見出し画像

ボーダレス・ドールズ展

東京・渋谷の松濤美術館で開催中のボーダレス・ドールズ展に行ってみた。平安〜現代にかけて日本国内で作製された人形が展示されている。「ボーダレス」の名称どおり、展示品のジャンルは呪術人形からラブドールまで幅広い。撮影禁止。

チラシ表面

私のお目当てはチラシの右…ではなく、左側に映っている呪術人形である。この人形は平安時代の木製人形で、呪殺に使用されたもの。依頼を受けた陰陽師が作ったって書いてあった。

チラシの呪術人形は男性型で、サイズは25センチくらいか。胸部に墨で文字が書かれているが、これは人名らしい。おそらくターゲットの名前と思われる。「この人形を家の軒下や井戸に埋める」と説明文が書かれていた。おそらくターゲットの家のことだと思われる。「井戸に埋める」という表現がいささか不明瞭だが、写真の人形は井戸の場所から発見されたみたい。

また、上記の写真からは分かりづらいが、この人形は両腕を後ろで縛られている状態を表しているようだ。後ろ手に縛られた木製の人形を作製するのは面倒そうだが、それだけ効力も大きそうである。さらには、平面的ではなく膝が折れ曲がってたり腹部の膨らみが形成されており、人間の肉感が見て取れる。

男性型の他、女性型も展示されていた。サイズは15センチぐらいで男性型よりも小さい。形状自体はおおむね男性型と同じだが、乳房が再現されていたりと女性の特徴が模されていた。男性型と同様に墨で人名が記載されていた。

人形を用いる呪術と言えば丑の刻参りのように直接に釘を打ち付けたり針を刺したりする方法が有名だが、このようにターゲットを模した人形を埋める方法もあるようだ。この人名の人物がどうなったのか気になるところである。

呪術人形の他は、「サンスケ」人形というものが印象的であった。高さ50センチぐらいの万歳をした藁人形。青森・津軽地方の人形で、12人で山仕事をすると山の神が怒って災いが起こるため、サンスケ人形を持参して13人です!という建前にしたらしい。「12」という数字が良くないのが興味深い。

その他、ラブドールを間近で見れてよかった。すこぶる精巧だった。

チラシ裏面
不可解な現象や霊的現象が起きるかも!?

8月27日まで開催中。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?