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Wars of Religion 《ユグノー戦争》 ルールブック精察

■更新履歴

2022.11.25 記事中の「移動コスト」を全て「コスト」に置き換えました。活性化した州の兵士ポイントに応じて支払うコストの額が決まるので、たとえ軍隊が移動していなかったとしても支払う必要があるためです。
2022.11.14 ◆14.6 宮廷フェイズにおける行動の解決(日本語訳 P5 左段)にカード名の誤りを追加
2022.11.14 ◆20 事件チット(日本語訳 P20 左段)に地名ミスを2件追加
2022.11.14 ◆18 特別ルール(日本語訳 P9 右段)にカード名の誤りをさらに追加(『軍隊への召集』内)
2022.11.14 ◆18 特別ルール(日本語訳 P9 右段)にカード名の誤りをもう1件追加(『軍隊への召集』内)
2022.11.13 ◆15.7.7 攻城戦(日本語訳 P8 右段)に誤字指摘を追加
2022.11.13 ◆15.8 戦争の勝者の決定(日本語訳 P9 左段)に誤字指摘を追加
2022.11.13 ◆15.5 配置した各軍隊にリーダー1人の割り当て(日本語訳 P6 右段)を追加
2022.11.13 ◆15.1 戦争カード(日本語訳 P6 左段)を追加
2022.11.13 ◆15.7 戦争ラウンド(日本語訳 P6 右段)を追加
2022.11.13 ◆18 特別ルール(日本語訳 P9 右段)に誤訳指摘を追加(『サン・バルテルミの虐殺』内)
2022.11.13 ◆18 特別ルール(日本語訳 P9 右段)にカード名の誤りを追加(『軍隊への召集』内)

■この記事について

先日、Fellowship of Simulations社「Wars of Religion, France 1562-1598」(邦題『ユグノー戦争』)を購入しました。購入先は小さなウォーゲーム屋で、ゲーム本体の他にルール日本語訳が同梱していました。

本作のルールを読み進めていくうち、ルールブックの記載内容やルール自体に、いくつかの問題点があることに気がつきました。この記事は、それらを購入店(小さなウォーゲーム屋)へ連絡するためにまとめた文書です。

なお、ここで指摘している「問題点」は筆者がそう思っただけであって、筆者の思い違いであるかもしれません。また、本当に誤りがあったとしても、それを日本語訳などにどのように反映させるか(あるいはさせないか)は、日本語訳ルール作成者の裁量で決めることです。

■詳細

◆「Call to Arms」の訳語不統一(日本語訳 全般)

「Call to Arms」の訳語が「戦争への召集」と「軍隊への召集」で混在しています(ルール訳本文とカード訳のいずれもです)。

◆14.6 宮廷フェイズにおける行動の解決(日本語訳 P5 左段)

14.6の2行目に脱字があります。
誤: 「~行動を宣言ます」
正: 「~行動を宣言します


2022.11.14追加
同じく6行目
に「Henri of Navarre」とありますが原文のミスです。正しくは「Henri de Navarre」です。

◆15.1 戦争カード(日本語訳 P6 左段)

2022.11.13追加
この項目の3~4行目
に以下の文章があります。

活動勢力(戦争ラウンドで自分の番を行っている勢力)は、非活動勢力より先に自分のカードを使わなければなりません。

「活動勢力」の原文は「active faction」となっていますが、恐らくこれは「active side」の誤りです(原文15.7には『Active side』と定義されています(戦争ラウンドでは勢力ごとではなく陣営ごとに手番を変えるからです)。

ですからこの文の訳語「勢力」は、以下のように全て「陣営」に置き換わります(3カ所)。

活動陣営(戦争ラウンドで自分の番を行っている陣営)は、非活動陣営より先に自分のカードを使わなければなりません。

◆15.3 リクルートと配置(日本語訳 P6 左段)

15.3の見出しは「リクルートと配置」ですが、「リクルート」はすでに宮廷フェイズのアクションで用いられている用語ですので、本項目(15.3)のルール本文に合わせて「動員と配置とした方が適切かと思います。

◆15.5 配置した各軍隊にリーダー1人の割り当て(日本語訳 P6 右段)

2022.11.13追加
15.5の項目末尾にある例文2行は、以下のようになっています。

例: 王党派がリーグのリーダーが率いる軍隊を動員した場合、その軍隊はリーグ・プレイヤーが支配し、移動させることになります。

文章がわかりにくいので、以下のようにしてはいかがでしょうか。

例: 王党派が動員した軍隊をリーグのリーダーが率いる場合、その軍隊はリーグ・プレイヤーが支配し、移動させることになります。

◆15.7 戦争ラウンド(日本語訳 P6 右段)

2022.11.13追加
ページ右段の最下段に「活動勢力」とあります。原文では「Active side」ですので、訳語は「活動陣営」が正しいです。

◆15.7.2 戦争ラウンドの手順(日本語訳 P7 左段)

日本語訳7ページ右段の上から3行目に以下の文があります。

彼は同じ州にいる王党派の軍隊Iと王党派の軍隊IIIを動かすことにしました。

この箇所の原文は「He decides to move the Royalist army I and the Royalist army III in a province. 」ですので、「同じ州にいる」ではなく「同じ(一つの)州へ」です。例えば以下のような訳になるかと思います。

彼は王党派の軍隊Iと王党派の軍隊IIIを同じ州へ動かすことにしました。


日本語訳7ページ右段の上から11~12行目に以下の文があります。

両者が合意すれば、そのコストを同盟している勢力で割り勘にできます。

「割り勘」には均等割りの意味合いが含まれますので、例えば「任意の割合で負担を分け合うことができます」のような表現にした方が、原文の「shared」の意味合いに近くなると思います。

補足: ルールには書かれていませんが、このコストは敵陣営であっても支払えるようです(例えば、ユグノーが単独陣営の時、同意があれば王党派がユグノー軍隊のコストを支払うことが可能です)。

以下で、本作デザイナーがそのような投稿をしています。
https://boardgamegeek.com/thread/2883877/article/40272964#40272964

◆15.7.4 迎撃と回避 (日本語訳 P8 左段)

原文には「迎撃」について成否の判定方法は記述されていますが、「迎撃」自体の定義がありません(ですから日本語訳にも記載されていません)。

また「迎撃」と「回避」の手順と、そこから「戦闘(野戦)」に至る手続きが不明瞭かつ不正確でわかりにくくなっています。

これらについて、デザイナーが明確化した記事がBoardGameGeekに投稿されていましたので、それを参考に(少々長くなってしまったので)本記事の末尾にまとめました(→■迎撃と回避について詳細と明確化)。

◆15.7.7 攻城戦(日本語訳 P8 右段)

2022.11.13追加
15.7.7の4行目に「ラロッシュ」とありますが、「ラ・ロシェル」の誤りです。


15.7.7の3段落目に以下の文があります。

失敗すれば追加で1ラウンド行えますが、守備隊の兵士点は元通りに戻っています。

この箇所の原文は「If unsuccessful, the attacker must try again in a subsequent round, at which point the defending forces will have been replenished.」ですので、「追加ので1ラウンドで行え」るのではなく、「次のラウンドに(攻城戦を)再び試みなければならない」です。例えば以下のような訳になるかと思います。

失敗すれば次のラウンドで再挑戦しなければならず、その時点で守備隊の兵士点は元通りに補充されています。

補足: 原文では、攻城戦が失敗した次のラウンドで、同じ都市に再度攻城戦を行うことが義務のように読めますが、これは不自然に思えます。

攻城戦には実施条件があり、次のラウンドでそれを満たさない場合はどうするかなど、例外的なケースに全く対応できないためです。

個人的見解ですが、「must」になっているのは攻城戦の再試行ではなく、失敗した都市の支配を試みるには次のラウンド以降でなければならない(このラウンドにはできない)、という意味ではないかと考えています。


同じく3段目の末尾と4段目の冒頭の2カ所に「攻囲戦」とありますが、いずれも「攻城戦」です。


日本語訳8ページ右段の最下行から2行上(例文の冒頭)に記載された「Henri de Navarre」のカード名が誤っています。※これは原文のミスです。
誤: Henri de Bourbon Navarre(ナバラ王アンリ)
正: Henri de Navarre(ナバラ王アンリ)

◆15.8 戦争の勝者の決定(日本語訳 P9 左段)

2022.11.13追加
15.8の8行目に「ラロッシュ」とありますが、「ラ・ロシェル」の誤りです。


15.8の最下行から4行上に以下の文があります。

全員が同点の場合も王党派プレイヤーが勝者を決めます。

この箇所の原文は「The Royalist player decides all ties between the Huguenot and League players.」ですので、「全員が同点の場合も」ではなく、「ユグノーとリーグプレイヤーとで同点となるすべての場合も」です。

例えば以下のような訳になります。

ユグノーとリーグプレイヤーとで同点となるすべての場合も、王党派プレイヤーが勝者を決めます。

◆18 特別ルール(日本語訳 P9 右段)

ここもHenri de Navarreのカード名が誤っていました(本項目の6~7行目)。※これも原文のミスです。
誤: 例外はHenri de Bourbon, the Viscount Army, Henri de Bourbon Condéの3人で~
正: 例外はHenri de Navarre, the Viscount Army, Henri de Bourbon Condéの3人で~


2022.11.13追加
「サン・バルテルミの虐殺」の最下行から上に4行目から以下の文があります。この文には3つの問題があります。

王党派プレイヤーは虐殺に伴い、Entrevue de Bayonne(バイヨンヌ会談)事件カードを自動的に使用できます。カード記載のとおり、宮廷フェイズ中、ダイスを振る前に使用できます。

まず「Entrevue de Bayonne」は原文のカード名が誤っています。正しくは「Bayonne's Meeting」です。

次に翻訳です。原文は「The Royalist player may automatically trigger the massacre with the Entrevue de Bayonne Event Card. 」ですので、「バイヨンヌ会談」を使ったら自動的に「サン・バルテルミの虐殺」を起こすことができる、という意味です。

次の文の原文は「It may only be played during the Court Phase, as specified on the card, and must be done before rolling the two dice.」です。カードに記載されているのは使用タイミングである宮廷フェイズ中のことであり、ダイス2個のくだりは書かれていません。またダイス2個を振る前に使用するのは任意ではなく義務となっています。

以上をふまえて、例えば以下のような訳になるかと思います。

王党派プレイヤーは、事件カードBayonne's Meetin(バイヨンヌ会談)を使用し、自動的に「サン・バルテルミの虐殺」を行うことができます。カード記載のとおり宮廷フェイズ中にのみにプレイ可能で、2個のダイスを振る前に行わなければなりません。


2022.11.14追加
「軍隊への召集」の項目で、9ページ右段最下段から上に5行目
に「Antwerp Fury」とありますが原文のミスです。正しくは「Anvers Fury」です。

2022.11.13追加
「軍隊への召集」の項目で、10ページ左段の3~4行目
に「Death of Mary Stuart」とありますが原文のミスです。正しくは「Marie Stuart's Death」です。
2022.11.14追加
同じく3行目の「Savoyard invasion」も正しくは「Savoie Intervention」です。

◆20 事件チット(日本語訳 P20 左段)

2022.11.14追加
「総督の反乱」中の、ダイスを振って配置する州の候補のうち、「Brittany」はボード上では「Bretagne」と印刷されています。ですから正しくは以下のようになります。

1-2: Dauphine  3-4: Bretagne  5-6: Provence

2022.11.14追加
「農民の反乱」
中の、ダイスを振って配置する州の候補のうち、「Normandy」はボード上では「Normandie」と印刷されています。また「Rodez」は州ではなく都市の名前で、それがある州は「Rouergue」です。ですから正しくは以下のようになります。

1-2: Limousin  3-4: Normandie  5-6: Rouergue

◆プレイブックやカードの綴り記号の欠落(日本語訳 P10以降)

プレイブックやカード訳にあるフランス語の人物名や地名に綴り記号(アクサンテギュやセディーユなど)があっても、それらが記載されていません。

◆V - ソロ・モード(日本語訳 P12 右段)

「A- 一般ルール」の「取り替える都市の選択:」の行に誤変換があります。
誤: 「勇戦順位」
正: 「優先順位」

◆B- 自動化ユグノーの事件カード(日本語訳 P12 右段)

以下のカード名が誤っていました。

誤: Wilhem of Nassau (T3)
正: Willem of Nassau (T3)

誤: Merdi Gras surprise (T5)
正: Mardi Gras Surprise (T5)

◆C - 自動化リーグの事件カード(日本語訳 P13 左段)

以下のカード名が誤っていました。

誤: Savoy intervention
正: Savoie Intervention

誤: Mary Stuart's death
正: Marie Stuart's Death

◆D- 自動化王党派の事件カード(日本語訳 P13 左段)

以下のカード名が誤っていました。
誤: He would not dare
正: Il n'oserait

◆王党派事件カードの特別ルール(日本語訳 P13 左段)

日本語訳13ページ右段上から4~5行目にある以下のカード名が誤っていました。
誤: (Henri de Bourbon とViscount Army を引いたら~
正: (Henri de Navarre とViscount Army を引いたら~


日本語訳13ページ右段14行目にある以下のカード名が誤っていました。
誤: 「He would not dare」カードは~
正: 「Il n'oserait」カードは~


日本語訳13ページ右段18行目にある以下のカード名が誤っていました。
誤: 「Conversion」カードはHenri de Bourbonに対して使用します。
正: 「Conversion」カードはHenri de Navarreに対して使用します。

◆王党派 プレイヤー・エイド(日本語訳 P15 右段)

「リクルート可能な人物」にある以下のカード名が誤っていました。
※コンポーネントのプレイヤー・エイドも誤っています。
誤: Henri de Bourbon(3/3 4-6ターン ユグノー)
正: Henri de Navarre(3/3 4-6ターン ユグノー)

◆事件カード(日本語訳 P17~P18)

以下、事件カードの訳について気づいた箇所を列挙します。


王党派の事件カード「Conversion」の訳がリストにありません。
例えば以下のようなテキストになるかと思います。

Conversion (R) 改宗
1回の「人物のリクルート」アクションが自動的に成功する。その人物カードは、ただちにあなたの手札に加わる。
第6ターン/宮廷フェイズ


王党派「Bayonne's Meeting」のカード名が誤っていました。
誤: Bay0nne's Meeting*(R)バイヨンヌ会談
正: Bayonne's Meeting*(R)バイヨンヌ会談


王党派「Il n'oserait」のカードテキスト訳に「戦争への召集」とありますが、本記事の冒頭に書きましたように「軍隊への召集」とどちらかに訳語を統一すべきです。


(ご提案)リーグ「Brotherhood」の日本語カード名は「ブラザーフッド」となっています。このカードのイラストには「Confrérie de pénitents」というカトリックの団体組織(現存しています)が描かれており、つまりこのカードには宗教的な意味合いが内包されています。しかしそのことが、英語のカタカナ表記では伝わりにくいと思いました。

キリスト教に寄せるなら「兄弟愛」「同胞愛」あたりになりそうですが、もう少し一般的な表現として「友愛」というカード名ではいかがでしょうか。ご検討いただけると幸いです。


リーグ「Disgrace(恥辱)」のカードテキスト訳は以下のようになっています。

勢力のリーダーになれない王党派のリーダー1人を取り除く。

日本語として不自然なので、例えば「勢力のリーダーではない王党派のリーダー1人を取り除く。」でいかがでしょうか。原文は「Remove a Royalist leader which may not be a faction leader.」です。


リーグ「Jesuit's Plot(イエズス会の策略)」のカードテキスト訳は以下のようになっています。

任意の「軍隊への召集」人物カードを自分のデッキに追加する。

原文は「Add a Call to Arms character of your choice to your deck.」です。訳文には追加する人物カードの枚数が指定されていませんでしたので、例えば以下のような訳になるかと思います。

「任意の軍隊への召集」人物カード1人を自分のデッキに追加する。

また前述のように「戦争への召集」「軍隊への召集」が統一されていない別の問題がこのカードにもあります。


リーグ「Savoie Intervention」のカード名が「サヴォイの介入」となっていますが、原文カード名は「Savoie」とフランス語表記になっていますので、日本語表記は「サヴォワの介入」になると思います。


リーグ「Spanish Intervention(スペインの介入)」ユグノー「Willem of Nassau(ウィレム・ファン・ナッサウ)」のカードテキストの中に「Flanders」という地名が記載されています(原文と訳文いずれにも)。ですが、ゲームボード上には「Flanders」という州やエリアはありません。

これは、三カ所あるスペインエリアのうち、最も北にあるエリアを指していますので、例えば、以下のように明示した方が明確になるかと思います。

Spanish Intervention*(L)スペインの介入
Flanders(最北部のスペインエリア)にFarneseリーダーが率いるリーグの8兵士点を置く。

Willem of Nassau*(H)ウィレム・ファン・ナッサウ
Nassauリーダーが率いる5兵士点のユグノーの軍隊をFlandersに(最北部のスペインエリア)に置く。

デザイナーによる明確化の投稿は以下にあります。
https://boardgamegeek.com/thread/2966504/article/41125899#41125899


リーグとユグノーの「Estates General(三部会)」のカードテキスト訳に脱字があります。リーグとユグノーの訳文いずれにも、以下の「点」が抜けていました。

王党派の税レベルを1増やし、リーグの条約を+2する。王党派プレイヤーは税レベルを1下げることでこのイベントを無効にできる。


ユグノー「Hampton Court Treaty(ハンプトン・コート条約)」のカードテキスト訳は以下のようになっています。

このターン、イングランドが最大限の支援を行う。「The Havre」カウンターをマップ上に置く。

確かに原文でも「The Havre」となっていますが、これは「Le Havre」の誤りです。


ユグノー「Johan Casimir(ヨハン・カジミール)」のカードテキスト訳は以下のようになっています。

5兵士点のユグノーの軍隊を3 Eveches(三司教区)に置く。

ボード上には「3 Eveches」というエリアはありません。これは「Évêchés」("3"がない)と印刷されていますので、例えば以下のように明示した方がよいと思います。

5兵士点のユグノーの軍隊を、「3 Évêchés(三司教区・ボード上では"Évêchés")」に置く。


ユグノー「Molle and Coconnat Conspiracy」には2つの問題があります。

まずカード名の日本語訳がありません。「Molle」と「Coconnat」は人物名(正確にはフランス人名の英語表記)なので、そのまま「モールとココナットの陰謀」でいかがでしょうか。

2つ目はカードテキスト訳です。このカードテキスト訳は以下のようになっています。

王党派は4 兵士点を失い、その兵士点がユグノーに与えられる。「Francois d'Alencon's death」の後では使用できない。

原文は「Royal lose four troop points to the Huguenot. May not be played after François d'Alençon's death.」です。問題は後半の文にあります。

まず「Francois d'Alencon's death」という事件は、カードにもチットにもありません。これは、事件チット「Anvers Fury(アンヴェール(アントワープ)の怒り)」の効果でFrançois d'Alençonが死亡した後は、この事件カードが使えなくなるということです。

冗長な記述かもしれませんが、例えば以下のような訳はどうでしょうか。

王党派は4兵士点を失い、その兵士点はユグノーに与えられる。事件チット
「Anvers Fury」でFrançois d'Alençon死亡後は
使用できない。


(ご提案)ユグノー「Monarchomachists」のカード名訳が「モナルコマキ」になっていますが、カタカナ表記で意味がわかりにくいと思いました。これは日本語表記で「暴君放伐論者」でいかがでしょうか。


ユグノー「La Rochelle(ラ・ロシェル)」にスペルミスがあります。
以下の訳文の"e"が抜けていました(2カ所)。

La Rochelleの支配をユグノーに変更する。ユグノーがLa Rochelleを支配している限り、ユグノーの収入に+2する。


■迎撃と回避について詳細と明確化

不明瞭な迎撃と回避のルールについて、BoardGameGeekでデザイナーが明確化している一連の投稿記事が以下にあります。https://boardgamegeek.com/thread/2895794/interception-clarification

本項目は、上記の記事を原拠としてまとめました。


「迎撃」には2つのケースがあります。一つは「移動途中の迎撃」、二つ目は「移動後の迎撃」で、それぞれ解決手順が異なっています。以下、これらを個別にまとめます。


ケース1: 活動陣営の軍隊は、複数の州を経由して活性化した州へ移動する時、移動途中の州に非活動陣営の軍隊がいれば、それから迎撃を受けることがあります。

このケースの場合、非活動陣営の軍隊が迎撃を実施し、それに成功しない限り、戦闘(野戦)は起こりません。

また移動途中の活動陣営の軍隊は、自分から非活動陣営の軍隊に対して戦闘(野戦)を仕掛けることはできませんので、このケースで非活動陣営の軍隊が「回避」を行うことはありません。

移動途中の活動陣営の軍隊が迎撃を受け、その戦闘(野戦)に敗北すると、その軍隊の移動はその州で強制的に終了します。この軍隊は活性化した州へ移動できませんが、この場合でもコストは支払い、損耗の解決も行わなければなりません。


ケース2: 活動陣営の軍隊は、活性化した州へ移動した後で、そこに非活動陣営の軍隊がいれば、それから迎撃を受けることがあります。

活動陣営の軍隊が活性化した州に移動した後、その州に非活動陣営の軍隊がいたとしても「戦闘(野戦)」は任意です。

活動陣営プレイヤーは、同じ州に非活動陣営の軍隊があれば、それと戦闘(野戦)を望むか、あるいは望まないかを、非活動陣営プレイヤーに伝えます。

A. 活動陣営プレイヤーが、同じ州にいる非活動陣営の軍隊との戦闘(野戦)を望んだのであれば、非活動陣営プレイヤーは、

 1. 戦闘(野戦)を行う
 2. 「回避」を行う

のいずれかを選択します。

1.を選択したのであれば、そのまま戦闘(野戦)を解決します。

2.を選択し、「回避」の判定に成功すれば戦闘(野戦)は行われず、回避ルールに沿って処理します。「回避」に失敗したのであれば、戦闘(野戦)を解決します。

B. 活動陣営プレイヤーが、同じ州にいる非活動陣営の軍隊との戦闘(野戦)を望まない(すぐに攻城戦を行いたい)のであれば、非活動陣営プレイヤーは、

  1. 「迎撃」を行う

  2. 何もしない

のいずれかを選択します。

1.を選択したのであれば、迎撃の判定を行います。迎撃が成功すれば戦闘(野戦)を解決しなければなりません。

2.を選択したか、迎撃に失敗したのであれば、戦闘(野戦)は行われません(通常は、この後に活動陣営の軍隊による攻城戦が行われるでしょう)。


以上です。

本記事の内容についてご意見などございましたら、コメント欄か、あるいは筆者Twitterアカウントまでご連絡ください。


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