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『永久保存盤』 静岡ロックンロール組合 CD解説書

巻頭言  思い出して欲しい、35年前を。この国では、戦後の驚異的高度成長に陰りが見え始めた頃だ。俺たちは東海の地方都市、シズオカで十代の最後を過ごしていた。そこまでの十数年間に亘って世界をリードした欧米のビート音楽は、「ロック」と呼ばれて新しい価値観の象徴となり、まだ大きな可能性を残していた。全方位、特に第三世界に扉が開かれ、無限の進化を続けて行くように見えた。  にもかかわらず、俺たちが実際に見聞き出来るものといえば、既存メディアの上で続けられる、芸能界のナンセンス劇だけ

    『永久保存盤』 静岡ロックンロール組合 CD解説書