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わたしのTOGENKYO感想戦 クリエイターインタビュー 第1弾


昨日、最終回を迎えた『#わたしのTOGENKYO』。
この記事では企画の感想戦として、全3回に渡る全ての『#わたしのTOGENKYO』企画に参加していただいた3名に、企画のことから創作に関しての考え方まで、インタビューをしました。
企画に提供していただいた作品のエピソードもたっぷりお聞きしたので、ぜひ一読していただければと思います。

第一夜である今回は、あお(@ao_loop_)さんのインタビューを掲載いたします!
過去の作品のお話も伺ったので、これを気に前回以前の作品も遡ってお楽しみいただけたらと思います。





———映画に主題歌を書き下ろすのとは真逆で、主題歌にストーリーをつけるように書いていました。


DĀ「まず『#わたしのTOGEKYO』に参加してみた率直な感想を聞かせてください。」


あお「全3回に及ぶ「わたしのTOGENKYO」企画に参加させてもらい、創作の可能性が広がりました。
まず純粋に、好きな曲のファンアート書くのめっっちゃ楽しかった。そもそもファンアートを書いたことがなかったので。
こういう企画ってイラストリレーが主流で、文字書きのわたしとしては歯痒かったのですが、絵に限らず小説やピアノなど様々な創作のかたちがあってもいいのだと提示できる良いきっかけだったと思います。文章も絵もできないけど、じゃあ歌やダンスなら!といった感じに、この企画を見てくださった方たちが気軽に創作活動に踏み切って、創作ってこんなに自由で楽しいんだ!って思ってくれたらいいな。それこそ#ASOVISION みたいに。」


DĀ「なるほど。『文字書きのわたしとして』ってところに対して質問があって、あおちゃんが作ってくれた3作は全部小説だったけど、文字書きって一言で表しても書けるものはたくさんある中で「小説」を選んだのはどんな理由から?」


あお「詩や短歌やエッセイという選択肢もあったけど、わたしがいちばん得意な小説で勝負しよう!と思って。『逃避行』を主題歌にした物語があるとするならどんなストーリーがいいだろう?というように、映画に主題歌を書き下ろすのとは真逆で、主題歌にストーリーをつけるように書いていました。」




———「QRコードを読み取る手間をかけてまでも読みたい」と思わせる

DĀ「公表はしてなかったけど、第3回のみ参加者の希望を聞かずに主催者が曲を提案するかたちだったこと、常連の方には「今まで自分がやったことのない表現方法に挑戦する」という隠れミッションがあったことについて、普段の(企画ではない)創作と違う点がありましたか?」


あお「『この人が作るこの曲のファンアート、見たいよね?』とでも言うように、それぞれぴったりな曲があてがわれていてワクワクしました。『逃避行』を偏愛しているわたしに『逃避行』を用意してくれたからには、絶対に最高のものを作って応えたい!と以前にも増してものすご~く燃えました。任されたからにはやったる!って思った。」
「今までやったことのないことをする」という隠れミッションを受け、わたしに求められているのは文章だから、じゃあ文章を伝えるための方法をなにか工夫しよう、と考えて完成したのが写真だけを1枚載せる方法です。写真のQRコードを各自で読み取ってもらい、小説のサイトに「逃避行」してもらう、という仕組みでした。チケットをWordでちまちま作るのが楽しかった。
前回まではパッと読んでもらいやすい&保存してゆっくり読み返してもらえるように画像で載せていたので、QRを読むという手間を踏むことで閲覧数が減るのでは?と危惧していたのですが、意外にちゃんと読んでもらえることがわかったのは収穫でした。」


DĀ「うんうん。個人的に話しててだけど、同じ文字書きとしてあおちゃんは特に「読んでもらいやすさ」に気を遣ってる人だと思うんだけど、今回の「閲覧数が減るかも」を解消する工夫はどこに隠されてたの?」


あお「『読んでもらいやすさ』には気をつかっています。いつもなら話の内容などをわかりやすくしていたところですが、今回はこのワンクッションかかる小説を読んでもらうために、地道に信頼を得るしかないと思いました。
ライブの感想、オリジナルの小説、最近だと横浜アリーナ公演に関する文章を寄稿するなどしていたのは、「この人の文章だったらQRコードを読み取る手間をかけてまでも読みたい!」と思ってもらうためでもありました。
すべて今回の作品を読んでもらうための伏線、というわけではないけど、ここに瞬間最高視聴率が来るように狙ってはいました。作品そのものではなくそれに至るまでの道のりに仕掛けてた。」




———創作をする人同士の出会いの場として

DĀ「主宰の意図として、企画に参加してくれた方に「創作をする人同士の出会い」の場を提供できれば、という点も含まれたんだけど、この企画を通じて自身に「新しい出会い」はありましたか?」


あお「こんなに素敵な絵を描く/創作をしている人がいたんだ!という発見はいくつもありました。この企画がきっかけで作品を知って繋がった人たちもいるし、逆にわたしの作品を見てくれて繋がった人たちもたくさんいて、創作をする人同士の出会いの場として最適だったと思います。」




———原作へのリスペクト、わたしの主張のバランス。

DĀ「『わたしのTOGENKYO』の根幹であるFA(ファンアート)のあり方について、「こうあって欲しい」「自分はこうありたい」など思うところがあれば聞かせてください。」

あお「わたしはファンアートをするにあたり、「本家に最大限のリスペクトを払うこと」「そのうえで、自分にしか生み出せない付加価値を足すこと」に細心の注意を払っています。
じつはTOGENKYO企画2回目で書いた『レプリカパプリカ』、公開されているもののほかにあとふたつ、全く別の案がありました。
本来アップするはずだったのは、互いの存在にコンプレックスを感じている双子の女の子の話。「あまりにも某双子の姿と重なってしまわないか」「原作に寄り添いすぎてわたしの主張に乏しいのでは」ということでお蔵入りにし、1からまるごと書き直したのが今の完成稿です。もうひとつ書きかけてもいましたが、それは逆に「わたしの主張が強すぎて原作を損なうのでは」ということで没にしました。
原作へのリスペクト、わたしの主張のバランス。ファンアートを書くうえでそこが譲れないポイントだったので、納得がいくまでに3パターンの『レプリカパプリカ』を書くことになりました。ド難産だった。
本家のファンががっかりするようなダサいもの、冒涜だと思われてしまいかねないものや、本人たちが見たときに不快な思いをするもの、オリジナリティが強すぎてかけ離れたものなどは絶対に作らないでいよう、と心に留めていました。
もちろんみんなもこうしてくれと言うわけではないけれど、わたしとしては、リスペクトとオリジナリティの丁度いい塩梅を探りながらファンアートを楽しむべく心がけています。」


TEXT ウチダサイカ(DĀ)




明日も#わたしのTOGENKYO 常連の方に伺ったお話を掲載いたします!
お楽しみに〜


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