴です」
とか息を吐くように他人をディスる感じもめっちゃ好きです(笑)

なんだろうなぁ。

思い込みや外見で判断したらいけませんよというのが今の通説ですけど、
やっぱりそういう直感的なものが結局正しかったりするときもおおいにあると思うんですよねぇ。もちろん例外もあります。

当時のイギリスは身分もはっきり分かれてるから余計にそうだというのは分かるんですが、これぐらいはっきり言っちゃうような、そんな違いってやっぱり今の時代にもあると思う。良くも悪くも。


それとポアロシリーズに触れるとき、ふと我に返って思うのですが、
ポアロって名探偵気取ってるくせに、めちゃくちゃ人死なせてからしか解明できないんですよねぇ。しかもそれをとても悔しがっているような風がない。登場人物(容疑者や被害者)たちはめちゃくちゃ人間くさいのに、ポアロはひとり人間離れしてるというか浮世離れしてるというか。

コナンの読みすぎかな。コナン君は自分の推理が至らなくて人死なせちゃうとめっちゃ悔やむのでね。でも事件が起きる要因が自分自身が存在していることだとはさすがに気付けない可哀想な死神くん・・・

ポアロは、起きることはしょうがないと諦めて達観してるような部分はあるのかもしれない。人間って何するかわかんないよねという感覚を持ってる。でもそれら全てをひとつひとつ、人間の感情すらも理論付けて整理していこうとするのが、ポアロシリーズの面白いところです。

シリーズ全部読みたいのですが読破への道はまだまだ長そうです。
何作あるのかと調べたら、長編だけで33作あるんですって。
えええ。書きすぎだよお、クリスティさん。

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