見出し画像

ロッド•スチュワート ブロンド•ロックンローラー

先日ある人と「初めて自分で買った洋楽レコードは何?」という話をしていて、私は言い辛かったんですけど、ビレッジピープルの「YMCA」だと答えると、その人は「ダサ〜イ、私はエイジアのデビューアルバムよ!」と答えまして、その人の2000倍位私の方が洋楽に詳しいはずなのに、あっさり「最初に買った洋楽レコード対決」で負けてしまいました笑 その人は平井堅や松田聖子が好きで、邦楽90%洋楽10%くらいなんですけど、エイジアが初洋楽レコードってだけでなんかカッコいいし、洋楽98%の私は、最初がビレッジピープルってだけで、キャリアが台無しみたいになってしまいました笑

私の好きなロッドスチュワートの最初は「アイムセクシー」です。考えてみればロッドの歴史はもの凄く長いですね。私が生まれた頃から始まっていて、ジェフベックG時代、フェイセス時代、マーキュリー時代、渡米時代、産業ロック時代、スタンダードを歌うアホな時代。そして今も現役だということが凄いです。もちろんローリングストーンズの新作が出たのも凄いことなんですけど、ロッドだって現役なんですよね!

その中でも、1975年の「アトランティッククロッシング」76年の「ナイトオンザタウン」77年の「明日へのキックオフ、この3枚が素晴らしくて、これを三部作と呼ぶ方もいるらしいです。個人的には78年の「スーパースターはブロンドがお好き」まで入れて、傑作四部作として欲しいです。

ロッドスチュワート
「スーパースターはブロンドがお好き」

高校生の時、ラジオで「アイムセクシー」を聞いて初めてロッドを知りました。これがバカ売れしてたのですが、ロック界では、これがディスコ調なので批判される訳なのですけど、ロックアーティストが70年代後半のディスコブームに乗って思惑通り大ヒットさせた例は少ないですし、アルバムとしては、ディスコ調の曲は二曲だけで、いつものロッドのロックやバラードでヴァラエティに富んでいて、なかなか良いのです。

Blondesはブルース調でホーンセクションも気持ちいい。

Dirty Weekendはハードロック調 カーマインアピスのドラムが効いてるーぅ!

Last Summer はブラジル風なアレンジがさりげなくて爽やか〜

高校生の頃、世間ではディスコブームだったわけですが、私は部活と放課後を満喫していて、世間の音楽流行なんて全く知らないし関わりもなかったのですが、、

ある日、部活の練習が休みになったので、同じ部の相棒と街の喫茶店に行きました。すると近くの席に制服を着た他校の女子高生二人が座っていて、青春真っ盛りの私と相棒は「声かけようぜ」ということになって、ジャンケンで負けた私が「一緒にお話ししませんか」と声をかけて、OKをもらいました。

女子高生達とお話ししていた時、店内の有線放送からKISSのディスコ調の新曲「ラビンユーベイビー」がかかり、女子が「KISSも(ディスコに)変わったよね〜すごい好き」と言いました。相棒は軽音部にも入っていてロックが分かる奴だったので、話に合わせられて良かったのですが、YMCAレベルの私は、それまでのKISSがどんなロックでディスコがどう違うかのかよく分からずテキトーに相槌を打っていました。

そしてその女子高生達は、一学年上だったのです。帰り際に「文化祭で試合やるから観にきてねー」と話したと思うのですが、結局それっきりでした。彼女達から見たら下級生でしたし、かる〜くスルーしてくれたのだと思います。

それより、KISSの「ラビンユーベイビー」はディスコ調なのに彼らは批判されず、ロッドの「アイムセクシー」はバカ売れして批判されます。KISSは許されてロッドは許されないって、どう理解したらいいんだろう〜笑

思うにこのアルバムの邦題「スーパースターはブロンドがお好き」がよろしくないのかも?と思うんです。
もし邦題を、例えば「ブロンドロックンローラー」みたいにして、ジャケットも美女とのイチャイチャ写真をやめて、スタンドマイクを握るブロンドヴォーカリストをカッコよく見せれば、その後の世間体もずいぶん変わったんじゃないのかと。

なんかムカつく

ディスコの時代に高校生だったあの頃、YMCAもラビンユーベイビーもアイムセクシーも、どれもディスコ調でした。ロック素人だった私には洋楽の良い入り口だったのかもしれません。実際ディスコには一度も行ったこともなく、ましてや知らない女の子に、お茶しませんか〜と誘ったりした経験も、思えばその時だけだと思います。

けっこうイケてた上級生女子高生に声をかけて、お話しして、ふいにラビンユーベイビーが流れてきて、KISSも変わったよね〜と話した、部活が休みだったあの日。

小さな出来事ながら、それが私のリアルなディスコムーヴメントです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?