【買物論文】Google検索とX(Twitter)は、どちらが購入者数への影響があるか?

“買物“に関する論文をピックアップして考察していきます。
ピックアップする論文の特徴は、
特徴1:実務に使えそうな、分かりやすい結果が出ている
特徴2:結果に対して、人間の気持ちや行動が考察ができる
特徴3:追加でこんな事知りたいと、想像をかき立てられる

今日の論文の紹介
第 42 回 交通工学研究発表会
道の駅買物来訪者数とインターネット検索数や SNS 投稿数の関係
大西 一真, 寺部 慎太郎, 柳沼 秀樹, 海野 遥香
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsteproceeding/42/0/42_223/_pdf/-char/ja

簡単に要約すると
2つの道の駅について「買物者数とgoogle検索数」「買物者数とX(旧Twitter)の投稿数」は相関するか?を検証した論文。
結論は、Google検索数は相関しない、Xの投稿数は相関する。

この論文を選んだ興味としては、
Xの投稿が多いと商品の売り上げが上がりやすい、というのは、
なんとなく経験値からも知っていたのですが、本当にそうなのか?
また、google検索も広告のKPI指標として使われやすいので、
それって本当に売り上げに繋がるのか?を知りたかったからです。

感想1
Xの投稿は、行った人がつぶやく“事後“の行動だから、絶対相関する。
という当たり前の事に気付かされる。
Xの投稿数が増えると売り上げが上がるのではなく、売り上げが上がっているからXの投稿数が増えている。という因果がはっきりしている。
ニワトリと卵論ではないという事。

感想2
では、googleの検索は購入者数に効果がないかというとそうでもない。
論文の中のデータでは、道の駅AとBの2つについて調べているが、
買物訪問者数はAに比べてBが2.3倍多く、検索数の平均も同様にAに比べてBが2.3倍多い。

要は、検索は、日々の客数のアップダウンではなく、
長期間の客数平均のベースを測る指標として適しているという事。

感想3
もう一つ論文のデータで面白かったのは、
客数はBの方が多いのに、Xの平均投稿数はAの方が多いということだ。
AとBの場所は明らかにされていないが、以下のような仮説がたつ。

道の駅Aは、Xの投稿数が急激に伸びている日があり、テレビで紹介されたり大きなイベント開催など、特徴のある道の駅。
道の駅Aを目指して行く人も多く、立ち寄った人はその体験をXで投稿してしまう。しかし、都会からは離れており、立ち寄る人はBより少ない。

道の駅Bは、都会から2時間程度離れており、ちょうど休憩スポットとして立地が良いが、特徴は少ない。

もっと知りたくなったこと
・一般消費財や耐久消費財ではどうか?
 今回は道の駅という検索してから行くまでに時間を要するので、検索数は客数と相関しなかったが、検索から購入までが時間的に短いものは、相関しそうな気がする。特にネットで買えるもの。

・X以外のSNS投稿はどうか?
 Xの投稿は売り上げに繋がるという感覚値があるが、Instaなどはない。他のSNSでも投稿数が伸びると売り上げは上がるのだろうか?

・Xの投稿が増えたから、売り上げが上がった、という因果関係を調べることはできるのか?
 実際は、Xの投稿を見た人が、購買をすることは十分に考えられるが、それって測れるのだろうか?


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