『太陽光パネル清掃ロボットとAIデータ争奪戦』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.5.13
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■中国の太陽光パネル清掃ロボット、シリーズAで20億円超を調達 中東市場でも高評価
太陽光パネルは野ざらしですから、かなり汚れます。汚れると発電量が減ります。
土埃・砂埃、花粉、黄砂、鳥の糞、落ち葉、水垢、ゴミ、火山灰、雑草など汚れが付いたら清掃すべきなのですが、メガソーラーは面積が広大ですし、戸建てやビルの屋上に設置されたパネルは高所作業の危険が伴います。
そこでお掃除ロボットの出番となります。ルンバの太陽光パネル専用版のようなものですが、お掃除ロボットとAIの組み合わせはとても相性がよさそうです。
日本でもAIを活用した太陽光パネルの自動清掃を目指す企業が製品投入
上記の中国企業のソリューションは大型発電施設に向けたものですが、昨年11月20日から市場投入された茨城県の株式会社ROBOTIX JAPANの太陽光パネル清掃ロボットは小型軽量であることが特徴で、屋根上や倉庫の上で使われることを想定しています。
足場を組んで人間が目視と手作業で清掃するより、清掃ロボットを屋根に上げて掃除する方が圧倒的にコストと期間を圧縮できます。しかし今のところ人間の手動操作が基本です。
AIによる自動化ができれば、ロボットオペレーターに特殊技能を求める必要がなくなります。
パネルのサイズを把握し、汚れの種類を判別し、汚れが落ちたかを判定するまでの一連の作業をAIで自動化することは、ディープラーニング技術による画像解析等でできそうではあります。
そこで課題になるのはディープラーニング用の学習データです。
清掃ロボットの物理的な学習データの争奪戦
清掃ロボットがAIで自動運転できるようになるためには、学習データの充実が不可欠です。特にインターネット上に「20年の汚れを蓄えた太陽光パネルの写真」などがほとんどない現状では、現場の数を踏むしかありません。
太陽光パネルの設置のされ方も、屋根の形状も、ひとつとして同じ現場がないうえ、地域によって黄砂がひどい、火山灰が固着している、落ち葉が腐葉土化しているなど、課題もマチマチです。
冒頭の中国企業のように砂漠地帯のメガソーラーをターゲットにした方がビジネス的にはやりやすいはずで、家庭用ソリューションは需要はあっても商売的には大変そうですが、
↑このような人力による高所作業は危険を伴いますし、ロボットによる無人化は今後の太陽光パネルの家庭普及に向けても重要です。
今後、ロボットのAI学習のための物理的なデータ収集だけを専門特化する企業も登場すると予想しています。ドローン写真や衛星画像などで屋根の写真を大量に集め、汚れの傾向や種類を画像解析して清掃用ロボット事業者に提供するような「AIデータ屋さん」のビジネスは、ロボティクス技術の普及に伴って需要が高まりそうです。
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