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Monthly MAL vol.11

こんにちはーMyAnimeList(以下、MAL)樋口です。街は段々クリスマスっぽくなってきましたね!MALもクリスマスイベントがはじまって大にぎわいです!さて今月のMonthly MALですが、いろんなことを盛りだくさんでご紹介しようと思いすぎて、月末の更新になってしまいました、ごめんなさい!しかし内容は楽しいものばかりです。MALでめっちゃ好評なラノベコンテストの第二弾エントリー作品のご紹介、海外での「アニメ化」と「マンガの人気」の関係性分析になります。最後までおつきあいくださいませ〜❤️

【第2回】Writing Contest

取締役の赤星です。

本号では、英語小説投稿コンテストの第二回についてみなさまにお話ししたいと思います。MALの小説投稿コンテストってなんぞ?というかたは、こちらも合わせてご覧くださいませ。

<第二回 MAL x Honeyfeed Writing Contest キービジュアル>

第二回も第一回と同様、受賞作品はその後の審査によっては講談社から出版される可能性があるという枠組みで実施しています。第二回コンテストのタイムラインは以下のとおり。

応募期間:2022/6/1 ~ 9/1
審査員による審査期間:2022/9/2 ~ 11/2
一般ユーザーによる決勝投票期間:2022/11/3 ~ 11/30
受賞作品発表:2022/12/12

すなわち、今日は投票期間最終日!

第二回の応募総数ですが、前回第一回と同様800件を超える大盛況となりました。世界中のアニメファンのクリエイターが持つ、日本で出版されたい、自分の作品がアニメになれば・・・、という、これまでどこに向かえば実現できるのか道標がなく、振り向ける先のなかった滾る熱い思いを一点に感じるような結果となっています。

今回のお題ですが、学校生活(School)ラブコメ(Rom-Com)サイバーパンク(Cyberpunk)の三つとなっています。応募者は、以下のボードから連想される内容を盛り込んで作品を書き上げていき、各お題の中からひとつずつ、受賞作品が選定されます。

お題別応募数割合は、以下のようになりました。サイバーパンクが頭一つ抜けていますね。

応募受付開始までの準備期間が第一回と比較して長くとれたせいか、今回の投稿作品、質が非常に高いと運営チームより声が上がっています。期待しちゃいますね!

第二回コンテストでは、決勝進出作品を選定するにあたり、MyAnimeListの一般ユーザーにも審査員としての参加希望有無をヒアリングし、一定の内部選考のもと選ばれたユーザーも審査員として参加しましたので、よりコミュニティの意思を反映した決勝進出作品を選定することができたと思います。

最後に、決勝進出作品を審査員によるコメントを添えてご案内して、本パートを締めたいと思います。受賞作品が決定したら、またお知らせしますね、それでは、お楽しみください!

■School(学校生活)

Gifted Education Program (GEP)

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/7654

本作品は、長年のアニメファンであれば、しっかりと読んで楽しめる小説です。ラブコメや学園アニメなど、私たちが大好きなアニメのテイストをふんだんに取り入れ、学校という舞台で心理的なひねりを加えているのです。アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』と同様に、本作品も、エリート校に通う高校生たちの生活や交流を描いており、卒業を目指すなら、どんなことをしてでもそこを「生き残る」必要があります。本作品はより軽快なアプローチで、ダークなテーマに10代のコメディをふんだんに織り込み、どの章でもきっと驚きと楽しみの両方を与えてくれることでしょう。

Are You Real?

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/7994

自分が何者で、まだ何を望んでいるのかがわからない人間のレンズ越しに、高校生活の浮き沈みを描いた小説で、強く感情に訴える力を持った作品です。アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を彷彿とさせるように、主人公たちはどこか引っ込み思案で、自分を取り巻く世界から遠く離れているが、物語の中で、さまざまな友人たちの助けを借りて、徐々に心を開いていく。主人公のキロが少しずつ自分の殻を破ることで、ほろ苦い山あり谷ありの学校生活がリアルに描かれている。

The Web Novel Club

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/8851

本作品では、常に新しい物語が紡がれている。日常を切り取ったような雰囲気の中で、ドラマやダークなテーマを盛り込んでいくことを、作者は厭わない。物語の大部分は、作家、特にまだ高校生の作家であることの本当の意味を深く掘り下げている。ドラマが盛り上がる頃には、その雰囲気とキャラクターがあなたを虜にしています。アニメ『ブルーピリオド』を彷彿とさせる、情熱を持ち、芸術の世界を発見していく物語です。

Our School is Perfectly Ordinary

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/9240

『呪術廻戦』と日常系という組み合わせは、この小説を読むまでうまくいくとは思ってもみなかった。本作品の主人公・シュンは、典型的な現代ファンタジーシリーズの脇役です。超常現象が起こったときのことを覚えている唯一の一般人として、彼はあまりにも頻繁に死に直面しながらも、平凡な学校生活を維持しようとする(そして正気を保とうとする!)。この新鮮なコンセプトの下で、友情、秘密、思い出作りに焦点を当てたストーリーは、日本の高校という舞台の魅力と魔法を完璧に捉えており、本当に胸を打つ。

■Rom-Com(ラブコメ)

The Wanderblood Princess and Sir Try Hard

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/7922

もしあなたが、散りばめられたコメディと、たくさんのドラマがある、ゆっくりペースなロマンスストーリーが好きなら、本作品はあなたのための小説と言えるでしょう。 騎士のカラメロは、貴女の「俺の嫁」になる可能性を秘めています。彼の魅力とシフォンへの接し方は、あなたの心をときめかせることでしょう。ロマンスだけでなく、緊張感、ひねりの効いたストーリー、そして詩的な文章が待っています。

My First Love Tastes Like Glitter

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/8426

本作品は、二次元のワイフ・ハズバンドをお持ちの方に読んでいただきたいラブコメです!二次元に憧れるオタクの二人が、理想のデートを繰り広げながら、どの章も大笑いしたり、二の足を踏んだり、赤面したりすること間違いなしです。二次元への熱い思いが、実生活にどのような影響を及ぼすのか、楽しく描かれている。アニメ『その着せ替え人形は恋をする』同様、オタクの一風変わった日常を描いたラブコメディーで、趣味への感謝と興奮に満ちた作品です。

Cupid's BLAME!

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/8411

死んだ高校生の...ラブコメ?本作品は、それぞれ欠点や恋の失敗を抱えたバラエティに富む素敵なキャラクターたちが、バス事故の後、人生の新たなチャンスを求めて、キューピッド自身の手により蘇生させられました!?6人の学生は、学校の落ちこぼれ2人を恋に落とす必要がありますが、生き返るのは1人だけです。本作品のコメディは一流で、無理矢理感や突飛な感じがなく、恋愛の要素と完璧に調和しています。この作品は、サバイバルゲームとなっているため、キャラクターたちは本当の自分をさらけ出しアピールしていく必要が生じます。そして、なぜ彼らはキューピッドに "失敗作 "とみなされたのか…

She Can't Be That Perfect!!

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/8479

人生は予測不可能な驚きに満ちている。本作品を読むと、それがよくわかる。この小説は、何人かの登場人物を中心に展開し、彼らが密室での生活、つまり外見上は完璧に見えるが、困難や感情のねじれに満ちた生活にどのように奮闘するかが描かれている。異なる背景を持ちながらも、2人の女性主人公が親しい友人となるのに時間はかかりませんが、エイミーはそれ以上のことを望んでいます。アニメ『白い砂のアクアトープ』と同様に、この物語は、どんな背景や違いがあっても、必ず人生をやり直すことができ、それが場所であれ人であれ、歓迎される家を見つけることができることを教えてくれるのです。

■Cyberpunk(サイバーパンク)

City of Flowers

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/7670

本作品は、サイバーパンクがディストピア都市や近未来の人間サイボーグだけではないことを思い出させてくれます。サイバーパンクというジャンルは、暗い空とスモッグに覆われた風景、そして強すぎる企業以上のものを提供してくれることを教えてくれます。本作品は、サイバーパンクの未来が、実はSF的な美学や邪悪な巨大企業ばかりではないことを示し、植物が単に自然が残したものというだけのもよりもずっと素晴らしいものであることを教えてくれます。主人公のアイリスは、学業と将来の就職面接に悩む、共感できる人物です。サイバーパンクというカテゴリーに新しい風を吹き込んでくれる作品だ。

Rat's Reason

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/7679

本作品は、人間が自身を49%を超えて機械化すると、人とは異なる扱いを受けるというジレンマを提示し、その確立した理性に反する敵役を用意して、世界に向き合うことを迫っています。この世界観の中で、各キャラクターがどのように関わりあい、どのような考えを持っているのかが丁寧に描写されており、私がこれまで読んだ作品の中でも、最も肉付けが濃く、かつ魅力的な物語になっています。本作品のメインテーマである "人間であることの意味、それをどう数値化できるか?"というモラルのグレーさには引き込まれるものがあり、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』的な世界の中に、アニメ『DARKER THAN BLACK』シリーズのような要素が潜んでいます。

Faustic

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/7731

本作品は、実存的な大きな問いに深く切り込んでいます。汚くて、おぞましくて、不公平な世界を描いていますが、それでも私たちの現実になり得る世界です。この小説では、ホムンクルスが家畜のように扱われる一方で、彼らは自分たちのことをよく理解しており、人間が他の生物をどのように扱うかについて描かれています。動物虐待から独裁政治まで、強いテーマを持っています。本作品の「何をやっても世界は変わらない」という無力感は、ゲームソフトの『ウィッチャー』やアニメ『鋼の錬金術師』を彷彿とさせるものがあります。

Stuffed

作品URL: https://www.honeyfeed.fm/novels/8774

「表紙で本を判断してはいけない」という諺は、本作品にぴったりな警告です。かわいい小説の表紙は、読者に虹と蝶々に満ちた物語を読ませようとしているのだと思わせるかもしれない。しかし、ラッキーのかわいらしさと、この物語の切実なテーマとは、驚くほど対照的だ。本作品は、人間の正義感や欲深さに疑問を投げかけると同時に、技術の進歩が悪の手に落ちると混乱を招くことを明確に示しており、示唆に富んでいる。また、友情とセカンドチャンスについての美しい物語でもある。

データ分析【マンガ編】

データ活用チームでMALにジョインしている電通の清水です。
10-12月クールのアニメは各作品折り返しを迎え、非常に盛り上がっていますね。今月のMonthly MALでは、作品のメンバー数を追うのではなく「マンガ」にフォーカスした分析をお送りしたいと思います。

MALで見るマンガデータの価値

MALはアニメのページが充実したコミュニティサイトというイメージが強いかと思いますが、マンガのページも充実しています。11月30日現在で41,929タイトルものマンガ作品が登録されています。
マンガがヒットしてからアニメ化され更に人気が拡大していく日本の環境とは異なり、海外ではアニメが先に視聴され、そこでファンになった人たちがマンガにも手を出してみる、という流れが一般的です。
近年大手出版社さんを中心に海外向けのマンガPFの整備が進み、今まで以上に海外でのマンガ購読は容易になりつつありますが、MALのメンバー数で見ても、まだまだ人数には差がある状態です。
(ex.アニメ「チェンソーマン」…854,600人  マンガ「チェンソーマン」…485,097人)
とはいえ、すでに人気な作品においては十分分析に足るメンバー数が登録してくれています。このデータの推移を見ていくことで得られる知見もたくさんあります。

分析の視点

今回の分析では、「アニメ化」と「マンガの人気」の関係性にフォーカスしていきます。特に今回はマンガを主語として、アニメ化によってどのようにその人気が変化したのかを、いくつかの作品で比較してみます。

対象にしたのは2022年に放送されたアニメ作品のうち、マンガを原作に持ち、かつ「2期」のような「続編もの」ではない、初めてアニメ化されたものを10作品選びました。これらの作品はすべて、アニメ化が決定しMALにアニメのページが作られた時には、すでにマンガのページがあった作品です。

この10のマンガ作品のメンバー数を以下の4タイミングで比較します。

①MALでアニメのページができた時
②MALでアニメのページができてから3か月後
③アニメ(1期)の放送が始まった時
④アニメ(1期)の放送が終わった時※

※現在2期目以降の作品は、1期目の始まりと終わりのタイミングで比較しています。
※現在1期目を放送中の作品は、データを記録した11/17時点のメンバー数で比較しています。

各時点におけるメンバー数

対象とした10の作品にメンバー数を、①~④のタイミングごとに内訳を見ています。
④時点で最もメンバー数が多い作品は「チェンソーマン」で、2位の「Spy x Family」のダブルスコアとなっています。4-6月クールで大きな話題を呼び、アニメのメンバー数は20万を超えている「パリピ孔明」は、マンガでは2,000に満たない数字となっており、作品によっても大きく数字の出方は異なっていることがうかがえます。

※チェンソーマン、ブルーロックは1期放送中のため、11/17時点の数字

メンバー数はいつ成長したのか

上記のグラフでは、作品によってメンバー数が急上昇したタイミングに異なる傾向が確認できます。特にメンバー数の多い「チェンソーマン」と「Spy x Family」では、大きな違いが確認できます。
「チェンソーマン」はオレンジの部分が大きい、つまり(MALにアニメページができてから3か月後)から(アニメの放送が始まった時)までの間に非常に多くのメンバーを増やしています。ここではアニメの期待値が非常に高まって、待ちきれない人たちが先にマンガを読んだ、というような状況が想像できます。
それに対して「Spy x Family」は(MALでアニメのページができた時)、つまりアニメ化が発表されたときには、すでに多くの人がマンガページのメンバーとなっていました。アニメ化が決まっていくよりも早く、急速にマンガの人気が高まったり、逆にアニメになるのが遅かった、というような状況が想像できます。ちなみに「Spy x Family」のアニメ化が発表されたのは8巻の発売直前だったので、一般的にはアニメ化が遅かったわけではなく、急速なマンガのヒットがあったと考えられます。

それぞれの時期間での成長率をパーセンテージでも確認してみました。

※メンバー数が多くない「パリピ孔明」は、少しの変動でも数字が大きく変わるため参考値

数字で見ても、上述の「チェンソーマン」の伸びは明らかに大きいことがわかります。また、「よふかしのうた」は①➡②での成長率が高く、アニメ化というニュースの力によってマンガにまで良い影響が出たことが伺えます。「サマータイムレンダ」は③➡④の成長率が高く、アニメ放送中の評判が話題を生み、マンガにもよい影響を出したことがうかがえます。

まとめ:アニメ化によるIPの成長

ステークホルダーによってアニメ化に期待する効果は様々だと思いますが、IPへの関心が高まり、マンガやグッズへと手が伸びていくことは誰もが歓迎することだと思います。今回の分析では、アニメ化タイミング、アニメ化発表タイミング、そして期間内のプロモーション施策などの影響によって、マンガにもたらされる影響の違いを確認することができました。こうしたデータを参照しながら、施策の最適なフォーメーションを検討していくことも面白いかもしれません。

MALでは今様々な角度からマンガのデータにアプローチしています。今後も面白い切り口が見つかりましたらMonthly MAL上でレポートしていきますので、お楽しみに!


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