CTO興味ある人へ:CTOの業務についてその1 会社組織内での話
CTOを長年やってるとよく聞かれる質問です。
CTOの仕事ってどんな仕事があるんですか?
基本的には技術や開発に関しての全てという感じなのですが、それ以外にも色々とあります。
先ずは会社組織内部での役割についてです。
会社組織は
会社組織には、基本的には下記の役割の人がいらっしゃいます。
CEO(代表取締役社長)
会社の社長さんですね。会社に対しての全責任をもってます。CTOとして20社以上関わってきた森川としては、沢山の社長を見てきました。凄いですね。尊敬しかありません。皆さん熱いパッションとビジョンを持って事業について考えてらっしゃいます。
営業系社長
このタイプの社長は、ベンチャーには沢山いらっしゃいます。僕がCTOやった会社の中でも一番多いと思います。とにかく人脈も広く、思ったことはスグに行動します。丸投げで渡されるパターンも多いので、CTOの立場としては、なるべく一緒に行動するのが良いと思います。風呂敷を広げるのが得意な人なので、そこを咎めると戦闘力が減るだけです。広げる所から一緒にやれば、整理がしやすいと思います。最初だけまとめてもらって、社長元気で留守が良い感じですね。論理系社長
頭が良く、理系出身者だったり、時にはエンジニア出身者だったりします。頭が良くて技術に関しても分かる人が多いので、全ての人が自分と同じレベルだと思ってます。なので周りのレベルの低さにトラブルが起きやすい会社となってしまいます。間に入って言語の翻訳(コミュニケーション)をしたり、長期的な視野に立った組織の説明をしたり、社長の天才的な能力を活かしながら、適切な開発体制を構築します。政治家社長
論理系社長にも似ているのですが、事業を色々と作り出すというよりも、ビッグプレイヤーを上手く利用して自社の利益を構築します。そのため、時に理不尽な動きがあったりしますが、現場は現場として上手くやる必要があるためCTOとしては、その両方の状況を理解しながら最適な動きをする必要が出てきます。
タイプとしては、3つ以外にもいらっしゃると思いますが、20年みてきた中では、大きくこの3つに分かれると思います。そして、2つの顔を持つ社長もいらっしゃいます。
COO(最高執行責任者)
基本的には営業系の責任者か事業系の責任者のパターンが多いです。何れにしても会社の売上、利益に関しての権限と責任をもちます。立ち上げまじかなベンチャー等では、CEOとCOOを兼務されてる場合も多いです。COOがいる場合は、CEOとのパワーバランスによってCTOの役割は変わってきます。COOがCEOから信用され任せられてたり、頼りにされている場合は、COOが権限と責任をもっているので、CTOとしては最もやり取りする相手となりますが、CEOの方が強い権限を持っている場合は、CEOとのやり取りが中心となります。
事業・サービスの方向性によって技術も変わるし、内容によって体制・人数も変わります。サービスのリリース速度や品質レベル、インフラ周り等も事業・サービスの状況を見ながら最適なものを選択します。
タイプとしては、CEOと同じく、営業系、論理系、政治家系の方が居て、CEOとCOOで役割が違う場合は上手く機能していると思います。CEO,COOともに営業系の場合も多く、この場合は上手く行ってない場合が多い様に思います。
CFO(最高財務責任者)
財務会計の責任者の方です。立上げベンチャーでは、管理部の業務含めて担当頂く事がほとんどです。管理系の出身の方や経理系、総務系、財務系の方が担当させる事があります。基本的にはコストセンターなので、KPIの設定の仕方等は、開発部門と似てます。事業側と違ってコストセンターは、売上、利益に直結しないため、KPIを設定して自分達の業績を管理したりします。一人辺りの生産性、稼働率、有償稼働率、人数、人件費等色々とありますが、コストセンターでは、ほっといたら成果が見えない部分もありますのでここのKPI設定は重要ですので、見える化について一緒に検討することはよくあります。最近では、このコストセンターのKPI指標をIRに組み込んでる会社も出てきました。何れも業績もよく株価も堅調です。
後、課題になってくるのが情報システム部の役割です。ここは管理部と役割を調整しないと行けません。機材管理は管理部でセキュリティ管理は何処で担当するか?とかは難しい課題です。
経営者としてのCTOの大変な事
CTOとしては、経営者の一人です。(もちろん、CTOが役員でない場合もありますが、基本的にはCTOは役員であるべきだと思います)従って、他の経営メンバーとコミュニケーションする必要があります。この他の経営者とのコミュニケーションがCTOとして大変、大事なタスクの一つだと思います。
説明する力
CTOになる前は、エンジニア組織の中で高コンテストのコミュニケーションで成り立っていた部分が急に低コンテクストな世界になります。分かるだろうって事は通用しません。面倒くさくても説明する必要があるし、わかり易く説明する必要があります。KPI等の設定を積極的に行い、他の経営者が見ても分かる様にアウトプットレベルと調整しなくてはなりません。
*コンテキストに関しては、以前の組織の理想:高コンテキスト組織で低コンテキストなメッセージを参考ください
https://qiita.com/k1morikawa@github/items/6ecbd48fb36af69786ac
孤独感
CEOとCOOは通じる部分も結構ありますが、CTOのみが事業部の開発部隊としての攻め部署でありながら、コストセンターとしての守りの部署でもあります。ここの概念については、他の経営者達は全く理解してくれません。理解出来ません。開発の事になると任せたとなります。その反面、開発は営業の事も考えろとも言われますw残念ながら、今まで開発側の課題解消に向けて一緒に考えてくれたCEO,COO等の役員の方はいませんでした。
これは結構な孤独感を感じる事になりますので、精神的にも強くある必要があります。
未来を見る力
昨今のテクノロジーの進化により、企業の未来は、テクノロジー無しでは、語れません。ここをしくじると即・会社が潰れます。例えば、ブロックチェーンを考えた時に、現在では素晴らしいテクノロジーではありますが、適用分野が難しいテクノロジーとして、一部の会社しか研究してません。しかし、なにかの瞬間にブロックチェーン技術が中心となる未来がくる可能性もあります。従来のサーバー、データベース型のシステムは駆逐され、ブロックチェーンを使ったシステム化技術がメインとなります。これを見極めるのはCTOしかいません。とても重要な役割となります。
最後に
CTOとして会社組織内部での特に他役員との関係値とか役割について記事に書きました。
今後は、更に内部での役割・タスクについて整理した記事を投稿します。
続き:CTO興味ある人へ:CTOの業務についてその2 チームビルディング/採用
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