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トッケビを観た感想

※この記事は、2021年8月14日の過去ブログ記事を再掲載したものです。

前回の投稿から時間が経ってしまった上に、いきなり「死神」の文字。
のっけから画像が恐ろしい印象を与えてしまっていたら申し訳ありません。
しかし、話題はそんなに恐ろしい内容ではありません。
今回のお話は、韓国ドラマ「トッケビ」についてです。
画像は、トッケビの中に出てくる死神をイメージして、イラストレーターで文字を少し伸ばしたりしてアレンジしてみました。

トッケビを観ていちばん印象的だったのが、生と死について。
ただの恋愛ドラマではなく、生きること、死ぬこと、妬むこと、愛すること、許すこと──
いろいろな要素が詰まった作品で、久々にドラマにハマって繰り返し観ています。
トッケビが放送されたのは2016年でもう今から5年前ですが、映像も美しくCGを使っていたりして大変見応えがありました。

冒頭はこの言葉から始まります。
『人間の血と汗が染みた物に思いが宿るとトッケビになるという』


■物語の時代背景
物語は、高麗時代の将軍キム・シンが主人公。
高麗時代は、918年〜1392年までだそうで、日本では平安・鎌倉・室町時代に当たります。
キム・シンは国と民を守るため戦い、その勇ましい姿を民は神と崇めました。
そんなキム・シンは、王を脅かす存在として妬まれ、謀反(国家や君主にそむくこと)の罪で、王命により一族諸共殺されてしまいます。
そして、さらに残酷なことに、キム・シンの遺体は埋葬されることさえ許されませんでした。


■民の祈り
胸に剣が刺さったまま、埋葬されずに大地に横たわるキム・シン。
民は「神よ、将軍をお助けください」と祈り続けました。
やがてキム・シンの肉体は消え去っても、胸に刺さった剣は、大地に突き立ったまま。
その剣に、家臣もずっと祈り続けます。
そしてついに、その願いが神に届きました。


■神の言葉
『民の思いがお前に命を与えたようだ
 だがその剣は幾千の血に染まっている
 たとえ敵でもそれもまた尊い神の創造物
 独り不滅の命を生き 愛する者たちの死を見届けよ
 どの死も忘れることはない
 私が与える褒美であり お前が受ける罰だ
 トッケビの花嫁だけが その剣を抜くことができる
 剣を抜けば無に帰し 安らかになろう』

そうしてキム・シンはトッケビとなり、神から不滅の命を与えられました。
永遠の命、それは民を守った褒美であり、また戦いにより数多くの命を奪った罪に対する罰でした。


■トッケビとは、何か?
この言葉に馴染みがないため、まずそこから謎でした。
調べてみると、トッケビとは韓国に伝わる精霊・妖怪の一種だそう。
姿は人間に似ていて、悪戯好きで特殊能力がある。
日本語では鬼と訳されたりするようですが、日本人が持つ鬼のイメージとはまた違う印象です。
主人公のキム・シンはこの「トッケビ」という存在となって、900年以上も生き続けていて、物語の舞台は高麗時代から現代に移ります。

■かなりざっくりしたあらすじ
主人公のキム・シンは、不滅の命を終わらせるため、その命を終わらせてくれる存在「トッケビの花嫁」を探しています。
そしてその花嫁は、出会った当時はまだ高校生のウンタクでした。
命を終わらせたくて花嫁を探していたけれど、ウンタクを愛し始めたことで、生きたいと思うようになったキム・シン。
そして物語には、トッケビと同じように死を見送る使命を与えられた存在「死神」も登場します。
死神はトッケビと違い、自らの前世の記憶はなく、自分自身が何者なのか、何のために死者を見送る仕事をしているのか、自分の名前さえも知りません。
そんな登場人物が複雑に絡み合い、ストーリーが展開していくのですが、細かい内容はここでは割愛させていただきます。







■私が強く惹かれた部分
※※ここから先はネタバレを含みます※※

死神の存在とは何なのか?
ドラマの終盤、それが明かされる場面があります。
以下、イ・ドンウクさん演じる死神のセリフです。

『前世で大罪を犯すと死神になる──その罪の正体だ
 俺たちが犯したのは 自ら命を絶った罪だ
 神は 自分の命を粗末に扱った者を死神にして
 死者を見送らせながら
 人間でも死者でもないまま存在させる
 
 神はなぜ名前も記憶もない死神を
 家に住ませ 食事もさせて生かしていると思う?
 その答えを追い求めていけば
 いつか俺たちも 捨てた名前や人生を取り戻したくなるんじゃないだろうか
 “生きたい”と思った時 俺たちの罰は終わるのかも
 (中略)
 神が望んでいるのは 俺たちが自分を許し
 命の尊さを悟ることだ』


この台詞が非常に印象的でした。
私は昔から、人は死んだらどこに行くのかとよく考えていました。
魂の行方、天国や地獄はあるのか、寿命や死因についてなど。
別に自分が生死について悩んでいるわけではないのですが、ただ、よく考えるのです。
この台詞は、その問いに対する一つの答えのように思います。
世の中には様々な意見や考えがある中で、一つの希望的な答えだと。


今回は死神に注目したわけですが、他の登場人物もとても魅力的で面白かったです。
そして、主人公のキム・シンを演じたコン・ユさんにどハマりした私です。
まだ未婚のコン・ユさんと、どうにかして出会って結婚できないものかと真剣に考えるくらい。(バカ)
とりあえずコン・ユさんの他の作品を観たり、絵を描いたりして想いを募らせようと思います。
他のおすすめ韓国ドラマがあれば、是非教えてください。
では、また次回の記事で。

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