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やっと『産後うつ』と診断された

前回からのつづきです

産婦人科を出たのは17時を過ぎていたと思う。夕方の渋滞を考えると診察時間までに間に合わないかもしれない。
私は心療内科クリニックに向かっていた。
今向かっていることを伝えるためにクリニックに電話をかけた。
少し遅れるかもしれないということを伝えると電話対応をしてくれた女性は『医師に確認します』と言って電話を待たされた。
どうしても今日診察をしてほしい。。。祈る気持ちで待っていると『待ってますので気を付けて来てください』と返事をもらえた。安心した。
この時は不思議と動悸は出ていなかった。

クリニックについてすぐ診察室に通された。対応してくれた医師は院長先生だった。坊主頭の一見強面の医師だったが、私の話をゆっくりうなずきながら聞いてくれた。
出産してからの症状や、いろんな病院に行ったが原因が分からなかったこと、とにかく症状が辛いと訴えた。

話すうちにだんだんと涙がでてきた。私の話が終わると
医師は『産後うつ』ですね。ひとこと言った。
私は『治りますか?』と聞いた。
医師は『治りますよ』とはっきり言った。

病名が分かったことと、やっとこの辛い症状から解放されるのかと思うと
安堵でまた涙があふれた。

診察室を出ると、製薬会社の営業マンらしい人が待合室の椅子に掛けていた。泣きはらした私をみて何とも言えない顔をしていたのを覚えている。
とても酷い顔をしていたのだろう。

薬を2種類処方してもらい、子供を預けている実家へと向かった。
もらった薬はすぐ飲んだ。
当時の私の年齢は37歳だった。



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