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〜True Colors DANCEが教えてくれたこと〜新しい学校のリーダーズとの一夜限りのライブステージに込めた想い

中高生を中心とした様々な違いを持つダンサーたちが、新しい学校のリーダーズとともに、一夜限りのステージを作り上げていくプロジェクト「True Colors DANCE 2024」。

満員のNHKホールで、満開に咲いて儚く散った一度限りのステージ。
True Colors DANCERSとしてチームで大切な育む時間になった練習の日々と、本番のステージに込めた思いを綴る。

True Colors DANCERSとしての日々

自分たちTrue Colors DANCERSは、
聴覚障害や知的障害の中高生、車いすで生活する大学生と、
東京の二松学舎大学附属高校、埼玉の武南高校、神奈川の市ヶ尾高校、千葉敬愛高校のダンス部に所属する学生から構成された。

そこに世界的ストリートダンサーのMiyuさんと、軟骨無形成症のプロダンサーDAIKIさんを中心としてダンスで福祉をデザインすることを掲げるダンスグループSOCIAL WORKEEERSがメンターとして加わり、新しい学校のリーダーズとステージで披露するチームが構成された。

True Colors DANCERSの立ち上げの時に僕はいなかったが、年末に様々なつながりで連絡をいただき、このプロジェクトに途中から参加させてもらうことになった。

初めての練習、初めてのチーム

初めて練習に参加した時、普段は一人でダンスをしている自分にとってチームに入るってこんなに気持ちいいものなんだなって感じた。

(04:15~:自分が初めて練習に参加した時の模様〜)

ハルカ君はいつも目が合えばどんなタイミングでも握った拳を向けて頑張ろうぜと聞こえてくるかのように合図を送ってくれる。

ダンス部ガールズたちはしゃぐ姿と透き通った笑顔はダンスと今を思いっきり楽しむものでしょ!と教えてくれる。

カウントが合わないと嘆く自分の横で、音が聴こえないデフダンサーのみんなはカウントとのタイミングをピッタリと合わせてる。彼らの勢いのあるダンスに音楽が楽しんで乗っているように見える。

一人一人がいつも生き生きしていた。
そしてみんなとお互いの輝きを照らし合っていた。

True Colors DANCERS。
チーム名がColorではなくてColorsのところも複数形なのは、
一人一人には個性というそれぞれの色がある、
ということなのかもしれない。

みんなが気づかせてくれた。
個の輝きがあるから、チームは最大限に輝く。だからまずは自分を魅せること。そして輝きを照らしあってみんなとまぶしく魅せるんだ。

DAIKIさんの言葉

いつも学びと発見があった練習。
自分にとってDAIKIさんと出会えたことは大きな財産になった。
難病の軟骨無形成症で低身長というハンディキャップとともにあるDAIKIさん。障害を抱えるとだいたいの人が周囲からの視線が気になるという経験を通ることになるが、DAIKIさんはダンスで自分を魅せることで見られることを楽しんでいる。

DAIKIさんが笑顔で話すこの言葉が好きだ。

言葉に息詰まったら踊ればいいし、
踊りに行き詰まったら言葉にしたらいい。

僕はこれまで良いことも悪いことも様々な経験をしてきて、
その度に色んなみんなに支えられてきて、
おかげで色んな感情を深いところまで知ることができた。
そうした中で自分の中で熱く込み上がるものがあって、
それをどうにか形にしたいと思っていたとき、
出会えたのがダンスだった。

だから、DAIKIさんの言葉がすごく好きだった。
日々、色んなことを感じながら、考えながら、生きている。
今の自分にとってその溢れる思いを形にする方法は、言葉とダンスだ。
でも、言葉もダンスも好きだからこそ、こだわりたいからこそ、
うまくいかないことがある。思いを伝えるって難しい。

内に秘めるものは熱いけど不器用な自分には、
DAIKIさんのメッセージの
言葉が出ないんだったら踊れば良いじゃん、
踊りに悩んだなら言葉にすれば良いじゃん。
って励まされるような感じが、好きだし、楽になる。
僕はこれからもこのメッセージを大切に歩んでいく。

ストンプの日々

学生たちの全力全開な姿True Colors DANCEらしさが溢れるのがストンプというダンスパートだ。

ここでは一旦音楽が止まり、静寂が生まれる。
静寂のあと、それぞれが手を叩いたり、体を叩いたり、足で踏み鳴らしたり、掛け声を出したりして、熱狂を作り出す。
誰もが音を奏でることができることと、
みんなと音を重ねることの楽しさを教えてくれる。
僕らの一体感、疾走感、熱狂を表現するのに最高な場面だった。

(07:08~ストンプの練習)

印象的だったシーンがある。

ストンプの練習のときアイリちゃんがどうしてもリズムについていけずにいた。
みんながうまくいき始めているところ、アイリちゃんは何回やってもリズムに遅れをとってしまっていた。
「できない、、、」とアイリちゃんは悲しさをこぼした。
そんなとき、周りの子が「一緒にできるまでやろうよ」と声をかけた。
それでもうまくいかない。
でも、失敗を重ねるにつれてアイリちゃんの周りに集まるその人数の輪はどんどん大きくなった。
7回か8回目になった頃だろうか。
ついに、うまくいった!!
みんなでイエーイと超全力で喜んでハイタッチ。
できたー!と喜ぶアイリちゃんの表情が今でも忘れられない。

最高に素敵な瞬間だった。

クランプに込めた思い

そして僕は今回のダンスで大事なシーンをセンターで担うことになっていた。
ストンプで最高潮の爆発を見せた直後、クライマックスに向けていく終盤にセンターに登場して、クランプという力強いダンスを披露する。

この部分はDAIKIさんが僕と踊りたいと作り上げてくださったパートだと言う。
クランプダンスは腕や手を激しくぶつける動きが特徴で、熱さがほとばしるエネルギッシュなところが魅力だ。

DAIKIさんに言われたことは、
社会に対する”怒り”であったり、社会を変えたいと思う”本気”を見せてほしい、
いつもの笑顔のもっちーとは違うもっちーの姿を出してほしい、ということだった。

DAIKIさんから受け取ったメッセージには、
中途半端ではいけない、溢れるものを込めること、
カッコつけるのではなくて本気をぶつけてこいと、受け取った。

中途半端では出せない。感情をむき出しにする。
笑顔は作ることができても、集中した表情は研ぎ澄まされてでてくるもの。
これまで出会ったことのない新しい表情を出すことは、
内側にある自分を見せにいくってことだった。

ぶつけて、ぶつけて、振り絞ってぶつける。
自分の奥底にある本当の姿を見つける旅。
何度も繰り返す中で探していった。
だんだんと余計なものが削ぎ落とされた凛々しさへと進んでいったと思う。

歓喜と涙、リーダーズのサプライズ登場

本番4日前の練習のこと。本番が近づき、みんなの表情にも緊張感が溢れていたこの日。
学生たちには伝えられていなかったが、リーダーズさんが練習に登場してくださるサプライズ!

(02:33~:新しい学校のリーダーズがサプライズ登場!)
目の前にするリーダーズさんに絶叫と、
涙まで流してしまうTrue Colors DANCERSのメンバー。
直後、僕たちが踊る本能のダンスを披露すると、今度はまさかのリーダーズさんが号泣!笑
ついにチームが完成した瞬間だ。みんなで、行くぞ〜!!!!!!

いよいよ前日へ

前日、昼過ぎから最終練習を行った。
前日の集中力と高揚感って、どこか吹っ切れたものもあって楽しいものだ。
NHKホールのステージを利用してのリハーサル。

(06:31~:前日のNHKホール)
(08:17~:新しい学校のリーダーズからのプレゼント)
ステージから見るホールを噛み締めて。ステージで聴く音響は体に響くように届いてくるなぁ。

ステージのリハの後、新しい学校のリーダーズさんからのプレゼント!
青春日本代表の靴下がみんなに配られた。昨年の紅白出場歌手とNHKホールのライブステージで一緒に披露するなんて、冷静に考えたら夢みたいだ。
さぁ、いよいよ明日だ。38人全員で。魅せにいこう。

そんな、長い前日練習を終えて夕食を終えてホテルの部屋に戻ったのは22時を過ぎた頃だった。
部屋の鏡に映る自分を見て、最後の最後に決めようと思っていたクランプ前の振りを考えた。

自分はこれまで様々な出会いに支えられて予想をはるか超えていく景色を見ることができた。今回のTrue Colorsでも、本当に幸せな時間を過ごすことができた。様々な方面で出会えた人がいて、みんなから力をもらい、それが自分の自信につながっている。
みんなが自分に力をくれたんだ。

そんなことを思いながら、左胸に手を当てる鏡に映る自分の姿を見て一番しっくりきた。

気づくことができた。
自分の色を出すことが大事なこと。
そして、みんなが持っているそれぞれの色。
僕は明日、それを全力で表現しにいくんだ。

本番、たった一度限りのステージへ

ついに迎えた本番の日。

Miyuさんからは全員に名前入りクッキーのプレゼント!かわいくてうれしい!!

新しい学校のリーダーズさんとの5ショット!

本番前ラストのリハーサルを終え、
ステージに上がる全員で円陣を組んだ後、

新しい学校のリーダーズのみなさんに話しかけてみた。
もしよかったら、車椅子乗ってみませんか??

えー!乗りたい!良いんですか??
と純粋に興味を持ってもらえたことがすごく嬉しかった。
写真を撮ることになり、念願のリーダーズさんと記念写真。

写真を撮っているときは自分はカメラを見ていたので気づかなかったけれど、後日送られてきた写真を見て驚いた。

なんて楽しい5人組!!
車椅子がこんな躍動感あって見えるなんて、
ああー!!リーダーズさん天才すぎる!!!大好きすぎる!!!
もうずーーっと、大切な記念の写真だ。

開演

18時30分。いよいよライブが始まった。
自分達の出番は開演の1時間後。
そんななかで、緊張のあまり泣き出してしまう子もいた。

(10:13~:アイリちゃんのもとに、、)

でもTrue Colorsのみんなで寄り添えば十分だった。
最初の頃はお互いに接し方なんてわからなかった。
それでも、ダンスの練習で同じ時間を大切に共有してきたからみんなで一つの大きなファミリーになれていた。
誰かが凹んでたら、大丈夫かなと心配するとか超えて、一緒に元気になろうよとちょこっと凸れる関係だ。

さぁ、みんなと、自分を
魅せるときだ。

本番のステージ

ついに本番のステージ。
満員のNHKホール。
ライトが照らされた。
いよいよスタートだ。

まずは間違えないようにと丁寧に慎重に。
リーダーズさんの生歌をこんな近くで聴けるなんて最高すぎるな。
あっという間のようだけど、いつもより少しゆっくり時間が流れるように感じる。

フォーメーションが変わり、ストンプへと向かう。
音楽が消えて、三千人が息を飲む静寂に。

https://youtu.be/vxSaecC9BMw?si=iAxf3b8KdEk3Y-f3&t=127
(02:07~:ストンプパートスタート)
SUZUKAさんが一声。
「本能のままに、細胞を鳴らせ。みんなでひとつに。」
リーダーズさんの手拍子のあと、DANCERSのみんなで加わっていく。
満員のNHKホールに響くストンプの音。

最初は客席に向かって。
続けて、ステージのDANCERSで応え合うように鳴らして。

練習の頃から毎回隣のヒムカちゃんと目があってたけど、本番がお互い一番気持ちこもって楽しんでいたと思う。
その次の3回目のストンプは最初に客席の方を見て。観客席のお客さんが手拍子で乗り始めた瞬間を見て楽しかった。

床を鳴らしてDANCERSみんなが中央に集まる。
テンポをあげて、手で足で体で音を鳴らして、声を上げて。
うまく、強く、決まった。

踊る、本能!!!!!!!!!!!

SUZUKAさんの叫び声とともに
ストンプが終わる。

さぁ、ここからはクライマックスへ向けた時間の始まりだ。自分の一番大事な時間だ。

音楽が再開し、ポジションに移動するとき、
DAIKIさんと目があって指を差し合って、
「ありがとうございます。魅せます。」とDAIKIさんに心で語りかける。

カウントを頭の片隅で叩き、
今、この瞬間に、力を溜める。

Miyuさんと前のDANCERSが捌ける。
自分の前に道ができる。

隣のDAIKIさんと前へ走る。
そう進み始めるとき、

それまでの練習ではなかったけれど、
本番の時だけリーダーズのSUZUKAさんが叫んでくれた。

行け!
行け!
行けぇーーーーーーーー!!!!!


周りと後ろのみんなも応援団のように後押ししてくれた。

本能!本能!!!

SAUZUKAさんが振り絞って叫ぶ。

僕は、左上右上と指差し、あらゆる方向へと力を向けて。
そして、放った力を全てをひっくるめて、
左胸にあてた手にまとめて。

もう体と心で全力で叫んでいた。
これが、自分がたどり着いた自分なんだ。これなんだ。
力いっぱいの感情をぶつけて、回った。
https://youtu.be/vxSaecC9BMw?si=MRznuht5os_WFzk6&t=218
(03:38~:クランプダンスパート)

放送を見てじわぁっと心が満たされた。
そこに映る自分はサッカーをしている時の自分だった。
サッカーに対して夢中で、本気だった頃の表情そのものだった。
まるでドリブルをするかのように力強く前へと進んで、
まっすぐな目で熱さを激らせてプレーする。
そんな姿に周りのみんなが応援してくれる。
まるでゴールを決めた後のガッツポーズ。
あの時の自分、一瞬だけに作った自分じゃなくて、これまでの全ての自分が憑依してできた姿だった。

本当に幸せだ。ダンスができるなんて。
サッカー少年の頃の熱狂を味わえるなんて。

血が踊る。肉が踊る。
狂喜乱舞。踊る本能。
踊りたい!伝えたい!届けたい!
踊るって最高!!みんなとって楽しい!

ああ、ダンスが楽しすぎるんだ!!!!!!

それぞれの花が最高に輝いて咲き誇って、お互いをも照らして、色とりどりの花束が出来上がった。
色んな気持ちが届いてくるこの写真が大好きです。

たった一度きりのステージ。
全ての思いを表現できる場が一度きりだったから、
最高のステージだったから、ここまで熱くなれたのかな。

始まる前からわかっていたことなのに、切なくて儚い。
でもきっと、
儚いからこそ一生記憶として残ってくれるんだろうな。
疾走感。爽快感。達成感。
どれも細胞全部に染み付いてる感覚なんだ。

 (12:24~:演技終了後、ハルカの涙)

SUZUKAさんがステージ直後のインタビューで語った
「踊る本能という曲が、今一番喜んでいると思う。」
という一言に胸が熱くなった。

幸せでした。
ありがとう。

DAIKIさんの最後の言葉

全てを終えて、NHKホールを離れた後の打ち上げのホテル。
今日までたくさんのことを教えてくださったDAIKIさんに最後に聞いてみた。

結局、”クランプ”ってなんですか??

DAIKIさんの返事は一瞬だった。

クランプとは ”自分" です。

DAIKIさん、

今の僕はサッカー選手ーとか何でもこなせる〜とか、
小さい頃に思ってたなりたい自分にはなっていない。

でも、本気で、愛情込めて、自分の人生を楽しんでる。

本当は感情を出すのが下手くそなタイプだけど、
ダンスで出したり、こうやって書いてみたり、
自分が大切にしたい感情を大切にできている。

なりたい自分になることはできていなくても、
ありたい自分に出会うことはできた気がするんです。

今回のステージの自分。
完璧じゃないかもしれない。
でも完全に燃焼できたものでした。

感謝

この3ヶ月間。
たくさんの気づきと明るさをくれたのはTrue Colors DANCERSのみんなだった。
みんなと会えて、みんなと練習の日々を過ごしたから、
本番が心に残るものになったんだと感じてます。

そして、みんなが憧れの新しい学校のリーダーズさんとだったから、
こんなにも気持ちよかったんだと思います。

今の時代、学校でもどこでも人と違うことをするのは好まれないことが多くて、学生の僕らはちょっとした気持ちすらも言いづらいことってある。
けれども、いつも笑わせようとしてくれたり、すぐに素直に涙を流せたり、そんなリーダーズさんが普段から見せる感情に対しての自由さが、
はみ出すって楽しいから、個性隠しちゃもったいないから、って教えてくれました。
リーダーズさんみたいにもっともっと青春爽快って思う挑戦をしないとな!
ダンスが好きな僕たちにとって踊る本能001は最高な楽曲でした。


そして、今回こうしてダンスに集中することができたのは、本当に多くの様々な皆様からの支えがあったからでした。

たくさんの全ての方々に、大きな感謝を込めて。


本当にありがとうございました。




ODORIBAさん、
日本財団さん、
NHKさん!!

そして、新しい学校のリーダーズさん!!!!!
最後にやっぱり一つ言わせてください。

こんなにも素敵なもの、
どうしても1回で終わりしたくないです!!

今満開に咲いて儚く散った僕たちは、
またそれぞれの土地でダンスして、
まだまだ小さい芽のような存在だけど
いつも空を見上げて成長するんだと誓って、

また「みんなで色とりどりに咲き誇る」
その時のために、いつでも待っていますよ!
花束になれる準備はいつでもできていますから!

またみんなとダンスで魅せる日が来るって、信じてます。


さぁ、そろそろ言葉が尽きてきたから踊ろうかーーーーー!!!!!笑


True Colors DANCERS Motchy


より詳細な気持ちを綴った【全編】はこちら

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