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テレワーク部屋を照度3倍にしたら最高だった話

6畳のテレワーク部屋に20畳用のシーリングライトを設置して照度を約3倍にしたところ、実に快適で最高でしたので報告します。

導入したシーリングライトは定格光束最強クラスの11,000lm(ルーメン)。
交換前と比べて定格光束が約3倍になったので、ざっくり照度も約3倍になったはずです。

前提・おことわり

  • 自宅のテレワーク環境を前提とした話です。私は普段ほぼフルリモートで働いています。

  • 仕事は基本的にペーパーレスです。紙の資料や紙の本を読む機会はありません。

  • 私は視力が悪く、眼鏡をかけていてもPC作業がちょっと辛いくらいです。目も疲れやすい方だと思います。

  • なるべく客観的な情報を調べましたが、最終的には個人の感想です。ご了承ください。

  • この記事は労働安全衛生や照明の素人が書いています。誤りがあったら訂正しますので教えてください。

1. 体感メリット

まずは照度3倍の効果。シーリングライト交換から1週間時点の感想です。

① 目が疲れにくくなった

  • 私は視力が悪いせいか眼精疲労がいつも酷いのですが、照度3倍にしてから明らかに目が疲れにくくなりました。目が疲れて休憩を挟む頻度も減った気がします。

  • 今のところこれが一番のメリットだと思います。

② 集中力が増した

  • 休憩の頻度が減ったせいか、集中力が増した気がします。

  • まあ正直気のせいレベルかもですが。

③ 気分が明るくなる

  • 部屋が明るいと、自然と気分も良くなりますよね!

2. なぜ3倍なのか

照度を「3倍」するのには一応の理由があります。

厚生労働省は机上300ルクス以上を推奨

そもそもテレワーク環境にはどの程度の照度が必要なのでしょうか。
照度の単位はlx(ルクス)で表されます。厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」では「机上は300 ルクス以上」とされています。

出典:厚生労働省「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」

同じく厚労省が定める事務所衛生基準規則第10条でも「一般的な事務作業」は300ルクス以上となっていますので、テレワークの場合も同等の照度が必要ということでしょう。

「X畳用」のワナ

じゃあ「X畳用」として売られているシーリングライトを買えば300ルクスが得られるんじゃないの?と思いきや、実はここワナがあります。

この「X畳用」という適用畳数の基準は一般社団法人日本照明工業会が定めているのですが、この基準では「定格光束は、机上面の目安照度である100lxを基準とし75lxから150lxとした場合の光束を示している。」とされています。

出典:日本照明工業会Webサイト 「LED照明器具の適用畳数について」

つまり「X畳用」のシーリングライトで得られる照度はざっくり100ルクス前後であり、厚労省のガイドラインの3分の1の照度しかないのです。これが今回照度を「3倍」とした理屈です。

(補足)
「ワナ」と書きましたが、日本照明工業会の基準がおかしい訳ではありません。テレワークを前提としていないというだけで、細かな作業や読書を除けば、日常生活には100ルクス前後で十分かと思います。

3. なぜ照度3倍で目が疲れにくくなるのか

「X畳用」のシーリングライトでは照度不足となることはわかりましたが、実際のところ照度不足と目の疲れはどのように関係しているのでしょうか。また、シーリングライト単体で照度不足であってもデスクライトで照度を補えれば問題ないでしょうか?
メカニズムを調べてみましたので参考元とともに紹介します。

結論としては部屋全体を明るくした方が目の疲労軽減効果は高そうです。デスクライトも意味がない訳ではないと思うのですが、以下のメカニズムを考慮すると効果は限定的になるのかもしれません。

①照度が明るいと瞳孔が絞られてピントが合いやすくなる(らしい)

  • 人間の目は明るい場所では瞳孔を収縮させて目に入る光量を調整します。すると光学的には焦点深度が深くなり、ピントが合いやすくなります。(ピンホール効果)

  • したがって明るい場所ではピント調整がしやすくなるので、眼の疲れが軽減されると考えることができます。

出典:The Priority Opticians. コラム 「昼と夜で見え方が変わる?」
  • デスクライトで照らされるのは机上のみですので、部屋全体が明るくなるシーリングライトと比べると効果は限定的になるのではと思います。

②PCモニターと周囲の照度差が少ないと疲れにくい(らしい)

  • モニターの周囲を照らす照明のことを「バイアス照明」「バイアスライト」などと呼ぶらしく、目の疲れを軽減する効果が謳われています。BenQさんのサイトでは次のように説明されています。

目の疲れを防ぐバイアス照明は、視聴環境を改善する上で重要な役割を果たします。適切なバイアス照明は、目の疲れを軽減するだけでなく、ディスプレイの知覚コントラストを改善することができるという2つの利点があります。

出典:BenQ Webサイト 「バイアス照明とは?バックライトは必要?」
  • よくわかりませんね。周囲との照度差が大きいと、眼が知覚できるコントラストが相対的に小さくなってしまう(ダイナミックレンジが大きくなるので)、ということでしょうか。

  • この効果を狙っているのかどうかはわかりませんが、厚労省のガイドラインでも「机上は300ルクス以上」とあわせて「ディスプレイは500ルクス以下」とされています。

  • この点も、やはり机上しか照らさないデスクライトでは改善が難しいかもしれません。

参考: そもそも高齢者は若者よりも照度が必要(らしい)

  • 加齢に伴い水晶体の透過率は下がり、瞳孔も縮小していく(老年性縮瞳)ため、高齢者ほど高い照度が必要とされています。

  • 逆に言えば、歳をとるにつれて照度を高めていかないと、目が見えにくくなって疲れやすくなる、とも言えそうです。

  • つまり老眼や高齢の方は300ルクスに拘らずに照度を高めた方が良さそうです。

4. 照度300ルクスを得るためには

照度(ルクス)は、照明からの距離(天井の高さ、デスクの位置)、影、壁の反射などによって変わる数値ですから、シーリングライトのスペックとしては記載されていません。
ここではシーリングライトのみで照度300ルクスを獲得するためのポイントを簡単に紹介します。

適用畳数の定格光速が3倍のシーリングライトを買う

  • 「X畳用」にあわせて買うと100ルクスなのですから、300ルクス欲しいなら「X畳用」の定格光束の3倍のスペックを選べばシンプルです。

  • この方法には欠点がありまして、6畳用の定格光束を3倍した時点で12000lmを超えるため市販シーリングライトのハイエンド機である20畳用しか選択肢がなくなるというものです。

  • 私はこうした計算を一切せず「とりあえず最強の買えば最強やろ」と思って20畳用を書いました。

  • つまり、とりあえず20畳用を買えばOKです。

参考:20畳用シーリングライトの実測値

今回購入した20畳用シーリングライトで実際どの程度の照度が得られたかと言いますと、照明のほぼ真下のデスクで、

約650ルクス!!

まあつまり、照明の真下で300ルクスを得るだけなら、この半分くらいの定格光束でも大丈夫かもしれません。

5. 注意点

ここまでメーカーの回し者のように書いてきましたが、以下のような注意点もありますのでご留意ください。

目がいい人には眩しいだけ

  • 私の妻がこのタイプなのですが、視力がよくて眼精疲労にも困っていない人にとっては「単に眩しいだけの部屋」になります。ご注意ください。

  • 照度3倍についてXにポストしたところ「明るい方が目が疲れる」という方も複数名いらっしゃいました。体質の問題もあるかと思います。

暗い方が集中できる説

  • 「そもそも部屋の電気を暗くした方が集中できる」という方もいらっしゃいました。私もこのタイプでして、日中でも部屋を真っ暗にしパワポを書くこともありました。

  • が、目の疲れにくさという点においては圧倒的に照度3倍がおすすめです。電気を消すのは最終手段にしておきましょう。

20畳用シーリングライトはクソ高い

  • パナソニックさんの最新型はAmazonで4万6千円でした。無理です。

  • 私は型落ちモデルを3万ちょいで書いましたが、それでも高いです。

埃がめっちゃ見える

  • いやー、私の部屋ってこんなに汚かったんですね。

まとめ

  • 優秀な読者の皆さんなら、そろそろ20畳用シーリングライトの注文を終えた頃でしょうか。

  • とにかく私の感想は「照度は正義」です。視力が上がったようにさえ思えます。皆さんもぜひ、この全能感を体感してください。

  • ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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