動かないチームの原因と対策(前編)

最近はティール組織なんて言葉も流行っておりチームの新しいカタチを模索する流れが多いですね。「自分のチームもティールを目指そう!」と志が高いのはとてもいいことです。

ただちょっと待ってください。あなたのチームは本当にすんなりティールになれるのでしょうか?「手順はわかっている、あとはやるだけだ。」そう口にしながらも心のどこかに引っかかりを感じているなら、立ち止まってこの記事を読んでみてください。連載のどこかにヒントがあるかもしれません。

動かないチーム

ミッションを共有し、ゴールを決め、役割を分担してあとは行動のみ!・・・なのにチーム全体でなんだか動きが悪い。どことなく暗い雰囲気に「やるべきことはわかっているのになぜ動かない?」なんてチームに不満を抱いたことはないでしょうか。

原因を探るためヒアリングするとそれっぽい言葉が連なります。「上層部の判断が遅い」「○○の進捗待ちが長い」「情報共有ができていない」「会議が多い」などなど。優秀な人材を選りすぐった精鋭チームなのになぜ?と思いますよね。

根本原因をチャンクアップで考える

木を見て森を見ず。細かな問題にフォーカスしすぎると本質を見失いやすくなります。こういうときはチャンクアップ(問題の塊を大きくする、抽象化)しましょう。

そうすると最大公約数的な問題が見えてきませんか?先程の例に複数あった問題はすべて「チームが一つになっていない」と見て取れます。当たり前と思うでしょう、その上で今、これまでチームを一つにすることにかけたコスト(時間・お金)を振り返ってみてください。

ケースは3つだと思います。

1.チームビルディングが不十分だった
2.チームビルディングはできている(と思っているができていない)
3.チームビルディング以外が問題だ(と思っているが・・)

チームが一つになっていれば必ず動き出します。ただ、”一つになる”の解釈が甘いことがよくあります。

統合と分裂 パーツの発生

ここで重要になるのが統合の概念です。これは心理学から来ている概念で、多重人格を例にすると理解しやすいです。

多重人格は一人の人間の中に複数の人格が生み出された状態を言います。この多重人格、脳のパーティションまで区切られ、身体能力まで切り替わります。主人格をベースにして必要に応じて人格がスイッチします。

多重人格は拷問などの常軌を逸したストレスが加わる時に自己防衛機能として発生するものです。人間としては物理的に一人ですが心が分裂するのです。人格によって思考が異なり言動や判断が異なります

多重人格とまではいかなくても、人は強い感情を伴ったイベント(SEE)により心が分裂します。これをパーツといいます。プレッシャーがかかったり興奮したり一定の精神状態になるとパーツが呼び覚まされます。パーツが呼び覚まされると通常と異なった言動や判断を行ってしまうのです。

身の回りにいませんか?普段は温厚なのに家族の話をすると怒り出す人とか。これは怒りにまつわるSEEが原因で家族がパーツ化している可能性があります。

パーツは緩いものだとSEEだけでなく、親や友人に言われたことなどでも形成されていきます。例えば「いい大学にいくといい人生が待っている」と言われて育った人が「大学なんて関係ないさ」と尊敬してる人に言われたときパーツが生まれます。

自分の言葉でなく「この人は他人の言葉を借りて喋ってるな?」と思うときはだいたいパーツが呼び覚まされています。何か身に覚えはないでしょうか。






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