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データの民主化:データドリブン経営を圧倒的に加速させるために必要なこと

DXの成功とデータ活用の重要性

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業の業務プロセスを一新し、経営判断の根拠に使われる指標にも大きな変化をもたらしています。特に大きい変化は、データ収集・活用です。
DX戦略のゴールは、単なるツールの導入だけではなくデータを活用して経営戦略を策定し、業務プロセスを最適化することです。
現代で注目されている「データドリブン経営」は、客観的なデータを基にした意思決定に基づく経営手法で、これまでの直感や経験に依存した意思決定よりも、リスクが小さく、高い効率を誇ります。DXにより、これまで収集できなかったあらゆる領域のデータを収集できるようになったことは、データドリブン経営を加速させるための重要なピースの一つです。
今回は、DXとデータドリブン経営を圧倒的に成功させる組織作りについてお話ししていきます。

データの民主化:必要な人が必要なデータへ必要なタイミングでアクセスできる組織へ

データの民主化とは、必要な人が必要なデータへ必要なタイミングでアクセスできる状態のことを指します。
それでは、なぜこの「データの民主化」がデータドリブン経営にとって重要なのでしょうか。
それは、各現場ごとの具体的なニーズ・課題に対して各現場ごとに迅速に判断できることで、経営・営業のスピードが圧倒的に向上するからです。
適切なデータアクセス環境を整備することで、各現場の社員や各部署のマネージャーらが、業務に必要なインサイトを自ら見つけ出して社内に共有し、解決策や改善案を迅速に実行できるようになります。
次に、具体的にデータの民主化によって成功を収めた事例を見ていきましょう。

ワークマンから学ぶデータ分析・民主化の重要性

ワークマンのサクセスストーリーは、データの民主化が企業の成長に極めて重要であることを示す顕著な例です。2012年以前、ワークマンは700店舗以上を展開しながらも、在庫管理は行われておらず、財務データも年に一度の棚卸しでしか更新されていませんでした。売れ筋商品の判断は、スーパーバイザーが店舗を巡り、棚の商品を目視で確認するという、非効率的な方法に依存していました。作業服市場のシェアを取り尽くしたと見られ、成長の余地は乏しいと考えられていました。
こうした状況を打破するため、ワークマンは「全社員がExeclを使いこなして数字とデータで経営する」という戦略を採用しました。この方針のもと、社内議論、アイデアの提案、人事評価、さらには経営意思決定に至るまで、全てのプロセスがデータに基づくものとなりました。その結果、10期連続で最高益を更新するという驚異的な成長を果たしました。
そして、2022年にはさらなる進化を遂げ、Excel経営からPythonを用いたデータ分析と、Amazon QuickSightというBIツールの導入に踏み出しました。これまでExcelが担っていた役割には限界があり、より大規模なデータ集計や複雑な分析を迅速に行うためには、新たなツールが必要でした。
PythonとBIツールの組み合わせにより、現場の社員が日々直面する課題に対して、より適切で迅速なインサイトを導き出すことが可能になります。ワークマンのこれまでの戦略と大きな転換は、データを活用する重要性について大きな学びを与えてくれます。

「データの民主化」のために必要不可欠なデータガバナンスとは

データの民主化を実現するためには、事前準備としてデータガバナンスが必要です。
データガバナンスとは、データの品質、セキュリティ、プライバシー、利用規則を管理するフレームワークを指します。特にその中でも、データ管理・利用の目的の明確化、分散した社内データの整備・把握、どのデータに対してどのような方法で誰がアクセスできるかの役割分担・規程などの項目は、データの民主化に向けた3つの柱となります。
具体的に行うべき要件は以下の通りです。

  • データ管理・利用の目的の明確化
    データを管理し利用する目的を明確にすることは、データガバナンスの基礎です。これは、データが収集される理由、どのように分析され利用されるか、そしてそのデータからどのような価値を引き出すかを定義するプロセスを含みます。目的が明確でなければ、データは適切に活用されず、データの品質やセキュリティに関する問題が発生する可能性があります。

  • 分散した社内データの整備・把握
    多くの組織では、データは異なる部門やシステムに分散して保存されています。分散したデータを効果的に整備し把握するためには、組織全体で一貫したデータモデルと命名規則を採用し、データの品質を維持するためのプロセスを確立する必要があります。これには、データの分類、メタデータの管理、データクレンジングのプロセスが含まれます。

  • アクセス権の役割分担・規程
    データへのアクセス権を適切に管理することは、セキュリティとプライバシーを保護する上で不可欠です。役割に基づいたアクセス制御(RBAC)は、ユーザーがその役割に応じて必要なデータにのみアクセスできるようにする一般的な方法です。アクセス権の役割分担と規程を設けることで、データの不正使用を防ぎ、データ漏洩のリスクを低減します。

これらの要素は、相互に関連しあい、データの民主化を安全かつ効率的に進めるための土台となります。さらに、全社員のデータ分析リテラシーの向上、コンプライアンス要件の遵守、データ品質の継続的な監視など、データガバナンスの構築における重要な取り組みは他にも多く残っており、これらを統括して推進していく必要があります。

データガバナンスを推進するための「Morph」

データの民主化を推進するためのツールとして開発したのがノーコードデータマネジメントSaaS「Morph」です。
Morphは大量データの処理性能とデータソースの統合・連携の容易さという従来のBIツールの特徴を備えつつ、新しく自然言語インターフェースを用いたAIによるデータ操作機能を備えることで、だれでも簡単にデータ操作を行うことを実現しました。
そして、セキュアな権限設定により、社員や部署単位でデータのアクセス制御をコントロールし、安全なデータアクセス環境を提供しています。

<図表1.自然言語による集計例>
<図表2.自然言語による可視化例>

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参考:現場の自由な発想を引き出すDXとは ワークマンを躍進させた「草の根データ分析」(https://backoffice.asahi.com/category/case-study/220328_workman/)


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