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ぬか床をもつ生活に憧れて

ぬか味噌くさい女
所帯じみているとか垢抜けないとかネガティブな響きがある。若かりし頃はそうはなりたくないと思っていた。

30代後半からの体調不良をきっかけに食生活を改めた。と同時に、ぬか床に注目した。


野菜の種類や室温によって漬け時間を変える。野菜から出た水分でぬか床が緩くなったら米ぬかを足し、匂いや味が変われば塩を足すなど試行錯誤の日々だった。
外の気温が30度を越えたある日、ぬか床からツンとした嫌な臭いが漂ってきた。あの手この手を尽くしたけれど、回復することなくわずか数ヶ月で廃棄。ぬか床の手入れは思いのほか難しかった。考えが甘かったと痛感。


残念ながらカナダでは新鮮な米ぬかが手に入らないけれど、いつの日かまたチャレンジする気はあるので、当時参考にした本はまだ手元に残している。

「ぬか漬けをサラダ感覚で食べましょう!」
と、千束の店主下田さん

熟成ぬか床に米ぬかを足しただけではすぐに増産とはならない。千束さんのぬか床セットは手元に届くまで半年待ちだそう。相変わらず人気だ。


九州大学の研究対象として選ばれた千束さんのぬか床。発見された新しい
生産菌は「chizuka」と呼ばれている。
また、千束さんのぬか床は、江戸初期に小倉藩主・小笠原忠真公が前任地の信州・松本から小倉に伝えたという歴史があるとか。




ぬか味噌女房
誤解されているけれど、本来の意味は「出来た女房」だそう。
通年ぬか床を安定させ、食べ頃を逆算した上で野菜毎の特長を活かすよう下拵えをする。程よく浸かった頃合の、目にも鮮やかな香の物で食卓を彩る。
簡単なように見えて簡単じゃない。それをさらりとやれる人って格好いい。
私はそんなおばあちゃんになりたい。






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