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残照小説

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残照小説の記録  残照小説とは:固定の小説参照
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残照小説

「ざんしょう小説?」 「そう、残照……『残る』に『照らす』で残照な。残照小説、俺はそう呼んでる」    ある日の夕方。  おつかいの帰り道、僕は、変な人を目撃した。  夏が終わってもまだ暑いのに、黒い長いコートを着ている、男の人。  彼の手には虫取り網。そして、足元にはノートが広げて置かれている。ノートが風で飛ばないようにか、四隅に石が乗せてある。何してんだろう……。  うーん。  不審者かな。  学校の先生に報告しないといけないやつかな。  なんて事を、僕が考えていた時だ。

残照小説 2024/05/11捕獲 仮題:瓦礫の下から  瓦礫の下から覗く左腕には、見覚えがあった。  あの腕時計は。あの服の色は。あれは。 「なんで、あんたが」  左腕は、ぴくりともしない。 「なんで」  問いを投げかけても、返答はない。

残照小説 2024/04/14捕獲 仮題:瞳孔の鯨  瞳孔の中で、鯨が泳いでいる。

残照小説 2024/04/03捕獲 仮題:汚れた爪 「どこに行っちゃったのかなあ」  そう呟きながら、彼は素手で土を掘り続けている。

残照小説 2024/03/15捕獲 仮題:白のドラゴン  そこへゴウッと大きな音が響き、見上げれば、真っ白なドラゴンが空を飛んでいた。  飛行機のようだと思った。

残照小説 2024/03/09捕獲 仮題:脳というものは 「いや、脳が消えても魂は残るよ。脳というものは魂の観測装置であって、魂そのものではないからね」

残照小説 2024/03/03捕獲 仮題:腕  パンッ!  という音を残して、僕の腕は飛んでいった。

残照小説 2024/02/26捕獲 仮題:玉葱の種 「玉葱って、中身が出てくるまで剥けばいいんですよね」 「…………表面の皮だけ剥く。わかる?」 「えっ」  こいつホントに料理しねえんだなと思いながら後輩の手元を見ると、玉葱の皮の隙間から桃の種みたいなものが覗いていた。

残照小説 2024/02/23捕獲 仮題:妹の中から  どぶり、どぶりと、妹の中から私が醜い音を立ててこぼれ落ちていく。  ああ、失敗したんだと悟った。

残照小説 2024/02/22捕獲 仮題:愛猫と親友の命  死んだ飼い猫が帰ってきた。  親友を殺した甲斐があった。

残照小説 2024/02/15捕獲 仮題:目覚めと廃墟  随分と長く眠っていたような気がする。  重い瞼を開くと目の前に広がるのは廃墟だった。

残照小説 2024/02/14捕獲 仮題:水筒の弟  すると、水筒の中から弟が這い出してきた。

残照小説 2024/02/07捕獲 仮題:心からの忘れ物  駅に着いたところで、ふと、心臓を忘れてきたのに気付いた。

残照小説 2024/02/05捕獲 仮題:通れない 「実はさ俺あそこ通れないんだよね死んでるから」  は。  何を言っているんだ、この人は。  何を、軽い口調で。  だって、ふたりで脱出する為にずっとここまで頑張ってきて。 「な、だから、お前、ひとりで行けよ」