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コラム(29日)、大統領選を直撃するか、“消えたアメリカン・ドリーム”

米国といえば誰もがすぐ思い浮かべるのが“アメリカン・ドリーム”だ。一発当てれば頂点に君臨し、大金持ちになれる。思想、信条、宗教、人種によって差別されることはない。国内外の若者がアメリカン・ドリームを夢みる。どんな苦労もいとわない。努力の先にアメリカン・ドリームがぶら下がっているのだ。大谷翔平はそんな夢見る少年だったのかもしれない。そのアメリカン・ドリームが消えようとしている。ブルームバーグ(BB)が今朝、米国が直面している住宅危機をリポートしている。タイトルは「消えるアメリカ

    • コラム(27日)、ウェルビーイングってなんだ?「誰もが活躍できる社会」じゃダメなのか

      注目の静岡県知事選は、立憲民主党と国民民主党が推薦した元浜松市長の鈴木康友氏が当選した。自民党はこれで衆院の補欠選挙を含め4連敗だ。いよいよ岸田総理の進退が問われる事態になってきた。いまさら総理の空虚な政策を逐一批判するつもりはないが、先週23日に開催された経済財政諮問会議の最後に次のような発言をしている。「誰でもが活躍できるウェルビーイング(Well-being)の世界を実現していかなければならない」。総理だけではない。日本中の有力な政治家がこの言葉をよく使う。このほかにも

      • コラム(24日)、イーサリアムの現物E T F承認へ、米S E C、背後にバイデン政権の若者対策が見え隠れ・・・

        ビットコイン(B T C)に次ぐ資産規模を誇る暗号資産・イーサリアム(E T H)の現物E T Fが、米S E C(証券取引委員会)によって承認される見通しとなった。暗号資産関係者の間ではつい1週間ぐらい前まで「承認されないだろう」との悲観的な見方が支配的だった。それが一転して「米S E Cは23日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの現物E T Fの上場申請を初めて承認した。1月のビットコインE T F承認に続く業界の勝利となった」(CoinPost)と報じられた。暗号資産に

        • コラム(23日)、長期金利1%で動揺する日本、「金利のある世界」への移行期特有の反応か

          長期金利の指標となっている10年国債の利回りがきのう、一時的に1%を超えた。これを受けてマーケットは「先行きの金利上昇懸念が強まっている」と過剰反応している。21日付けの当欄「『金利のある世界』、構造改革が当たり前の世界に」でも触れたが、「金利のある世界」が普通で、黒田前日銀総裁が推進した「黒田バズーカ」によるゼロ金利の深掘り、いわゆる「異次元緩和」の方が異常なのである。とはいえ、異常が長引いた結果、日本人の多くは異常が「普通」で金利のある普通の世界を「異常」と感じてしまう。

        コラム(29日)、大統領選を直撃するか、“消えたアメリカン・ドリーム”

        • コラム(27日)、ウェルビーイングってなんだ?「誰もが活躍できる社会」じゃダメなのか

        • コラム(24日)、イーサリアムの現物E T F承認へ、米S E C、背後にバイデン政権の若者対策が見え隠れ・・・

        • コラム(23日)、長期金利1%で動揺する日本、「金利のある世界」への移行期特有の反応か

          コラム(21日)、「金利のある世界」、構造改革が当たり前の世界に

          最近「金利のある世界」との表現をあちこちで見かける。アベノミクスの10年、黒田前日銀総裁が独善的に推進した異次元緩和が長かったせいで、「金利のある世界」が何となく異常な世界のような印象を受ける。だが、そうではない。「金利のある世界」が普通で、「ゼロ金利」に浸り切った日本人の感覚が異常なのである。とはいえ、異常が長引いた結果、日本人の多くは異常が「普通」で金利のある普通の世界を「異常」と感じてしまう。メディアや評論家、エコノミストが多用する「金利のある世界」という表現は、そんな

          コラム(21日)、「金利のある世界」、構造改革が当たり前の世界に

          コラム(20日)、岸田内閣支持率回復せず、自民党改正案に国民は“怒り心頭”

          岸田首相はかねてから裏金づくりで失った政治への信頼回復に資するために、政治資金規正法の抜本的改正を行うと機会あるごとに強調してきた。そのための自民党の改正案が先週まとまり、今週から与野党の本格的な議論がはじまる。それを前にしてメディアの世論調査が発表されたが、岸田内閣の支持率に回復の兆しはまったくない。例えば、時事通信が16日に発表した調査(10~13日に実施)によると、内閣の支持率は18.7%で前月に次いで20%を割り込んでいる。不支持率は55.6%だ。支持率は前月に比べて

          コラム(20日)、岸田内閣支持率回復せず、自民党改正案に国民は“怒り心頭”

          コラム(17日)、石丸・安芸高田市長、都知事選出馬へ、危機感なき既成政党に危機感で殴り込む

          石丸伸二・安芸高田市長(41歳)がきのう、東京都知事選に出馬すると表明した。東京ビックサイトで開催された「Climbers」というイベントに出演して講演。その最後に出馬表明が行われた。たまたまこの場面をネットでみた。今朝、確認しようと主要メディアの記事を探した。彼らは講演後に行われた記者会見の内容を簡単に伝えているだけ。詳しい内容は報道していない。おそらく、どの社もイベントを取材していなかったのだろう。石丸氏は少し前から都知事選出出馬が噂されていた。政治部、あるいは都政担当記

          コラム(17日)、石丸・安芸高田市長、都知事選出馬へ、危機感なき既成政党に危機感で殴り込む

          コラム(16日)、政治とカネ、不正の本質は「3つの非」、自民党改正案は“見せかけづくり”

          与党である自民党と公明党の政治資金規正法改正案づくりが破綻した。パーティー券の公開基準を巡り両党の折り合いがつかなかったようだ。目くそ鼻くそを笑う式の分裂だ。どちらもことの本質とは無縁の「見せかけづくり」に精を出している。パーティー券をめぐる裏金づくりの本質は「非課税」「非公開」「非常識」という、いってみれば自民党の政治家に染みついた“3非”の存在にある。政治活動費は非課税が原則で、何に使ったか公開する必要はない。いつ誰が決めたか知らないが、そんな無茶苦茶な原則が罷り通ってい

          コラム(16日)、政治とカネ、不正の本質は「3つの非」、自民党改正案は“見せかけづくり”

          コラム(15日)、米中貿易摩擦再び激化、不穏な空気に包まれる国際情勢

          バイデン大統領が中国からの輸入品に対する関税の大幅引き上げを発表した。トランプ前大統領はすでに全ての輸入製品に10%、中国製品は関税を60%に引き上げると表明している。11月に控えた大統領選挙を意識した有権者対策でもある。だが関税の引き上げはインフレ加速要因でもある。トランプ氏の政策に批判的だったバイデン氏が事実上同氏の政策を追認する形になる今回の関税引き上げ、思惑通りに有権者の心をつかめるかどうか判然としない。今回の発表を受けて中国商務省は声明を発表、「中国は自国の権利と国

          コラム(15日)、米中貿易摩擦再び激化、不穏な空気に包まれる国際情勢

          コラム(14日)、経済を考える一つの視点、「トリクルダウン」か、「トリクルアップ」か

          なんとなくぼんやりとした「不満」が胸の中でさざめいてる。日本人は、いや、日本はこの先、何を基軸として未来に向かっていこうとしているのだろうか。政治家も、財界人も、学識経験者もこの点について多くを語らない。語っている人はいるのだろうが気が付かないだけかもしれない。政治も経済も改革を叫びながら中途半端だ。芯がないというか、ワクワク感がない。そんな思いを抱きながら文藝春秋(6月号)で経済学者・岩井克人氏の「2つのディストピア、米中に飲み込まれるな」という論説を読んだ。岩井氏は世界経

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          コラム(13日)、円にこだわる高齢者よ、目覚めよ!新N I S Aで加速する円安

          植田日銀総裁の「円安無視」発言から急落に転じた円相場は、G W初旬に相次いだ財務省による円買い介入によって多少持ち直した。現在は155円台から156円台をはさんだ動きが続いている。円安の背景には円を取り巻く構造的な問題があるだけに、一時的な介入によって円安にストップがかかることはあり得ない。そんな中で個人的に注目しているみずほ銀行のマーケット・アナリスト、唐鎌大輔氏は12日付けでロイターに投稿、「N I S A(少額投資非課税制度)による国内投資枠」の新設と「リパトリ減税」の

          コラム(13日)、円にこだわる高齢者よ、目覚めよ!新N I S Aで加速する円安

          コラム(10日)、減り続ける実質賃金、4月以降の動向に注目、賃金をめぐる構造問題が足枷に

          厚生労働省が昨日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所が対象)によると、勤労者1人当たりの賃金は物価変動を考慮した実質で前年同月比2.5%減した。減少は24カ月連続で過去最長。日経新聞によると「給与総額は伸びているものの、物価高に追いつかない状態が続いている」。昨年の春闘ではベアが3.6%増えている。にもかかわらず実質賃金は減少した。要するに賃金の伸び率を上回る物価の上昇が続いているということだ。ベアと定期昇給を合わせて過去最高の5.17%(連合第5回集

          コラム(10日)、減り続ける実質賃金、4月以降の動向に注目、賃金をめぐる構造問題が足枷に

          コラム(9日)、庶民感覚なき植田日銀総裁、円安注視に軌道修正

          植田日銀総裁がどうやら、ちょっぴりだが、円安に対する警戒感を強めているようだ。ブルームバーグによると昨日都内で講演を行い、次のように語ったという。「物価見通しが上振れたり、あるいは上振れリスクが大きくなった場合には、金利をより早めに調整していくことが適当になると考えられる」と。26日の金融政策決定会合後の記者会見で同総裁は、記者から「現在の円安は無視できるか」と問われ「はい」と答えた。この発言がメディアによって「円安無視」と短絡的に伝えられ、円相場が急落した経緯がある。これを

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          コラム(8日)、小池東京都知事の学歴詐称問題、裏に深刻な“落とし穴”も、これは一種の国際的な政治スキャンダルか

          7月に実施される東京都知事選を前に、小池百合子東京都知事の学齢詐称問題が再燃している。文藝春秋が5月号で元側近と当時カイロで小池氏と生活を共にしていた知人2人の手記を掲載したことが発端。記事を読む限り小池氏の学齢詐称は間違いない事実との印象を受ける。だだ、どうやら問題はそれほど単純ではないようだ。5月5日にYouTubeに投稿された「郷原信郎の『日本の権力を斬る』#329」によると、今回の問題はエジプト政府と軍部の“威信”に真っ向から挑戦する形になっているという。わかりやすく

          コラム(8日)、小池東京都知事の学歴詐称問題、裏に深刻な“落とし穴”も、これは一種の国際的な政治スキャンダルか

          コラム(7日)、G W明けの世界

          最大10連休となった今年のゴールデンウィーク(G W)が開けた。この間、2日以降はほとんどニュースを見なかった。ニュースなど見なくても、個人的な生活になんの支障もない。わかっているのだが、一介の“ニュース読み屋”としてはちょっと悲しい気分にも。この間、カタールで開催されているU23アジアカップ(オリンピック予選を兼ねる)は予選から決勝まで、深夜帯の試合時間にも関わらずすべて見た。G W中は決勝ラウンドの第2戦、イラク戦を旅行先のホテルで未明に起きてみた。日本にとって久しぶりに

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          ジャーナル(2日)、日米中央銀行の「違い」、基調的インフレか長期見通しか

          パウエルF R B議長は今朝、F O M C(公開市場委員会)終了後の記者会見で「インフレに関する指標は予想を上回っている。確信を強めるまで、従来の想定よりも時間がかかりそうだ」と述べ、利下げ環境の整備に時間がかかるとの見通しを示した。また「インフレ率を目標の2%に下げるのに(現状の)政策引き締めは不十分だという説得力ある証拠が必要だ」とも述べた上で、「その結論を裏付ける証拠はない」と付け加えた。要するに利下げの時期は先送りせざるをえないが、だからといって利上げが必要だとは思

          ジャーナル(2日)、日米中央銀行の「違い」、基調的インフレか長期見通しか