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クレジットカードの不正利用に恐るな!!


#日経COMEMO #NIKKEI

 クレジットカードの不正利用率が過去最悪という日本経済新聞の記事について考えてみよう。2023年の不正利用率が0.051%、被害総額540億円ということだ。被害額は10年前と比べ5倍ほどに増えた。不正利用率を限りになくゼロにすることも大事だと思うが、被害額の大きさに驚かされる。これは、クレジットカード契約者である消費者が、恐らく不正利用されていることに気づくのが遅いため、高額な請求額となっているのではないかと思われる。

 消費者がクレジットカードの不正利用に遭わないための知識や遭遇してしまった場合の対処法を消費生活アドバイザーの立場から解説する。

1)クレジットカードの決済の仕組み
 ・「信用」(クレジット:credit)で成り立つ

 クレジットカードは消費者、お店、カード会社の間を「信用」という言葉で結びつける役割を担います。これを「三者間契約」と呼び、クレジットカードが誕生した1950年代以降、ほぼこの仕組みで成り立っています。
 クレジットカードは、現金がなくても支払いができる後払い式の決済方法です。 クレジットカードで商品やサービスを購入すると、その支払いはいったんカード会社が立て替えます。 後日、カード会社から利用代金を請求され、登録された銀行口座から引き落とされる仕組みです。

 ・決済代行会社が間に入る場合もある

 クレジットカードを発行する会社はとても多いです。事業者は、クレジットカード会社と各々契約を結ばないと決済に利用できません。そこで必要なのが、決済代行会社という仕組みです。決済代行会社は、多くのクレジット発行会社と契約しているため、事業者はその決済代行会社と契約するだけで、多くのクレジットカード発行会社のカード決済を行うことができるのです。

2)クレジットカード番号がなぜ盗まれる?

 ・フィッシング

 なりすましのメールやショートメッセージが送られてきて、そこにリンクされているURLにアクセスし、クレジットカード番号やセキュリティーコードを入力することでクレジットカード情報が盗まれてしまいます。

 ・スキミング

 クレジットカードの情報を不正に入手して、まったく同じ偽造カード(クローンカード)を作って不正利用する犯罪のことです。
クレジットカードそのものを盗むのではなく、「スキマー」と呼ばれる装置を使って、クレジットカードの磁気ストライプに書き込まれている情報のみを読み取るため、自分が被害者であることに気がつきにくいという特徴があります。月末に請求書が来て、その請求額の多さにはじめて被害に遭ったことを知るというケースがほとんどです。

 ・コンピューターウイルス(マルウエア)

 フィッシングメールに組み込まれていることもあるが、悪意のあるオンライン広告にアクセスすることで感染し、クレジットカード情報が盗まれることがあります。

 ・ハッキング

 消費者が普段利用している企業や組織に対する悪意ある者の不正アクセスにより、直接カード情報を窃取する方法です。また、公共WiーFi(無料のWiーFiスポット)にアクセスしている消費者が、クレジットカード情報を入力する際に悪意ある者に盗み見されることもあります。

3)クレジットカード情報の自己防御法

 上記の手段で大事なクレジットカード情報を盗まれないようにするには、日々の生活の中で以下のことに気をつけましょう。

 ・身に覚えのないメールやショートメッセージは無視する

 決して記載されているURLにはアクセスしないようにしましょう。偽サイトに誘導されて、クレジットカード番号とセキュリティーコードの入力を求められたり、それらの情報を入手するコンピューターウイルスに感染する危険性があります。
 また、電話番号が記載されていても決して電話はしないようにしましょう。電話すると口頭でクレジット番号等を聞き取りされることがあります。
 既存する企業名や宅配便の再配達の連絡、クレジット会社名、銀行名、または税務署等の公共機関を名乗ったメールやショートメッセージが届くこともありますが、記載されているURLにアクセスせず、それそれの公式ホームページからアクセスして確認するようにしましょう。

 ・クレジットカード読み取り機での決済時は、その場を離れない

 飲食店等の店舗においてクレジットカード読み取り機で決済する場合は、できる限り店員に渡すのを控えて、その場を離れず、じっと目の前で決済されることを確認しましょう。暗証番号を盗み見されないためにも、ICカードタイプのクレジットカードにするのもいいでしょう。

 ・公共WiーFi利用時は、クレジットカード決済を控えましょう

 なるべく外出先(空港、ホテル、飲食店等)で公共WiーFiにアクセスして、Webサイト等でクレジットカード決済をするのは控えた方がよいでしょう。

 このような手段によるクレジットカードの不正利用にあった場合、その後の対処法については、以下の有料記事および有料コミュニティ(賢い消費者になろう会)にて説明してますので、よかったら読んでください。

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