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【買物論文】売上に繋がる最強イメージ「コスパ」という言葉が流行り出したのは2014年の増税きっかけ!?

“買物“に関する論文をピックアップして考察していきます。
ピックアップする論文の特徴は、
特徴1:実務に使えそうな、分かりやすい結果が出ている
特徴2:結果に対して、人間の気持ちや行動が考察ができる
特徴3:追加でこんな事知りたいと、想像をかき立てられる

今日の論文の紹介
“コスパの良い”は消費者の口コミと購買を促すのか?
― 小売店舗の価格イメージが口コミ行動と購買行動に与える影響 ―
寺本 高, 三坂 昇司https://www.jstage.jst.go.jp/article/marketing/40/2/40_2020.045/_pdf/-char/ja

要約すると、
「コスパの良い」という小売店のイメージが、口コミや売上にどう影響するか?
それは、「安い」というイメージと比べてどうか?
結果は以下の4つ
①口コミへの返信回数が多い
②「品質」を通じての「価格」という話題に多く接触している
③「品質」を通じての「楽しい」という話題に多く接触している
④対象店舗での購入量や購入商品単価が増加した

「安い」はポジティブな一面だけでなく、品質が悪いというネガティブなイメージも想起されますが、
「コスパ」は最強のポジティブイメージといえます。

実際、商品を購入した理由をインタビューなどで聞くと、
「値段が安いから」ではなく、
「コスパが良いから」というのをよく耳にします。
しかし、実際はどこに「コスパ」と感じているか?というのはあまり言語化できていない気がします。
全体の印象として「コスパが良い」という印象なのです。

いつぐらいから「コスパ」が流行り出したかというと、
Googleとトレンドによると、2014年くらいから伸び始めています。
https://trends.google.co.jp/trends/explore?date=all&geo=JP&q=%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%91&hl=ja

何が背景にあったかというと、
2014年に消費税が5%から8%にあがっています。
また余談ですがその年の高視聴率ドラマでは、HERO、ドクターX、花咲舞が黙ってない。
増税で世の中が苦しむ中、
悪を成敗するドラマを見てストレス解消し、明日への活力をもらっている。
そんな年に「コスパ」は流行り出したようです。

広告でもその世の中の空気を捉えています。
西友の広告は「価格やすく」が有名ですが、
「やっぱコスパ」という広告コピーに変わったのは2016年からです。

私が最近買った商品で「コスパ」がよかったものを紹介すると、
子供のおしり拭きです。
しかもいい紙で作られていて破れにくく、水分のたっぷりのもの。
おしりも拭けるし、机も拭けるし、安心して使えるし、持ち運びも出来るし、
乾燥してカラカラになることがないから最後まで使えました。
逆に、紙が薄くて使い心地が悪く、水分が少ないおしり拭きは、コスパが悪いと感じました。

論文の結果からもある通り「コスパ」は品質を通して感じるものです。
それは高機能であるということよりは、
お金をはらっても良いと思える機能は何か?
という視点の方が大事かもしれません。
おしりふきで言うと、保湿液の成分で肌に良いものが使われているよりも、
紙質や水分量の多さにコストをかけたいということです。

論文の最後の「限界と今後の課題」にもありますが、
どうすれば「コスパ」が良いと思ってもらえるのか?
ということを明らかにしてくことこが大事です。

それは、商品によっても様々で、細かい検証が必要になりそうです。
また、本当にお金を払っても良いと感じる点を明らかにするのは難しそうです。
人は、こんな機能あったらどうですか?と聞くと、
特に必要なくても、欲しいと答えるものなので・・・。

不満リサーチのように
何か良い調査手法を引き続き考えてみたいと思います。


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