【書評(?)Vol.1】20代で得た知見
こんなに早く『書評(?)』をはじめるとは、自分で自分にびっくりしています。
インナーナラティブデザイナーのわたしによる、読書感想文です。
わたしとことばの出会いと、わたしと本の関係性を綴っていきます。
書くことへの評価、というとおこがましいので、「書評(?)」としています。
それでは、ご紹介したいことばと本の紹介を始めます。
学生のころ、書店で久しぶりに本が読みたいなと思い、ふらりと寄った書店で吸い込まれるように手に取った1冊。
書評(?)をするなら、記念すべき1冊目は必ずこれにしよう、と決めていた本です。
最初に読んだときは、ほんとうに響かなかった。
わたしは学生で、青すぎて、ことばが踊っているように見えて、地に足がついていなかった。わたしが受け止められなかった。
それからこの本は、本棚に眠ってしまうのだけど、最後の学生生活1年間で唯一読んだ単行本でした。
それから1年後。わたしは社会人になり、追われる毎日を送ります。
仕事は何をしてもうまくいかないし、空回り。
自分の周りの人たちとの関係性が、薄っぺらく思えてしょうがない。
仕事以外をたのしむ時間も、金銭も、心も余裕がなかった。
とにかく、毎日が孤独だった。
そう感じていたときに、写真フォルダを眺めていたら、ページを撮影している画像を数枚見つけました。
最初、このことばなんだろう?と思いましたが、頭の奥底から書籍の手触りを思い出しました。
論文じゃない、あの本だ。
それが『20代で得た知見』との再会です。
あんまり響かなかったな、という記憶も思い出されたけど、もう一度読んでみようと思い、読み始めました。
すると、泣きそうになるくらい、ことばの一つひとつが沁みてきて、読み進めることがもったいなくなりました。
読み返したあとに気づきましたが、学生のころに読んで響いたページのことばと社会人のときとでは、全く違う箇所に刺さっていることがわかりました。
学生と社会人。同じ20代でも異なる世界を見ていたんだと思い、自分自身が成長しているのかもしれない、と思えた瞬間でした。
豊かさ、なんて便利なことばで、よく使っていました。
こんなに便利な世の中になり、豊かに暮らせる生活が当たり前に浸透してきました。
でも、著者のFさんは違う。まず貧しいという、豊かさとは無縁に思われる、そんなシーンで生まれるものだと考えています。
しかも、そこから搾り取らなきゃいけない。
もしかしたら、めっちゃかたい雑巾かもしれない。
そこからポタポタと滲み出てきたものに、豊かさが詰まっている。
まさに錬金術。
本を読み始めて、まさにこの感覚が生まれてくるようになりました。
ひとりと孤独は違う。孤独はほんとうにつらくて、苦くて、逃れられない。
でも、言葉が救ってくれました。
救ってくれた、というより、違う景色もあるよと教えてくれました。
孤独からのいなし方を教えてくれました。
考え方や視野が広がる、平たくいうとそういうことだと思います。
でも、この表現がしっくりきます。
一見するとそんなに前向きじゃない。でも確実に前を向いている。
でも、こうとも思えます。
孤独なんて通じたくない。苦いまま、ひとりで苦しみたい。
この矛盾の狭間を経て、ほんとうに孤独を知るんじゃないかなと、わたしは思います。
同じ20代でも、環境が違えば刺さることばも変わる。
わたしにとって、また読み返したくなる本で、宝箱にしまいたくなる本です。
書いていて、これはぜんぜん書評じゃないということに気づきました(笑)。
まあ、それでもいいです。
わたしとことばの出会いと、わたしと本の関係性を綴った【書評(?)Vol.1】でした。
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