どうして惑星は瞬かないの?
Twinkle twinkle little star,
How I wonder what you are!
とても有名な童謡、きらきら星はこう始まる。
きらきら光る小さな星、あなたは何?みたいな意味。
Twinkle twinkleとあるように、星は夜ちかちかと輝いている。
前に星を見に行った時、どうして星は瞬くか知ってる?と聞かれたことがある。知らなかったので、知らない…と答えると、大気が揺れているからだよ、と教えてくれた。その時は、へえ…と納得した。
しかし、先日プラネタリウムに行ったところ、惑星は瞬かないから恒星と惑星を見分ける時の参考にしてください、と解説されていた。
惑星は瞬かない!?惑星の光も恒星と同じように地球の大気を通って、地上に光を届けているから、大気の影響を受けるのでは…?どうして…?
混乱したので、どうして恒星は瞬き惑星は瞬かないのか、調べてみることにした。
まず恒星と惑星って何なのか。
恒星とは自分で光っている星のことで、惑星はその周りを回る星のことをいう。わたしたちがいる地球から見て瞬かない惑星たちは、水星金星などなど…といった太陽の周りを回る星たちだ。
そんな恒星と惑星には大きな違いがある。
それは地球からの距離だ。恒星は1番近い星(プロキシマ・ケンタウリ)でも4.2年光年先にあるのに対して、惑星は1番遠い星(海王星)でも0.000475光年。なんかとても近く思える。
なので、惑星は面で光っているのに対して、恒星は点として光って見える。点の光は面の光より弱く、大気の影響を受けてしまう。それで、恒星は瞬き、惑星は瞬かないということになる。なるほど〜…。
実際にどれくらい違いがあるのか比べてみる。
惑星代表として木星、恒星代表でプロキシマ・ケンタウリの見かけの大きさの直径、視直径φを計算する。
視直径φは天体までの距離をa、天体の半径をrとすると、
$${\phi \approx \frac{2r}{a}}$$
で求めることができる。
木星
r = 69,000 km
a = 901,000,000 km
φ ≈ 1.55 × $${10^{-4}}$$ [rad]
= 8.89 × $${10^{-3}}$$ [度]
プロキシマ・ケンタウリ
r = 107,000 km
a = 4.02×$${10^{13}}$$ km(= 4.246光年)
φ ≈ 5.34×$${10^{-9}}$$ [rad]
= 3.06×$${10^{-7}}$$ [度]
$${10^{-3}}$$と$${10^{-7}}$$。10,000倍ちがったな…。
ふと、きらきら星の歌詞を思いだす。
Twinkle twinkle little star,
How I wonder what you are!
この子が見ている星は、きらきら瞬いているんだから、この星は惑星ではなくて恒星だ。
ということは、すべての星から予想しなくてはいけなかった星の正体の候補を、8択減らすことができる!(残り8600択)
参考文献
”星がまたたく理由”. 機械学習エンジニアの技術メモ. 2020-05-02. https://kakedashi-engineer.appspot.com/blog-knowledge-341/ (参照 2024-05-19).
”天体の見かけの大きさ”. 物理のメモノート. 2017-06-05. https://physmemo.shakunage.net/phys/diameter/diameter.html (参照 2024-05-19).
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