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運動における痛みの種類と判断基準

40年以上、
水泳に関わってきましたが、
やはり「痛み」と「スポーツ」は
切っても切れないものがあります。


そんななか、
アスリートに求められるスキルの一つに
「自分の身体で起きていることを
言語化して人に伝える」

というものがあります。

そして、
非常に大事になるのが
「痛み」を言語化することです。

痛みは身体のサインには
色々な種類があります。

ただの「痛い」だけだと
適切に第三者には伝わらないため、
専属のスポーツトレーナーにも
体の状態が伝わり切らないこともあります。

実際、コーチという立場は
「痛い」と言われたら
「では、泳がないで下さい…」
と、言わないといけない立場です。

「痛い」が適切に伝わらなければ、
「泳がせてはいけない」の選択肢しか
残らないわけです。


そこで、
今回は「痛み」を言語化するために必要な
痛み見分け方について、5つご紹介です。

①痛みが発生するタイミング

いつ、どのタイミングで発生するか?
…がわかると、
痛みを予測して予防することが可能です。

そして、コーチも
どの動きをしたら痛みが出るのかがわかるため
その動きを行わないように
トレーニングが組めます。


②痛みの強度

0(痛みがない)〜10(最悪の痛み)の段階で評価。


③痛みの質

・ずきんずきん痛む
→0〜10段階でいくつか?

・ぴーんと走る痛み
→0〜10段階でいくつか?

・刃物で突き刺されるような痛み
→0〜10段階でいくつか?

・鋭い痛み
→0〜10段階でいくつか?

・ひきつるような痛み
→0〜10段階でいくつか?


④痛みの種類(主に3種類)

1. 侵害受容性疼痛
怪我や火傷をしたとき、手術の回復期に感じる痛みがこれに該当します。この痛みの原因は炎症によるものです。この痛みは、体がまだ回復しきれていないというサインです。この状態で体を動かすと、痛みが悪化したり、最悪怪我が再発したりしてしまうケースもあります。この痛みは、回復期には必ずある反応なので心配いりませんが、治った後まで続くと「慢性の痛み」に発達するため注意が必要です。

2. 神経障害性疼痛
何らかの原因で痛みを司る神経経路で損傷がある場合の痛みです。大怪我をした人が、怪我の完治後でも「前みたいに動けない」と感じたり、以前は痛くなかった動作で痛みを感じたりしてしまうというケースがこれに該当します。この痛みについては、東洋医学の鍼灸の得意分野です。

3. 心因性疼痛
身体の異常が原因で起こるのではなく、心理的な原因で発生する痛みです。社会的・心理的ストレスによって「急な痛み」を感じることがこれに該当します。脳が痛み癖を学習してしまい、原因がなくても痛みを感じてしまう状態です。この痛みについては、整形外科やスポーツトレーナーではなく、心療内科や精神科の専門分野になります。

尚、心因性についてはこのような豆知識もあります。

<痛みを伝え易くし、敏感にするもの>
●萎縮性の変化、筋緊張
●薬物、アルコールの抜け時。
●痛みへの注意(=痛みへの意識の集中)。
●痛みは制御できないものという考え。
●不安・恐怖、怒り、うつ。
●過剰・過小な活動(少食・不健康行為・公私の不均衡)
●家族や友人からほとんど支援がない孤独感。
もしくは、周りがあなたの痛みに注目しすぎたり、あなたを過剰に守ろうとする人がいる場合。


<痛みを伝えにくくし、鈍感にするもの> 
★薬
★気晴らし・外に意識を集中させること。
★痛みは制御できるという考え、予測管理可能という信念。
★気分の安定・リラックス・穏やかな気持ち・前向きな気分。
★適度な活動・前向きな健康習慣・公私の活動の調和。
★他者からの支援、家族や友人の適度な関わり、‘適度な活動’を維持するように他者から勇気づけられること。


⑤運動による痛み

激しい運動による筋肉痛は、④の1の侵害受容性疼痛です。この痛みは運動をする人であれば誰でも経験がある痛みで、炎症反応から来る筋肉の痛みは、明らかに怪我の痛みとは異なります。

しかし、そんな筋肉の痛みの中でも遅発性筋肉痛(DOMS)と言われるこの筋肉痛には注意を払う必要がある場合もあります。

DOMSは、激しい筋トレを行った後、数時間後から数日後によく発生する痛みです。

DOMSの原因はいくつかありますが、筋トレによって筋線維単位の損傷が起こり、この損傷や筋肉の過度な疲労など、複数の要因が重なって発症するものが一般的です。

筋肉は損傷の回復過程で発達しますが、この痛みが続いている間は安静が必要です。

回復にかかる時間は運動強度によって異なりますが、一般的には1~2日かかります。痛みが残っている状態で、無理して激しい運動を行うと、怪我に繋がる恐れがあります。

関節や筋肉が運動でかかる衝撃に弱くなっており、疲れた筋肉を補助するために無意識に他の筋肉を使ってしまうためです。

更に、筋肉痛は痛覚を鈍らせるため、気づかないうちに筋肉を酷使し、筋肉が大きく損傷する恐れもあります。

全身筋肉痛での水中トレーニングは「リカバリースイム」などのアクティブレストは有効です。しかし、この状態での高強度の陸上トレーニングはスイマーにとって、怪我につながりやすいので、注意が必要です。


まとめ

以上のことを踏まえて
しっかりと痛みを言語化し
専属のコーチに伝えたり
トレーナーに伝えたりして、
ていけると良いですね!

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