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ここにいてはいけない

映画『エブリシング エブリウェア オール アット ワンス』を親が契約しているネトフリで観ました。
(※以下、映画のネタバレを含むので注意)





生活、難し過ぎるのわかる。
広告とかでよく見たデカい石のシーンが思ってたよりかなり良かったです。
デカい石が落ちてくだけの画で滅茶苦茶悲しい気持ちにさせるの凄い。
悲しい気持ちにさすな。


マルチバース最強ラスボスとの最初のエンカウントバトルで警察に「ここにいたらダメですよ(立ち入り禁止ですよ)」的な事言われたラスボスが「ここにいたらダメなの?ここにいたらダメって本当に意味わかって言ってんの?」とやたら食い下がってくるシーンのセリフがやたら響いてしまいました。
響いてしまった割には原語で何て言ってんのか
、本来のニュアンスとかわかってないから意味違うかもしんないんですけど。
意味わかってないしそもそも英語を聴き取れません。


映画観る直前にワイドショーでエリザベス女王は最高とひたすら言い続ける謎の特集(最高なのは良いとして何故日本でやるのか謎)をやってるのを観ていて、
実際に女王にお会いした方々が
「女王のお言葉で自分が世界でただ1人しかいない大切な存在になった気持ちになれた」
と語っていて、その事前学習があったからより映画が理解できました。
人類の大多数がエリザベス女王に直でお会いした事など無いので「自分がただ1人しかいない大切な存在になれた」と思えないし、女王亡き今となってはそう思える人が増える事も未来永劫無いのだな…と悲しい気分になりました。

自分が世界でただ1人しかいない大切な存在だと思えない人達、つまり全人類(エリザベス女王にお言葉を頂いた数人を除く)への映画だと思うとそれはそれは売れるし刺さりまくることでしょう。

私も常に「ここにいてはいけない」という気持ちがあり、どこにもいてはいけない気がします。
家賃や何らかの利用料、家事や勤務で労働力を提供するなど何らかの身銭を切りまくれば「ここにいても良い」とされてる場所はあるけれど、いてはいけない事が前提だし、そんなに金も無いし、電車で大声でどうでもいい昨日の過ごし方の話をしている学生さん、ふんぞり返って両足を限界まで広げて座る会社員、マイホームみたいに子供を床に転がせて遊ばせてる人やカフェに水だけで長居したりする人など、自分以外の周りの人々がみんな"いる"事に自信あり過ぎに見えてしまう時があります。
別にそれぞれ知らない人達だから本当は自信無いかもしれないし、何かしら事情がお有りだろうし、事情お無しだったとしても自信あり過ぎて何もいけない事は無いんですけどね。
自分だけがここにいてはいけない、肩身を狭くして人の邪魔にならない目立たない場所に常に動き続けなければならない。

で、映画『エブリシング(以下略)』のラスボスの「ここにいちゃいけないの?」と言いながら宇宙レベルであちこちを転々と移動し続けている姿も、滅茶苦茶強い筈なのにそういうかんじを読み取ってそういうのあるよねと勝手に共感してしまいました。

実際は理解のある彼女くんと理解のある母親くんと理解のある父親くんと理解のある祖父くんと理解のある税務監査官くんと夥しい理解に囲まれているし若くて可愛くて頭が良いので共感できる余地は無いんですけど。
親の契約するネトフリにぶら下がってるアラサーがティーンの繊細な心情に共感を示すな。
死ね。

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